母の日について


行楽渋滞のため、今日は入荷量が多いにもかかわらず到着が遅い。入荷ピークが3時から5時になり、荷捌きが遅れている。
出荷量は前年を大幅に上回っている。このような状態が、ほぼ1週間ほど続いている。JFTDの母の日商材に取り上げられているものは、総じて持ち合い市況だが、もれた花はことのほか品質により値段のバラツキがある。花は物日用の定番化されたものと、ファッション性豊かな差別化品目としてのものがある。
旬のものも定番化された花の一つだ。物日になると定番化されたもののみが堅調になり、差別化商品は思ったほど値が通らない。特にゴールデンウィーク中はオフィス街の花屋さんはほとんど休みなので、ことさらカーネーション、バラのように母の日用に使われるものと、この時期ならブロディアに代表される珍しい小花との価格差が大きい。
本年度になって強く感じるのは、買参人が天候が悪いにもかかわらず確実に増えていることである。いよいよ経済動向やら商業立地の構造変革等で「背水」にきていると小売店は感じているようだ。だから天気が悪く思ったように販売できないにもかかわらず、積極的に売って行こうと仕入に来ているようである。久し振りに前向きの姿勢が感じられる。
好調だった93年までは「儲かるから」ということであったが、現在は生き残りのため安穏とはしていられないということから市場に来る回数が増えているのであろう。
産地で保存施設である冷蔵庫のようなものが随分完備されているようで、そのため今日の入荷は2万梱り以上と異常な数量であった。カーネーションを中心に堅調相場だったが、他は持ち合い。この状況は6日の水曜日まで続く。いつのまにか母の日以降、切花の相場はガタッと下がるのが常になっているが、それを見越して前倒しにピークを持ってきているようだ。




1998/05/04 磯村信夫