品揃えの大切さ


大田市場花き部では、仲卸側の道路に屋根掛け工事をしている。
第1回目は1月初旬まで、2回目は3月中に完成する。駐車場がその分減って、車が外に溢れているが、工事が終わったら濡れずに搬出できるようになる。
仲卸さんの収益源で、他の市場の仲卸さんと最も異なる点は、店売りの活況さである。大田では総じて毎年5%ずつ店売りが伸びている。それも現金取引が多く、仲卸の資金繰りに役立っている。なぜ各店舗が着実に伸びているかというと、品揃えとロス軽減のため、量的に販売できるもの以外はセリで買おうとしない小売商が増えていることと、フラワーデザイン学校の生徒さん或は卒業生の中に、仲卸で揃える人が一般化してきたことの2点である。
来月から木更津と川崎を結ぶ東京アクアラインが開通するが、現在湾岸道路の新木場辺りが混んで大田に来れない人も予定した時間に来れるようになり、片道4千円の経費も「まぁ、高いけれども商売のことを考えたら問題にならないね。」という花屋さんの声は多い。また仲卸は、羽田から10分の地の利を生かし、24時間化する羽田空港を利用して地方への転送が活発化してきている。飛行機以外にも早朝であれば道路は予想外にスムーズで、大田市場を利用する地方の市場が増えている。仲卸と直接当社と取引きしている地方市場を合わせると、30以上にもなり、その数は年率5%以上も増えてきている。
大田市場の花き部は、関係者のご支援を受け、首都圏の市場としてだけでなく、集散機能を持った日本を代表する市場に着実に育ってきている。


1997/11/17 磯村信夫