「母の日」反省会


先週の金曜日(15日)、「母の日」反省会を国内7産地、大手買参人を交えて行なった。
目的は、プロが見ても間に合わないと判断した1ヶ月前のカーネーションの作柄から、なぜ需要期に出荷が間に合ってしまったか、また国産カーネーションの品質劣化、さらに本年度予約相対の価格はどうであったか等である。それぞれ結論を言うと、東急フラワーの柳下さん曰く「今年は無いと言えばある」。生産者も暖房を入れて前進させる努力をしただけでなく、4月中旬からの陽気で夜温雅が下がらず、結局見通しとはずれてしまった。これに対する反省点として、4月下旬に産地との連絡をする中で、大田花きは再度見通しを変更し、買参人に的確な情報を流すことを怠った。公式には流さなかったが、個々には連絡した。しかし、再度予約相対の見直し等々の調整作業を怠った。
国産カーネーションの品質劣化については、やはり天候のため日射量が大幅に不足したことが挙げられる。施設の問題で、普通の農家は1〜3坪の冷蔵庫しかないので入りきらないものは作業場の隅で水あげする。そのため日射量不足で力のない花が、輸送中に咲いてしまったりして、何日もため込んだカーネーションだと思われても仕方のない品質になってしまった。生産者からしても、ストックしようがないのだから、まさに天候のせいと言わざるをえない。
常陸のカーネーションの沼田さんから、「母の日近辺の需要は生産者の所得シェアで3割近く占める。もし母の日に合わせた作柄を採用するとすれば、年間の素収入を考えると1本150円は欲しい。」との発言があった。
今年は“少ない”との見通しの中で立てた価格設定で、150円を上回る産地もあった。間際になって下がったわけだから、仲卸さんからすれば今更返品も出来ず、セリと予約相対の価格差がそのまま損になった。来年は小売店まで含め、「上物1本300円の小売り価格」これで利益が出る卸売価格を3月中に話合いを持って決定して行こうと思う。
今年は国産品の不作が予想されていたので、輸入物や他の花を使うことが多かったが、来年こそは価格、品質とも安心して使ってもらえるよう努力しよう、との思いを強めた。物日はクレーム処理などの後始末が大変だが、来年はその様なことがないよう、十分気を配っていきたいと、一同再確認した次第である。




1998/05/18 磯村信夫