不安


 グローバリゼーションと、それを加速させるインターネットによって、日本の今まで培ってきた仕組みが機能しなくなってきている。新しい仕組みをどのように構築できるかが、最大の課題だ。

西洋、アジア諸国は、唯一絶対神を上に置き、契約を取り交わすことによって現世の社会的秩序を保っている。日本は富国強兵で西洋の仕組みを取り入れたが、村八分に代表される仲間内との関係が、契約書の代りとなった。

しかし日本の社会は着実に性悪化しており、契約をすることが欠かせなくなってきている。ここに現代日本人の不安の源がある。経済は殊更、資本主義はスポーツのようなものだから解りやすいが、その土台になっているその国固有の価値観が、現代日本では揺らいでいるのだ。特に凶悪犯罪や新教宗教によるオカルトめいた話に、我々が感じている不安が鼓動し、悪戯に増幅されているのである。

この国で絶対神を持つことは、今後ともあり得ない。このアジア圏では、多様な価値観に則って、それぞれの人達が生きている。その人達と日本は仲良くしていかなければならないのだから、当然キュービックな包容力のある価値観を身につけていかなければならない。その時の道具建として、儒教と道教を使用する以外にはなかろうと考えるが、如何であろうか?

花の商売については契約の概念を導入し、違反した者には罰を与えていくことが必要であろう。


2000/01/10 磯村信夫