2004年年末のマーケット情報




 先週の金曜日24日が切花の正月市の始まり、そして27日(月)の今日がピークの仕入れ日となっている。いつのまにか切花の年末需要も曜日で動き、今年の日巡りだと27日と29日が切花の仕入れをする日になっている。1ヶ月ほど前から予約相対の集計を見ていても、20日過ぎの受注は全体の30%が24日、27日はそれよりも上回る数量であったから、まあこんなところであろう。結局、曜日によって買い気が変わるから売り損なった感がある。

年末の小売の売れ具合は来年1月に報告するとして、11月下旬からの物日を振り返ってみよう。まず、11月22日「いい夫婦の日」は、都心部でとあるチェーン店が3年前より歳時として取り上げているが、今年は3割増の売上であった。気の利いた鉢物と、やはり多かったのは切り花のバラだったようだ。ご主人が主に買っていった。この物日は夫婦1単位として行動する団塊の世代狙いだ。ご主人は奥さんに感謝の念を持っているし、奥さんも同様である。旅行、買い物、食事など、私的な用事はほとんど夫婦単位だ。それ以外にご主人は職場仲間と、奥さんは同性のお友達と外食したり旅行したりする。今後は花き業界全体で取り組むべき日だと思う。

お歳暮もシンビジウムをはじめとする定番の鉢物は一定量動いたが、昨年の2割減だったようだ。しかし、カスケード仕立てのものは、市場では値頃になったものの一般需要は伸びている。ここでもインターネット販売は堅調だ。まだ確かな数字は出ていないが、速報値を見るとネットモールの既存店は3割増であった。

またクリスマスは団塊ジュニアの世代(一部のヨンマル世代を含む)が結婚したので、花の需要は2,3年前よりも1割以上落ちているようだ。

大田花きの赤バラの高値(400円以上)でもわかるように、良い物は高くても買う。とにかく本物が欲しい。そういう需要が定着してきている。ここでもネット販売の赤バラはなかなかの人気で、とある通販大手で10%増、別の大手のサイトでは20%ほど伸びたようだ。

新聞にはアメリカのこととして出ていたが、「メリークリスマス!」はキリスト教徒に向けてのメッセージだから、「ハッピーホリデー!」とか「ニューイヤーホリデー」とか“Seasoning Greetings”などいう表現が定着してきたらしい。日本でも既にメッセージで花を売っているお花屋さんがあった。見かけたときはなぜこんなメッセージで売っているのか分からなかったが、道行く人にはすんなり受け入れられているようだった。

  今年1年間、小欄のご愛読、ありがとうございました。

 




2004/12/27 磯村信夫