作付アドバイザー


 土曜日、第10回大田バラ会が行われた。今年も盛況で、本年のテーマは「ポジショニングと戦略」であった。平易に言えば、自分のセリ前取引率やセリの順番、誰が主に買ってくれるか、だから自分はどういう印象を持たれているかなど、大田花き内での自分の位置とファンを知ってから、品種選定(数を切っていくのか、差別化を狙うのか)について、当社の担当部署と話して決める。そうすることにより、よりスムーズに経営ができるようになるということを、具体的なツールを紹介することで勉強していただいた。具体的なツールとは、大田花き開場以来10年間埋蔵されている取引データである。特に大切なのは、直近3ヵ年のデータで、そのうち1年間のデータからどのように誰が買っているか、それを生産者と共有し合い、共に戦略と戦術を練っていこうというものである。

大田花きはプロの花の卸売会社として、できあがった花を取引することはこれからも重要な仕事と考えているが、この分野にはEコマースなどいろいろな新規参入者が出てきて、出荷者の便宜を図ってくれるだろうから、決済とロジスティックスに重点を置き、従来業務にプラスして生産者の作付経営アドバイザーと、仕入代理人に徹するべく、仕事を深めて行きたいと考えている。

今回のバラ会のデータマイニングによる生産者との情報の共有化は、競争が国際化しますます激しくなっていく産地において、所得に直接結びつく大変有効なツールになると思われる。

10月から開始するので、ご期待下さい。しかし、これはあくまでも“イントラネット”ですので、ご承知置きください。


2000/08/28 磯村信夫