プロジェクト


 今回のアテネオリンピックで、日本は目を見張る成果を遂げた。選手のインタビューを聞くと、いずれも謙虚でチームとして日本が真にそれぞれが大切なプロジェクトとしてアテネオリンピックに取り組んだことが分かる。
仕事には機能を発揮するための核となる仕事(ルーティンワークと呼ばれているもの)と、新たに課題を解決するためのプロジェクトの2種類がある。自動車メーカーで成功例が挙がっているが、トヨタ自動車のすばらしいところは、核になる仕事(即ち日常業務)を全従業員がプロジェクトとして捉え、日々改善していることだ。またゴーン社長が日産を再生させたのも、縦割りで部署毎に仕事をしていて、顧客価値創造のための業務連鎖作業をそれぞれの部署が行っている事実を忘れてしまっていた日産の従業員に部署横断のクロスファンクションチームを作って日産のリバイバルプランのプロジェクトを推し進めたからだ。
今回のオリンピックでの成果も正にプロジェクトとして取り組んだことが実を結んだわけだが、個人的に一つ不満が残るのは、チームプレーで入賞が少なかったことである。一人ひとりの日本人がこうも逞しくなったのかと勇気をもらう一方、日本人は知育・徳育・体育・群育の4つの教育の中で特に群育に優れている民族ではなかったか。今後はバスケットボールやバレーボールなどで群育に優れているところをぜひとも世界に知らしめてもらいたいと思う。
物事をプロジェクトとして捉えること、そしてクロスファンクションで仕事を行うこと、またチームとしていかに傑出した成果を残せるような練習方法や仕組み作り、個人の価値観をどう探求するか、地域の産業である農業や商店街、そして花の専門店を思うにつけ、ここを解決する必要があると感じている。




2004/08/30 磯村信夫