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2005年7月15日

Vol.5 福島県福島市 JA新ふくしま

福島市.bmpみなさま?、大変おまたせしました!
久々の更新、ウンチク隊、東北初上陸です!
東北地方は探険隊(商品開発室)にとって縁の深いところです。
実はメンバーの半分が東北出身ですから!
しかもわれらがシシド隊長は福島市生まれなんですよ?。
福島に着き、通りがかった墓地を見ると「シシド家」の墓石がいっっっぱい!
シシド家の本拠地に乗り込んだ感じです
(さすがに写真を撮るのはやめましたが・・・)。


故郷を闊歩するシシド隊長。

そびえたつのは雪抱く吾妻連峰です。

ちなみにその山裏がワタクシの生まれた山形県米沢市。世間は狭いもんですなぁ。

JA新ふくしまは日本屈指の小菊の産地として有名ですが、新しい品目品種を導入するスピードの速さとチャレンジ精神旺盛な生産者が多いことでも有名!
今回はあえてビック品目の後ろで見え隠れする、ほかの魅力的な品目に探険隊はロックオン!
まずは品質のよさピカイチのダリアを作っていらっしゃる奥山さんのお宅へ突撃です。
  


(奥山さん)

奥山さんの圃場は福島市の郊外、シシド隊長の母校(吾妻中学校)がある庭坂地区にあります。
シシド隊長曰く、ここはお隣の山形県人に「陽光の庭坂」と呼ばれるほど、気候に恵まれた地域。
東北とはいえ、冬でも日照量が多く穏やかな気候なのです。
早速ハウスの中をのぞくと、中大輪のダリア、ダリア、ダリア!
ダリアブームの先駆けとなった品種「黒蝶」もしっかり咲き乱れていますよ!
 
言わずと知れた「黒蝶」

「ブリストルストライプ」は隊長オススメです。

スイレン咲きのダリア。※写真左

奥山さんがダリアをはじめたのはいつ頃なんですか?
「入れたのが7年前かな。最初に入れたのは小輪・単弁のやつが多かった。」
それから奥山さん家では毎年新品種を導入しているそう。

全部でどのぐらいあるんでしょう?
「70品種くらいかな。」

こりゃすごい?!品種名を全部覚えているとか?
ミックスで出しているから名前はわがんねな。」やはりそうですか、そうですよね?。

「ダリアはまだまだ選抜がすすんでいないから、
複色咲きを植えても単色で出てきちゃうのもあるんだよね。
新しいのが出たらとりあえず作る。そんでよかったら増やしてる。」

固定化はなかなか難しいんですね。
「うちは切ってから集荷上で1日かけて水揚げしてから出荷しているんだよ。」)

「それとダリアはすごく手がかかるよ。芽かき、葉っぱかきに年中追われる。
うちはそれ専用にパートさんを雇っているほどだ。」と奥山さん。
でっかい花を咲かせるには大変な手間がかかってるんですね。

本来ダリアは球根の力があるので育てる分にはそんなに難しくありません。
ただ、切花として見ると水上がりも花もちもよくない部類でお花屋さんなかせですよね。。。
奥山さんは、より切花ダリアの魅力を引き出し、長く楽しんでもらうべく、さまざまな試行錯誤を重ねてきました。水遣り、土作り、仕立て方・・・どれもピカイチを目指した結果、高品質のダリアが生まれているんです。

(仕立て方は企業ヒミツ♪なので画像はボヤボヤ)

渡辺さんの圃場

さて、お次は渡辺さんの圃場へ。

結構キツい山道を車で行くこと約15分、突如、厳重に柵囲された畑を発見!

何か国家機密?な植物が隠されているのでしょうか??
と、ワタクシ柵に近づこうとすると、
「ちょっとスイッチ切るから待ってろ!!」

実はこの柵ナント電気が走っているのでした。

危なっ、ワタクシもう少しで感電するところでした・・・(焦)
「ここら辺はサルが多くてな、ユリの球根を掘って食べちまうんだ。
去年は全滅したけど今年はちっとマシだな。」

おおぉ黒ユリの天敵はサルですか・・・恐るべし。サルの脅威から逃れて生き延びた黒ユリ。そう思うとかわいさ倍増ですな。

もっと上の圃場へ。突然視界が開けて高原が広がっています。
そこにはいろいろな品目の草花が植えられています。ネタの宝庫だ?!
しかしここでもシカやサル、ネズミなどの被害があるそうです。
逃げるわけにはいきませんからね植物は。タイヘンです。


(山道の途中からは福島市が一望)


       


実は渡辺さん、高原の畑とは別に下界(?)にも畑を持っていらっしゃいます。
「品目や季節ごとに植物に合った場所で育てることができるんだよ。」
こりゃ?すごいゼイタク!!!だからイキイキしているんですね。

つぎは別の渡辺さんのお宅へ。ここでは温帯スイレンを導入して2年目です。
「熱帯スイレン入れてくれって頼んだのに、温帯スイレン入れたんだよな?!。」とシシド隊長。いやいやでもまぁいいじゃないですか!カワイイし。



(W渡辺さんです。※写真右下)

JA新ふくしま、クレマチス株も増殖中です。
しかも八重品種しか作りません!来年乞うご期待。


花弁が取れた後もかわいいですよね。
     
ここでちょこっとクレマチウンチクの時間です。

「クレマチスは無風だとなかなか絡まらないんだよ。風に当ててやらねぇと支柱に巻きつかないんだ。」

風に吹かれてあわてて支柱をつかまえるクレマチス。(実際の動きは当たり前ですが見えません)

→(大室さんです)

JA新ふくしまを、消費者の求める花に素早くかつ柔軟に対応できる産地に育てたのは大室さん。
26年間花き担当でしたが、定年数年前にして今年とうとう異動に!
しかも異動先が直販課・・・って市場外流通じゃないですか!!Oh ?!
カムバーック!大室さん!!

「カムバック無理だったら、定年後に独創性生かして花を作って
うちに出してください」とシシド隊長よりメッセージ。

JA新ふくしまの格言

・消費者が欲しい花は素早く導入!採算考えるのはあとまわし!
・企業秘密で差別化を図る。
・野生動物との生存競争に勝った花だけが東京にやってきてます

お花屋さんへ一言・・・

・欲しい花は行ってください!作りますから!

おまけ

左の写真は山中を走る奥羽本線。
渡辺さんの圃場に行く道途中にある、絶好の撮影ポイントだそう。鉄道写真ファンがよく訪れる場所だそうです。
今回は撮れませんでしたが、トンネルから抜けてくる山形新幹線がみれますよ。

(文責 よしだゆきえ)
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