目標がなければ追い風はない


昨日久し振りに東京は朝から晴れた。車を走らせ20分でお台場に着き、早速朝の散歩を始めた。自由の女神の後ろ側に幕末に作られた台場があり、それを見ながら家族連れで海岸を散歩している人が多かった。中には日航ホテルやメリディアンホテルに泊まっている人たちもいるだろう。日本も本当に豊かになった。

先々週読み終えた津本陽の『勝海舟』を思いながら散策し、決断した。何もかも、そしていつまでも全てが良いことなどあろうはずもない。それでも幕末から日本は良いことの方が多かったのかもしれない。だが、ここにきて三星(サムスン)の時価総額が松下やソニーを上回っていることで分かるとおり、残念ながら全体的にこの国では時を捉え、商品化する力が弱まっている。しかし、臆面もなく海外からあらゆる物を導入した明治期のように、恥じらいもなく自由の女神をフランスから導入したり、自分の未来を作っていく気概と生活をエンジョイしようとする人たちが日本には少なからずいる。
花き産業においても、いつのまにか右肩下がりになり、同じことをやっていると陳腐化して世の中に置き去りにされてしまうということすら、節約思考やミーイズムから考えが及ばず不感症になっている。矜持だが弊社はこれから打って出なければならない。

それにしても東京には高層ビルがなんと増えたのであろうか。40階という高さも決して高くはなくなった。東京タワーもいつのまにか低くなっていた。




2003/07/28 磯村信夫