S字曲線と日本フローラルマーケティング協会


 プレイステーション2を買ってくれと、子供が母親にごねている。言い分は「みんなが持っているから」というもので、時代後れにはなりたくないというのである。ゼロから10%普及するまでに、かなりの時間がかかるが、10%以上に達すると、90%までS字のようにその産業は伸長する。そして残りの10%、ここからがまた最初の10%と同じくなかなか時間がかかるのである。マーケティングでは“15%の法則”と呼ばれていて、10%を超えて15%位になると「みんながそうだから、自分もそうしなければ」という風になる。

さて、花はかなり伸びてきて、今ちょうどS字の真中にいる。しかし相変わらず切花、鉢物双方とも買っているという家庭は、半分に満たないのである。携帯電話やパソコン、それに続くインターネットなどからすると、この成長期に50%の家庭しか、また人口当たりからすると25〜30%ほどの人しか買っていない。そうすると、今後が期待できる、楽しみというだけではいけない。何かしなければというので、発起人が中心になり、法政大の小川先生に会長になっていただき、日本フローラルマーケティング協会が23日に設立され、セミナーを開いた。

種苗から生産、卸、仲卸、小売、資材など、花き業界の人や一般小売業界の人達が参加した。イギリスのスーパーマーケットのテスコの花担当者による話、オランダ・ポコンクリザールからの切花鮮度保持についての話、それから小生も参加したパネルディスカッションである。

ぜひ読者の皆さんもご関心のある方は、日本フラワーマーケティング協会(※下記参照)に参画し、このところ打力がなくなってきた花き業界を、共々後押ししていただきたい。そのことによって、少なくともここ5年のうちに倍近く花き消費が伸びていく可能性がある。

※日本フローラルマーケティング協会(JFMA)
〒102-8160
千代田区富士見2-17-1
法政大学経営学部 小川孔輔研究室
TEL:03(3264)9732 FAX: 03(3264)4690


2000/06/26 磯村信夫