花き業界の経営力向上


毎年8月中旬にバラの生産者にお集まり頂く「大田バラ会議」は、その時々の時代の風を受けてサプライチェーン全体の最適化へ向け、種苗・生産・流通は今、何をしておかなければならないのか、問題を提起する大切な場所となっている。

今年は、生産者・出荷者の皆様に「コスト」の問題を提起した。ただ単に韓国やインド・ベトナムのバラに対抗するために、もっと生産原価を下げることが必要だ、と言ったのではない。(当日問題提起したい事が一杯あり、論点がボケてしまった。しかし今になって言いたかった事がハッキリしたので、読者に参考になればと思い、要点を掻い摘んでお知らせします。)

今年の問題提起は、次の3点である。
①それぞれの作業は一体いくらなのか原価を出して欲しい。(活動基準原価計算)
②そして機能別にコストを算出し、費用対効果をチェックして欲しい。(メニュープライシングの元数字)
③それを各産地の全体最適化の点から、とりわけ販売力強化という視点から、仕事の見直しをして欲しい。(*チェーンの法則)

これらは生産者だけでなく花き業界の各自が今やらなければならない作業である。この現状把握がないと、花き業者の純利益、投資収益率、キャッシュ・フロー向上の経営は難しい。

*注)チェーンの法則;強さは一番弱いところに等しい




2001/08/27 磯村信夫