夏の宿題


 7月下旬、鉢もの類の価格も下がって、花き業界全体は昨年とは打って変わって混沌としてきた。たびたび繰り返しているように、①天気、②景気が大きな要因であるが、それ以上にも構造的な問題(オーバーストアと機能発揮が十分できていないことが主)があるが、人の問題が大きく影響している。一言で言えば、「甘い」のである。

学生時代の友人を例にとれば、社会人になって最も勉強していたのは、業種でいえば金融関係、次に広告代理店のマーケティング関係。社会人になってしばらく定期的に土曜の午後、読書会を開き、終わってから酒を飲んでいたが、10年もすると知識の厚みにかなりの差が出てきた。20名程で始めた読書会も、結局は4人になり、今では推薦図書を電話やEメールで連絡するくらいになってしまった。しかし相変わらず良く勉強している友人は少なくない。当時は“35までが男の勝負”と、度胸と知識をつけることを目標に頑張ってきたが、会社の中で偉くなったのやら独立して会社を潰してしまったやつなどもいて、力量に伴った生き方をしている。女房の良し悪しもあるが、基本的にはそいつの器量に従って事業規模がある。(但し一部上場の会社では必ずしもそうとは言えないが、役員になっているヤツを見ると、器量に合わせた役柄がついて回っているといえる。)

花き業界に話を戻すと、今の市況の混乱は、自働に努力せず、仕事に忠実でないことに問題があるのではないかと思われる。まずは時間の使い方が下手な人が多く、問題意識を持って世事を眺めない。知識が浅いため、世事から自分の仕事に応用できない等々である。
かく言う小生もその一人であるが、このように我社を見ても、他人の悪口を言って、もうカタルシスをするわけにはいかない。学生時代のように、自ら先陣を切って、この夏もう一度勉強し直すことにした。




1999/08/02 磯村信夫