7、8、9月の物日を終えて


需給バランスの仕組みがすっかり変わった。
昨年まで、それ以前の5年間は量販店納めの花束加工業者が早買いをし、終わってから一般の小売店が買うパターンであった。このパターンが始まったのが7〜8年前。そして5年前から量販店が相場的に高いものを買い、間際に相場が下がり、専門店が安く買うパターンとなった。それが本年から“鮮度の良いものを売りたい”という量販店の要望で、全て間際に需要が集中するようになった。それゆえ7〜8月の盆、9月の彼岸と、早くて3日前からしか需要は高くならない、という現象が起こった。産地はもちろん従来通り1週間ほど前からピークを持ってくる。まして今年は前進開花が目立ち、物日の前は今年からの仕入れパターンと相反した入荷となったため、平常よりも安い相場が続いた。平年からはピークが前に来るといえども、入りの5日前が無難なようである。ほとんどの産地は消費動向を反映したこの小売側の仕入れパターンに気付いていないだろうから、来年もまた物日安、物日後の堅調相場となる可能性が強い。


1997/09/22 磯村信夫