4月の市況


 3月の彼岸後から低迷した切花市況は、新年度の4月に入ってもあがることはなかった。ゴールデンウィーク前というと、箱平均単価は8,000円以上になっているのが普通だが、本年は6,300円というところである。小売価格と生産経費など、長年の経験からこのように割り出されている。

しかし本年4月は、長い間消費を我慢していた人達がいよいよ我慢し切れなくなって、洋服や靴、バッグなど、おしゃれで手頃な価格になった物などを買い始め、その煽りで花まで消費が廻らなかったと見るのがよいであろう。貯蓄ももちろんだが、なんと言っても日本では物財に対する強い欲求がある。この欲求をしばらく抑えているわけだから、当然我慢し切れなくなって買い始める。

こういう現象がちらほら見えるようになってきたのだが、花は逆にバブル崩壊後もカジュアルフラワーやガーデニングの普及によって、大して痛手を被らなかった分、今ちょっと割りを食っている。こういう傾向が、この上半期続くものと思われる。


2000/05/01 磯村信夫