単価の下落止まらず


 単価の下落が止まらない。昨年の4月は前年よりも若干良い状況であったが、本年度は平均して15%程切花も鉢モノ類も単価が安くなっている。特に安い花はキク類で、現時点で昨年の4月比で25%安くなっている。

業界では、昔からサクラの咲く頃になると切花需要が一服し、苗モノ需要が頭をもたげる。またシャクヤクが咲く頃、バラなどが安くなって、切花需要がこの時期も一服状態となる。その意味でサクラの頃であったから、例年通り切花の需要は一服したものの、景気の影響か、例年よりも需要が落ち込み、価格が下がってきた。

問題の本質は、生産増による単価安と、小売店舗、流通業者の集約化が思ったほど進んでいないため、安売り競争に陥ってしまっているという事実である。これを打開するには、小売を含む流通業者の数の調整が先か、景気が上向くのが先か、負のスパイラルから抜け出すにはマクロ的に見てこの2つしかない。しかしそうは言っても2つとも急には起こらない。2000年上期、経営技術を磨いた花店は最悪期を脱して正のスパイラルに入ってきたものの、一般には昨年同等か、もう少し落ちると見た方が良いと思われる。生産者においては収支バランスを合わせて行く方が難しい年であると言えよう。

以上のことを、お台場のアクアシティーで買物をする人達を見ながら考えた。


2000/04/17 磯村信夫