グローバリゼーションを意識した花き業界に進化する


カンボジアのプノンペンでASEANプラス3の会議が開催されたこともあり、新聞紙上にはFTA(自由貿易協定)の記事が数多く掲載されるようになってきた。FTA交渉が完成を目指している2010年までを見通すと、花き業界では
1.農業組織の構造改革
2.卸売市場の規制緩和
3.FTAに対応する国内生産基盤の確立
以上の3点が重要な課題であろう。グローバリゼーションの中で日本の花き業界はより足腰を強くして伍していなかければならない。

前述の課題3.に関わることで、昨日双葉会の会合があり、消費者に喜ばれる花作りの検討を行った。双葉会とは、種苗会社のミヨシ殿から販売されているソネットシリーズの生みの親である中曽根和雄氏が会長になり、ダイアンサス(ナデシコ)を育種生産しているグループである。会員は9名と少ないが、アヤに続く品種を次々と輩出してきた。またミヨシ殿も自社で育種を行い、ソネットシリーズとしてすばらしいダイアンサス(ナデシコ)を世に出している。

双葉会の会合で話し合った結果、商品の良さをもっと理解してもらうためにプロモーション活動を頻繁に行い、小売店の期待に応える商品であることをPRする。そして消費者に喜ばれるために、時期による品質格差をなくすべく品種特性を見極めることに努め、栽培していく。冒頭のFTAが締結されることを想定すると、中国のカーネーション生産を意識した生産をすることが必要である。そのためには、種苗会社や育種家と十分話し合い、国内産地が海外の花と競争しても、消費者によって棲み分けていただけるようにする必要がある。このことは卸売会社も産地に十分コミットする必要がある。また産地の地場にある卸売会社は産地にとっての重要度が増すと考えられるので、更なる集荷販売努力が求められており、それによって共存共栄が図られ、地域の花き産業が発展していくのである。それぞれの立場でグローバリゼーションを意識した改革、基盤の整備・確立が行われていかなければならないのである。




2002/11/18 磯村信夫