二八の二


花の商品特性は、季節の先取りにある。一般より半月から一ヶ月程早いのが実際だ。
需要動向では、この1月20日から2月中旬までが商売の“二八の二”である。2月のバレンタインデーを過ぎた頃から花の品質が上がって、需要は本格化していないものの割安感から荷動きがスムーズになっていくのが通例である。今年は1月に入り、亡くなる方が多く、白菊が逼迫しているが、葬儀需要以外の品目を見ていると、例年と大差ない。地方によっても異なるが、東京では需要や業態毎に売れ筋がはっきり分かれてきている。セリ場にいる花屋さん達も、「なるほど葬儀用の花は高いが店売り用は平常価格」など、納得しながら買っている。昔であればセリ場そのものが一つの群集心理に巻き込まれていたが、機械ゼリになって一人一人が得心しながら買うようになってきた。需要動向に根ざした相場が形成されるようになったのだ。極端な高値は出にくく、安値も出にくいという状況である。


1999/02/01 磯村信夫