港南フラワークラブ


昨日は清々しい1日であった。
お天気だけでなく、横浜市上大岡にある福祉センターで開かれた、お花屋さんのボランティアの会に参加したからだ。
山野井さんを会長に、地元の人たち8店で構成されている。恵まれないご老人や子供たちのために、教室を開いたりしている。昨年一年はケーブルテレビで横浜市内のお花屋さんを1軒1軒紹介してもらい、そのお店でNHK「花情報」のようなお薦めの花や、ちょっとしたお花に関する情報などを放送していた。
昨日は駅に隣接する福祉センターの1周年記念ということで、午前中はガーデニングやアレンジメント教室、午後からは小生が話をさせてもらった。およそ100人の人たちが、2時間ほど熱心に聞いてくれた。話の内容はさて置き、本当に嬉しかったのは、見方によっては敵と取られるかもしれないお花屋さん同士が、共々手を組んで、1軒ではできないことをみんなでやろうというのがこのフラワークラブのポイントである。上大岡駅の東口(住宅側)に、「フラワーロード」というお店だけ5コマの店舗を、このメンバーが会社を作って経営している。こういう事業も、彼らは確実にこなしている。すぐ側には大塚さんの店舗や、双葉さんの店があり、競合するわけだが、「お客様に選んでもらう」これを前提にして、敢えて特定の顧客に絞り込んだ営業を展開している。競争の中での棲み分けということであろうか。
ボランティアまで精を出している専門店の人たちが、日本でも多くいるに違いないとその時思った。それにしても昨日の天気と同じく、清々しい行動を目の当たりにし、専門店の底力を見たような気がした。「お花屋さん、これからも良い花を提供してください。買わなくても、いつもお店の前を通るのが楽しみなんです。」という声もあった。今後、競争激化の中で、消費を作り出し、拡大する店として、専門店の存在意義はますます高くなってきている。


1998/10/05 磯村信夫