物流合理化


物流の合理化により生産者価格と消費者価格の乖離の幅を縮めようと、国を上げて努力することになった。
道路やISDNなどインフラに関ることは加速度化してもらわなければならない。また、競争を促す規制緩和も必要であろう。しかし、その時に流通業者当事者として考えておかなければならないのは、当然ながら費用対効果についてである。
すばらしくシステム化した産地の集出荷所で、十分に出荷経費が吸収できず、大手の生産者がそのセンターの利用を止め、結局稼働率が下がってしまった結果、また利用料を上げなければならないという悪循環に陥っているところがある。市場業者も同様で、どこまで投資をすれば引き合うか考えて投資する必要がある。立派すぎる物を作ってしまうのは、結局補助金の魔力ではないか?
議論をしていくうち、もっと良いものをもっと人手を省いてできないか、というところに話しが行き、結局重装備になってしまう。人ができることは人がし、しかもそのシステムを運用するのは人だから、作業員の能力レベルにあった物でないとそのシステムは動かない。人とシステムをいかに有機的に結び付け、投資額を減らすか、この視点から市場業界でも物流投資をする必要がでてくるであろう。


1997/09/01 磯村信夫