晴れのち雷雨


 水曜日から3月となり、昨年の10月からたち込めていた暗雲が、俄かに晴れようとしている。陽気も良くなって、花が売れないはずがない。また、売っていこうとする意欲を取引現場から見ていて感ずる。

しかし、前年を上回るだけの買参人数や総取扱金額があるかというと、2月がそうだったように昨年並というところで、下落にストップがかかった程度のことである。

花き業界全体の実績が上がっていくためには、負のスパイラルからプラスのスパイラルに変えていかなければならない。プラスに転じていく最も基本的なところは、今までよりも一生懸命働くことであり、それは長時間だったり、短時間に集中したり、生産性の問題であろう。不良在庫を無くし、品揃えの幅を広げるなど、仲卸を利用した鮮度の良い仕入れ販売であろう。

花き業界の今年の不安材料に金利の上昇がある。0金利こそが異常だが、これにより資金が回っている卸、仲卸、小売が結構いるのである。もちろん大多数は健全経営で、キャッシュフローもすこぶる良いが、黒字倒産気味のキャッシュ不足の業者がおり、それがこの下半期以降、金利が上昇してくると、卸は売らない方が利益になるので、仕入れをストップさせる。となると、その対象となる仲卸や小売は金融機関から借入を起こすことができない財務体質になっているから、倒産する。避けて通れない道なので、止む無しと考える人達も多いが、これが今年の下半期のうち年末前なのか、来年の3月前なのか、それによって花き業界全体の明るさが変わってくるのである。


2000/02/28 磯村信夫