横須賀・三浦地方の花き流通事情


このたびの豪雨により被害を受けられた九州地方の皆様に、心からお見舞い申し上げます。そして、花き生産者におかれましても、水が引いた後も作物の復興措置などご苦労の多いことだと思いますが、くれぐれも健康に留意され、8月の盆の需要期に少しでも多くの花が出荷できるよう復旧されますことをお祈り申し上げます。

さて、昨日横須賀地方のお花屋さんを訪れた。理由はこうである。かつて、横須賀中央生花殿の社長が体調を崩されたが、お花屋さんのためにこのまま営業を続けたいので、どこか業務を引き継いでくれるところはないかとの話があった。結局、魚市場を経営する或る会社が引き継ぐことになったのだが、野菜の卸ならともかく、魚では業務の内容が異なる。そこで、2つの花の卸売会社が荷物を入れて販売していた。
しかし残念ながら、今年6月末に横須賀中央生花殿は廃業した。昨年末に港南生花殿が廃業しているので、三浦半島の先端には市場がなくなったことになる。ここで市場として考えなければならないのが、花の供給先がなくなり、影響を受ける小規模の花屋さんたちのことだ。かつて、東京上野毛にあった南部市場を閉鎖するとき、小売店から存続して欲しいと反対があった。結局廃業したのだが、このとき卸売市場は社会的な存在であることを痛感した。横須賀中央生花殿は5億弱円の規模だったが、ここにおいても然りであった。
地域に欠かせない存在である卸売市場を今後とも存続させていくには、どのようにすればよいか。結局は株式会社であるから、経営者の判断に任せるしか方法はないが、市場協会として出来ることは何か、地域を担当するその支所としてできることは何かなど、変革期の中でもう一度コミュニケーションの取り方や相談窓口などを検討する必要がある。どうにかこの地域の花の供給は横浜市中央卸売市場南部市場から、大田市場の花き部から、南関東の市場から、磯子生花市場、逗子生花市場からと、この20日間で大凡の道筋がついた。

横須賀・三浦地方でそれなりに花が供給されていたのでまずはひと安心し、帰路に着いた。




2003/07/21 磯村信夫