混沌を避けようとしてはいまいか


広くこの世を見ると、混沌や混乱の中にこそ新しいものを作る力がある。その過程では敵意や絶望などが出てくるが、「創意」が混ざっている。やがて「創意」が立ち、新しい方向性が示される。そして成長する。成長した後成熟期を迎え、「守文」が行われる。貞観政要にもあるように「守文」は難しい。「勢い」を感じさせなくなるからである。そして「混沌」「創意」「守文」が繰り返される。自然の営みも人間をも含めた動物社会はそのようになっているし、一個人においてもそのような形で生を受け現世を終わる。生鮮食料品花き流通業界は「守文」から「混沌」に行こうとしている。しかし今が「混沌」というものであれば「創意」があるだろうが、衰退期でただ身を守るために「混沌」を避けようとするのなら、卸売市場のライバルである業界外の生鮮食料品花き流通業者と伍していけるだけの気概と能力が卸売市場に備わるかどうか、甚だ疑問といえる。

社会性、地域経済をいかに考えるか、会社であらばどのようにお役に立つか。その決意が、悪い比喩だが去勢された旦那衆のサロンを社会に有用な人たちの集まりに変える。




2003/10/06 磯村信夫