消費最悪期脱する


3月に入りすっかり春めいて、城南地域ではチョウジ(沈丁花)は満開になっている。大田市場からほど近い内川では、満潮時にセイゴの群れが旧東海道の橋の上から見ることが出来る。

昨日は3月に入り始めて定点観測に出、東海道線沿線を中心に見に行った。土曜日の午後、お天気は芳しくなかったものの、3月に入ってどの店も荷動きが良くなり、ほとんど売れてしまっている店が多かった。切り花、鉢物類とも、春の小花類が変わらず売れ筋のようで、散歩がてらに梅見をしたり、チョウジの香りを嗅いだりした後、お花屋さんにちょいと寄って花を楽しんでいるようだ。

小売価格が昨年1年で一昨年に比べ1割以上下がったので、小売店でも前年比で若干足りないというお店が昨日回った中で約半分の7店。残りの4軒は前年よりも良く、同様に4軒は前年より10%以上売上げが足りないと言っていた。これを見ると、総じて最も悪い状況から脱出しつつあると言えよう。

土曜日、私塾のナルシス会で会員の星野君が、成城学園駅前の村田永楽園さんでの研修結果を報告した。「小学生のお姉ちゃんと妹が、文房具を買った帰りにポトスを買っているんです」と。氏より育ちで、日本も階層化していく。育ちの良い家庭では、子供達まで都市生活では花のある生活が当たり前だと感じており、意識することなく花を買う。これが豊かさの象徴であるが、ここしばらくは富める人達相手の小売店しか繁盛する訳にはいかないのでは、と思われる。

今週の木曜日には、中央線、京王、小田急、東急沿線の定点観測地域を見て報告します。


2000/03/06 磯村信夫