クレーム


母の日明けの15日から、小売店のクレーム週間が始まった。母の日は2つに分けられる。郷里のお母さんへのギフト、身近に住んでいるお母さんへのプレゼント。前者は宅配便で出荷し、後者はお店に買いに来る。身近なお母さんだから、当然「花どうだった?」と聞くと率直に答え、それがクレームとなる。母の日前と母の日の土日も当然クレームを受けるのだが、小売店は忙しくてそれどころではないので、結局月曜日以降になる。

肉体的な疲れと精神的な疲れで、だいたい母の日翌週の水曜日位まで相場がでない。すなわち市場に仕入に行っても、高いは高いなりに、安いは安いなりに威勢良く取引する状況ではなくなってきているのである。

今年はカーネーションが切花、鉢物共潤沢であったので、店に残ったカーネーションを見て小売商は今更のように花持ちの良さに驚いている。月が明ければ北海道や長野から切花カーネーションが本格出荷されるが、良い方に回ってくると思われる。

さてここで取り上げたいのが、物日のクレーム処理にむけての課題である。中央卸売市場では、東京都の職員の検査を受け、「これは運送店、これは産地が持つべき」等など、一旦仕切った価格を変更する手続を取ることになっている。しかしこれとても、供給量が少なく需給バランスが取れている状況下でのことで、今のように供給が多く、その産地を買参人にいかに選んでもらうかを営業の最も大切な課題としている以上、卸売会社は産地と事前に話し合って物日の翌週をクレーム週間とすべきである。消費者から店に、店から卸にクレームが来たとしても、卸が調査を行い、ミスがどこにあったのか判断するには時間のかかることとなる。よって少し長いが一週間をそれらの処置の週間とすることが必要であろう。

当社ではクレーム情報を蓄積しているが、ことカーネーションにおいて今年ほどクレームの少なかった年はない。価格がリーズナブルであったこともあろうが、種苗会社や生産地の努力に負うところが大変多かったのである。


2000/05/22 磯村信夫