週で仕事を組み立てる


 今年も、はや51週目。花き業界でも「月」ではなく生活者のサイクルに合わせて「週」を一単位で仕事をまわしてゆくことが必要だと痛感している。

「春夏秋冬」「物日」「月」「一日十五日」の仏花、榊需要、これで花き業界は長期にわたり仕事を組み立ててきたが、もう物日と仏花だけでは利幅が少なくなって、明日への投資のための利益を確保できないところまで花き業界はきている。すでに店頭販売の実態は個人需要に対応すべく週末販売が多くなってきている。となると週毎に変化を感じさせる棚わりを小売店はしていかないと、花好きから飽きられる。現在の消費実態は、花好きの消費者が今までよりも回数を多く買ってくれている。花好きが99年ごろから花を買わなくなった人達の不足分を埋めているのだ。

花は生き物なので水やりやらが面倒、枯れるからイヤという人も出てきた。
今年の12月のYAHOO!では、年代別ではあったが、お歳暮でもらって困るものの中に花が登場した。
5位だったか6位だったか忘れたが、ショックである。業界では未だ「花を嫌がる人がいない」というのが定説になっているが、これだけ雇用所得環境が悪いと、年代によっては、実益でもらうものを選ぶでしょうから、中には花はもらいたくないという人がいても当然である。

さて花好きの人に何回も買ってもらおうとすると、衝動買いをどう促すか、ここに焦点を絞らなければならない。予定した通りの買い物をする人は5%で、残りの95%は予定もなしに買ってしまう人達だから、どのように商品を見せるかを考える必要がある。これを52週(53週)やらないといけない。私たち中間流通は、産地と共々、「今週の一押し」を作っていかなければならないのだ。

読者の皆さん、来年一年かけてトライアンドエラーを繰り返しながら、それぞれの「今週の花」を作っていこうではありませんか。これによっておのずと私たちは、消費者のライフスタイルやライフオケージョンを勉強することになり、なぜ売れたか売れなかったかを因果率で知ることになります。こうして次世代へのバトンタッチができ、前進することができます。時に流されるのではなく、時を的確に捉えて商売ができるようになると思われます。




2004/12/13 磯村信夫