始まった国際化


 昨年の「生産協会一輪菊リーダー研修会」でスピーカーとして招かれた。主題は「輪菊にビッグバンはあるか」というものであった。その時お話したのは、一輪菊、特に白は日本文化に根差すものだから、リスクの点から海外の生産地はむしろスプレー菊を選ぶだろう。スプレーにはビッグバンはあり得るが、一輪菊にはない、ということである。
来年、WTOの新しいラウンドが始まるが、花もビッグバンの影響を受ける品目がいくつかある。

結論を出す前に、“ビッグバン”とは、国際的な競争をし、その中で勝者を選ぶ「国際競争淘汰」、「修錬」のプロセスをいう。以前にも申し上げた通り、世の中では4つのリーグが存在している。野球で言えば草野球、その上に草野球リーグ、ノンプロ、日本リーグ、そして一番上にメジャーリーグがある。
政治は内向き、経済は外向きが潮流になっており、経済は例外的な業種なくメジャーリーグで一定の勝利を得ない限り、この国でも生き残れないことになっている。

今後を考えると、従来の国産品、輸入品の棲み分けが崩れていく品目は、バラ、カーネーション、スプレー菊、葉ものの4つである。これらの4品目を生産している国内産地は、海外の状況にも精通していないと、勝ちをおさめることができない。なぜなら質は良く、価格が安いからである。国内生産者は品種選びと需要適期に出す生産技術、及び低コスト生産の技術革新を早急に行わなければならない。




1999/07/19 磯村信夫