県民性


仕事柄、近頃産地へお邪魔することが多い。
「50年体制の変化」どころか、徳川時代から続く米流通のルールと、生鮮品の卸売市場流通のルールがガタピシ来ているのだから、産地にお伺いし、「傾向と対策」を共々考えるためである。
その時いつも気に止めておかなければならないのが“県民性”だ。こちらがこう解釈して欲しいと発言したりしたことが、違って受け取られる場合があるからだ。
その勉強は読者の皆さん各自にしていただくとして、今日は花の好みについてお知らせする。全国で16歳以上の男女を対象に「一番好きな花」について調査したところ、男性ではすべての年層で“桜”が最も好まれていることがわかった。また女性では、16〜35歳で“チューリップ”が最も好まれ、36〜55歳では“コスモス”や“桜”、“バラ”が並び、56歳以上では“桜”が最も好まれている。
地域と花の好みの関係についての調査結果もある。桜やツツジなど、春から初夏に咲く花を好む人が集中しているのは、主に甲信越、中国、四国、そして九州となっている。なお、近畿ではすべての花について平均を上回る件は1つもなく、いずれの府県も平均的である。このほかにも平均と変わらないところが15県ある。(以上「現代の県民気質」−NHK出版より抜粋)
上記のように「年齢」、「地域」によっても花の好みには傾向があることがわかる。今後日本でもヨーロッパのように花がさらに生活に密着してくるのであれば、このような消費動向を常に気にかける必要があるし、日本人には各自独特の県民性を潜在意識の中に持っていることを知っている必要があろう。


1997/10/27 磯村信夫