2つの役割


先週の日経新聞で花の特集記事があり、私のコメントも載っていましたが、もう少し詳しくお伝えしますと...。
卸の役割には2つあります。1つは地域密着型の卸(地域の経済と言います)と、HUB機能をもった卸(規模の経済と言います)。それぞれ役割が異なり、共に欠かせない機能を発揮すべく消費者から期待されています。取扱金額に差がありますが、必ずしも価値の高低を表しているわけではありません。2つの機能とも、欠かせないものであるということです。地域に根差した卸売会社は、その地域の消費者、直接的には小売店の役に立つべく存在しているわけですから、まず小売店の仕入代理人と自負し、コミュニケーションの頻度は産地よりも当然多くなっていなければなりません。一方、広域集散市場と言われる中央卸売市場や第3セクターの市場に代表される所では、産地との接触をより多く持ち、生産者にどうすれば安定した所得を得てもらえるか協議します。その具体的な内容は、あらゆるものが供給過剰の現在、「消費ニーズに合った花は何か」の仮説をたてて作ってもらうことです。日本中のそれぞれの地域で、健全な花き消費がされるためには地域の卸売会社が自分の役割を認識し、機能を発揮していくことであります。それらの日々の努力に加え、生産、卸、仲卸、小売の業者が、共々消費宣伝をしていくことが欠かせなくなっています。今こそ業界一致協力して宣伝すべき時代になってきていると思いますが、皆さんは如何お考えでしょうか?




1998/01/19 磯村信夫