腹を決める時期


上場企業の決算が出揃った。大幅な減益になったにもかかわらず、社員の気持ちを新たに前向きにさせたことは、花の取引を通じて予測することが出来た。というのも、この3月には久方振りに都心部のお花屋さんは、人事異動や昇格昇進などに伴う花束・鉢物ギフトにてんてこまいの忙しさであったからだ。都心部のお花屋さんは、1998年頃より中間年度末の9月も年度末の3月も年々暇になっていたのに、今期だけは活況を呈したのだ。このことの意味するところは、失われた10年などと昔を振り返っていてもしょうがないと気付いてきたということだ。グローバリゼーションの中、徹底して国際競争力を発揮できる体質にしなければならない。日産のゴーン社長のV字回復を見て、各社の経営陣はもう待ったなしという決断を下したのであろう。その結果として、組織変えが行われたり、人事異動が行われたのである。これが花の年度末需要を復活させたのである。

既得権にぶら下がっていた日本の法人も、上場企業がこれだけ赤字を出し、再出発を期していこうとしているから、試行錯誤はあるものの、目に見えて変わっていくと思う。その中で、農産物流通業界、とりわけ花き業界も、何を残し何を捨てるかを再確認し、経営陣は事業の運営を明確に方向づけしなければならない。




2002/05/27 磯村信夫