母の日


関東地方ではお天気が心配されていた母の日。しかし不都合なく、花は売れていたようである。特に今年はゴールデンウィーク後1週間、いわゆる“母の日週間”があって、出荷量は切・鉢とも今までを大幅に上回る数量となった。単価ベースでは、切・鉢ともおおよそ15%程安くなっており、卸売会社によっては前年の月中までの実績に及ばないところもあるに相違ない。それほど出荷量が増え、単価が頭打ちになってきている。

実数が出ていないので、あくまでも「感じ」だが、一般の専門店で、悪かった前年を下回っているところはほとんどなく、平均して一割方良いといったところだろう。消費者から支持を受けている、トレンドに乗った専門店の実績は、前年より2〜3割良いというのが一般的だ。スーパーマーケットのカタログ販売で2割以上、コンビニで3割、インターネットでは(一ヶ所しか知らないので総体はわからないが)、受注は前年の約5倍となっている。いずれもお花屋さん以外で伸び率が大きいことが特徴で、マーケティングができているところが大きく伸びる時代になってきたと言えよう。

すなわち、供給の絶対量は増え、その中でどのように何を販売するか、客層もライフスタイルによってキチっと区別し、それに向けた商品提案をできたところが著しい伸びを見せている。Plan-Do-See-Check-Actionなど、当たり前の経営をする必要があるということであろう。

12月、3月の需要期と同等の需要が母の日にあり、既存の花き業界の人達もそれに向けての取組み、年末年始や彼岸と同様の仕掛けを早くから行う必要がある。


2000/05/15 磯村信夫