定点観測


社長になってから辞めていた定点観測を再開し始めた。少なくとも1ヶ月に2回、決めた商店街をぶらぶら歩き、消費動向を見ようというもので、私の親父も定期的に1ヶ月に1回だが亡くなる直前までやっていたらしい。場所は日本橋の高島屋と大森の西友だったと思う。こちらは大森界隈と西小山商店街、渋谷、銀座から日本橋と、4ヶ所設定した。仮設は、裕福層と若者層の消費が鈍ってきている、その人達はどのように金を使うかである。案の定、なかなか財布の紐は固い。しかし、売れているものもあるし、売れてはいないが人が多く集まっている所もある。御徒町の「多慶屋」に匹敵する、大森「ダイシン」は良く混んでいた。3階以上の売り場では、ドンキホーテのような楽しさがある。しかし、センスが必要な靴まで含めた被服用品は、どうも客が少なかった。大井町のイトーヨーカ堂にはそれでもかなりの人がいた。
さて肝心な花だが、この時期切花の動きよりも園芸の動きの方が良いのが当然のこととしても、切花の咲き過ぎたものも飾ってあり、暑苦しい感じがした。アジサイの鉢も水がさがっていた。(アジサイは水を絶えず多めに必要とする。)一般的に若者向けのアレンジメントの売れ具合は今一つ。鉢物類では、独身男性やおじさんがウッディーな入物とそれに植物を合わせていたり、土を買っていたりするのが目についた。切花でも鉢物でも、店舗の方針によって異なろうが、もっと魚屋さんのように声を出して客を呼んでもよいのではないか?どの店も3〜4年前に比べると、品種は多く量は少なくで、きれいに飾り付けしている。がしかし、この積極的に売っていこうとする姿勢が今一つのように感じた。
大森駅の山王口駅ビルのように、ファッションや生鮮食料品の売り場としては、他店に客を取られて立ち行かなくなっているのを見ると、商店街もビルもそうだが、例えテナントであっても全体の集客力を勝ち取る努力をしていく必要があると感じた。
特に昨日は給料日前のせいもあり、あまり売れ行きは芳しくなかった。


1999/05/24 磯村信夫