Jスタイルとレトロモダン


昨日法事で久し振りに親戚同士顔を合わせた。そのうちの一人で広島県三原市に工場長として単身赴任しているという人から話を聞いた。彼が勤めている会社の国内最大の工場が三原工場だそうで生産量は総生産の5分の2ほどだという。その工場で生産された商品は「Jスタイル」として世に広められ、普及版は中国で生産し、一部を日本に、それ以外を東アジアに輸出している。
最近では日本で評価されたものが、世界で受け入れられている。ゲーム機や漫画、家電製品及び生活グッズなどがそうであるが、これらを「Jスタイル」と呼ぶそうで、若者文化だけでなく高齢者の好みに適うものまで日本のスタイルは海外で広く受け入れられるようになった。先日マイアミから来たアメリカの友人も日本とイタリアの食や日常生活を支えるグッズが世界で広く受け入れられていると言っていた。彼に言わせると花も「Jスタイル」は感性を感じさせるものであるという。

最近もう一つの傾向が目に付く。それは「レトロモダン」と呼ばれる傾向だ。政治では新保守のネオコンサバティブがはやりだが、日常生活ではレトロモダンのものがやたらと目に付く。アルビン・トフラーが『第三の波』の中で「めまぐるしい変化にいち早く対応しなければならない。それをするためには変わらないものを持っていなければならない。」例えばクラシックの音楽とか小さい頃からの趣味など、自分を形作っている変わらぬものを持つ必要があると説いている。積極的に受け入れ、対応をしていく一方で、変わらぬものを持っていなければならない。それほど大競争時代になって変化が激しくなっており、変化を受け入れないと商売にならなくなっているという。
歌にしても服にしても昔ながらのレトロのものでありながらしかし新しい味付けをしたものが人気だ。花で例えるならダリアもそうである。日本だけでなく、あらゆるものの「レトロモダン」は世界の潮流のように思える。




2003/09/29 磯村信夫