不確実な現代と求められていること


本日、茨城県のフリージアの生産者の方々が見学にいらっしゃった。「9月末の台風21号は大変でしたね。」という話をすると、「球根を植えた直後だったので、品物は助かりました。千葉県などでは随分打撃が大きかったようですが、私たちの方は大丈夫でした。」とおっしゃっていた。「国内他産地からの入荷が少なくなって高値相場を期待できたのも、今は昔のこととなりましたね。オランダを始め海外から豊富に輸入されてきますからね。」という話をさせていただいた。

前回、グローバリゼーションにどう対応すべきか、といったことをお話ししたが、上記の会話にも同じようなことが言える。競合産地は国内だけではなく海外にもあるということだ。また、今まで確実だと思われていたものは次々に崩れ去り、不確実性は地球規模でますます高まっている。

しかし、商売というものは「選んで買ってもらう」ことであり自分だけで決められるものではなく、また取り巻く相手(競合他者、取引先等)から影響を受ける。そのことを我々はともすると忘れがちになるが今まで以上に地球規模で影響を受けることを肌身に感じないといけない。不確実なら何を考えても仕方ないというのではなく、きちんと情報収集を行い、相手の分析に努めるべきである。あらゆることには相手があるのだから少しでも自己に有利に物事を進めようとするならば、戦略を練らなければたちうちできないのである

それでもなお、不確実な現代、意思決定者の根本には西郷南洲翁の言う「人を相手にせず、天を相手にせよ。」を置くと良いと思う。天は今、自分に何を求めているのだろうか。花き業界で働く我々にはおそらく、「消費者志向」「合理化によるコストダウン」「独自性」ではないだろうか。




2002/11/25 磯村信夫