21世紀は20世紀のルールと異なることを認識しよう


 99年から単価が下がったものだから、前世紀の仕事のやり方をしていてもなんら不思議と思わない業界人が多い。セリ取引をはじめ、今の卸売市場システムは400年続き現在に至っている。また、大正7年富山の米騒動で危機感を覚えた政府は、商物一致の原則や自己の計算(利益)の下における卸売会社の買い付けを禁止してきた。99年に相対取引が正式な値決めと認められ、これでようやく一般の仲介業の値決めと同じ手法を使えるようになった。21世紀はデフレを前提に仕事を組み立てていくことを考えていく必要があるのだから、卸売市場はこれで時間的に間に合ったということであった。

しかし、来年の市場法改正は大正時代に決めたルールを撤廃するわけで、我々花き業界人に「20世紀の続きが21世紀」と思わせてしまっていても仕方ないといえば仕方ない。

花き業界は生産から仲卸まで規制業種で、規制によって保護されているが故にこれほど時代とずれてきている。

我が国特有の卸売市場は、その時代の経済ルールだけでなく、行政府のルールで運営されている。従って民間だけの卸売市場流通で生鮮食料品花きを流通させているオランダのように民意や民間活動が働かず時代とずれる。2007年からはこの国の消費者数も少なくなり、少子高齢化が加速する。その中で競争に勝ち残っていく企業はどこか。本年度、2005年、2006年度中に流通業者だけでなく、産地あるいは地方自治体においてもノアの方舟に似た事柄が次々と展開されてくる。ルールは消費者にいかに選ばれるかである。これは生産流通業者も同様で、買ってくれる事業者が顧客であると考えているだけではならない。

 




2004/11/15 磯村信夫