松市


昨日松市があった。
花屋さんはスーパーマーケットで売られる花束との競合を避けるため、根引き松にシフトする人が昨年より増えた。筋物はこのところの社会不安を反映してか、超一流の山のみ買い進まれ、二番手以降は安値で半分が生産コストを割った価格で取引きされた。シクラメンやポインセチアの価格が下がっているように、11月から続く消費の冷え込みは、小売商の経営収支を圧迫している。その影響が松市にもろに出た。11月のツリー市は生活感がさほどあるとは思えぬ若者向きの商材で、企業も販促用に使うため、松ほどはひどくなかったが、松の消費対象は年齢層が高くその分生活防衛型になる、と小売商は考えたのであろう。今年の年末の売れ具合をみて、出荷調整を産地に要請する可能性があるかもしれない。
来年は花の小売店も銀行の貸し渋りで資金がまわらず、倒産する所も出てきそうだ、という嫌な予感がする。しかし、花にはフォローの風が吹き続けているので、ボトルネックになっている小売店へのサポートと、売場作りを今後さらに力を入れていこうと思う。


1997/12/08 磯村信夫