日本の教育制度の在り方


ガーデニングブームに乗じてイギリスのことを調べていたら、教育の仕組みが分かってきた。リーダー層を育成するために、大学で専門の勉強をする前に、歴史や哲学などをまず勉強するという。このルートがしっかり根づいている。
レコードや飛行機の会社、バージン社長のブロンソンは企業家だが、学歴がないところにイギリスの企業家足り得た理由があったのだろう。しかし、ブレア首相を見る限り、若さは感じられるものの、その芯には前述したような教育課程があり、20歳そこそこで大人に育つ教育に目を見張る。
日本では特に男性においてここが欠けている。昔は元服によって社会性を帯びさせられたが、今は無邪気のまま学校を卒業する。この差は、国際社会の中でかなり大きい。
近頃思うことは、都市部で育った子どもの方が、農村地帯で育った子どもよりも社会性の点において優れている人が多いということである。家庭環境なのであろうが、日本の豊かさがここまで来ると、飽食暖衣で地方の方がスポイルされる可能性が高いということであろう。
そういえば、お付き合いしている生産者の中には物分かりが良すぎる人が多すぎる。息子を後継にさせるのなら、早くから後を継げと命じておくべきである。早ければ早い程よく、後を継ぐ前に自然と貪欲に知識を吸収していくのである。この物分かりの良さが、子供たちをスポイルさせる可能性があり、海外と比べてみて宗教を自分のものとしていない人が多いのも、スポイルさせる要因になっている。
その意味でヨーロッパのイギリス、フランスの教育制度を見習う必要があるのではないか。


1998/09/21 磯村信夫