6月の問題点


「花はついでに買われる」の法則通り、買い物ついでに花が買われたり、道行く人が「衝動買い」したりする。6月の販売は、百貨店でマイナス1%、チェーンストアでプラス0.1%、外食産業でマイナス約7%であった。花き卸売市場では、前年よりも月曜日が1日少ない分、15%近くのマイナスになっているものと予測されているので、花の小売業界はマイナス10%近くだろうと推測される。前年よりも日曜日が1日多くてこの状況であるから、サッカーのワールドカップの経済効果が、外食産業や花き産業にとってマイナスに働いたことがわかる。

消費者にとって、花は自分の日常生活をあるがままに受け入れ、そしてそれを少しでも楽しもうとする意欲から買われる。生活雑貨の消費比率は上がっているが、花は他の生活雑貨と比べ、クロックスピード(商品のライフサイクル)が遅いので、「欲しいな」と感じさせるものが少ないところに販売数量の伸び悩みや、単価の下落幅が生活雑貨より大きくなっている原因がある。部材供給(提案)者の種苗・生産・卸売業は、商品化まで3年の時間がかかることを前提に時代を読み、新しい花を供給(提案)していかなければならない。小売店は新しい取り合わせをして新商品と見えるよう、消費者に訴求する必要がる。これらの取り組みが他の生活雑貨業界に比べ、遅れをとっているところに需要の掘り起こしが出来ないでいる現在の花き業界の実態がある。

悩んでいてもしょうがない。やるべきことをやるだけである。




2002/07/29 磯村信夫