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2006年2月 3日
Vol 11. 千葉県君津市 BLOOM?NET
カメラ素人の私はいきなりピンボケだった。大概こんなもんだ・・・。
例年に無く寒さ厳しい今年の冬。うんちく探検隊も春の訪れを心待ちにしていた。
ちょっと弱気な我々はもはや、暖かそうだというイメージだけで次に行くところは千葉県と決めていた。
千葉県は国内屈指の花産地で達人も多く、うんちくの吹き溜まりみたいなところだ。どのエリアに行ってもうんちくを発見することが出来るであろうが、今回は若手中心で勢いに乗る「BLOOM-NET」をターゲットに選んだ。出発前から激しいうんちくの匂いが何処からともなく感じられる。
かわぐちひろし探検隊の謎
かわぐちひろし探検隊に憧れていた私は、何故いつも彼らがとんでもないハプニングに見舞われるのかいつも疑問であったが、冷静に考えてみると下調べが足りないのではないか?とか、何かのトリックが何者かによってなされているのではないか?とか、色んな想像が膨らんで仕方がないのだが、底なし沼にははまりたくないので、先ずは現地の下調べをしておこう。
調査結果:
BLOOM-NETアジトは君津市小櫃地区、カラーをはじめ、ストック、アネモネなどの栽培が盛ん。彼らは12名のグループで構成されており、カラーを中心に栽培している。
カラーは大まかには2つに分けられる.
?湿地性カラー(ウエディングマーチ、グリーンカラーなど) ?畑地カラー(クリスタルブラッシュ、ブラツクマジックなど)
↑湿地性カラー ↑畑地カラー
彼らは元々湿地性カラーを栽培していたが、数年前から畑地のカラーの栽培も手がけている。
5人でスタートしたメンバーは今では12人となり、年々勢力を強めている。
そして出発
下調べも済んだところで、出発だ。
早速、車を走らせアクアラインを通過。なんと、50分で着くじゃないか。アクアラインの価格次第では、むさ苦しい都会を離れ、自然と共にシンプル且つ、達成感に満ち溢れた生活を送りたい人々が永住の地を求め集まってきてもおかしくないはずだ。 こりゃあ、君津族という言葉が出来る日も近いに違いない。
←不動産の手配を急がねば。
果てしなく広がる畑、そして森!!
待ち合わせの小櫃経済センターへ到着。 農協の鈴木君、朝生代表をはじめとする生産者の皆さんが快く迎え入れてくれた。鈴木君はかつて、さわやかで良い男であったが、(今でもいい男には変わりないのだが)いつのまにか価格コントロールの達人となり、もはや市場担当へプレッシャーを掛ける大物になっていた。BLOOM-NETの成功の影には彼の卓越したマネジメント力が潜んでいるのだ。
↑BLOOM?NET メンバー (右) 農協 鈴木君 ↑
畑で!?美人発見!!
早速、ウェディングマーチをメインに栽培する田中氏のハウスを見学。
立派なハウスがずらっと並び期待が胸に高まる。
田中氏 「大田花きのおかげでハウス建てれましたよ。」
シャコジでも嬉しいお言葉だ。来て早々嬉しいじゃないか。
中を覗いてみよう。
ハウスの脇からは水が昏々と湧き出しているのが印象的だ。
そう、湿地性のカラーには豊富な地下水が欠かせないのである。
地下水豊富な君津でこそ出来る芸当なのだ。
ウェディングマーチを発見!
相変わらずみずみずしく美しいじゃないか。
ここで早速、朝生氏からうんちくが出てきた。
「私たちは栽培する上で、なるべく肥料を減らし細くてバランスの良い丈のカラーを作るようにしているんですよ。」
↑みずみずしさ全開!!WMエレガンス!!
なるほど、そう言えば花屋さんもみんな太いのは使い難いとか、長いのは用途が限られるって言っていたなあ。 花屋さんの意見がちゃんと通っていてすばらしい。
「それから、丈の短い物を意識すると自然に本数も切れるんですよ。なぜなら丈の長い花があると日陰を作ってしまい、株に光が当たらなくなっちゃうんですよ。」
なるほど、理にかなっている。
「それから、花を切るときは他産地よりも咲いたものを刈り取ります。うちは綺麗に咲くカップの美しいカラーをお届けしたいのです。」
カラーも顔が命ですねェ。
美人は厳しく!!
次に選別を行なっている現場を覗いてみよう。
なんと、選別してる若々しい女性人は2人とも都心の花屋さんで働いていた方々じゃないか。
カラーの魅力を通して君津までやってきた2人。
(BLOOM-NETのカラーに導かれた美女2人)
元花屋さんが選別しているなんて贅沢すぎる!!
← (左)レギュラー品 (右)A品
どちらも悪くない!厳しすぎる選別・・・
カラーの美しさやそれを作る生産者の情熱が人を動かすなんて、恐るべしBLOOM-NET CALLA!!!!!!!!!
選別の基準を伺ってみよう.。
Q:BLOOM-NETでは、レギュラー品とА品とがありますが、どの辺を基準に分けているのですか。
A:形の歪なもの、茎が太い物、シワがよっているものはA品となります。しみは論外。
しかし、実際見比べてみると、うーんどちらも悪くない。既にプロの領域すら超越し、もはや芸術感の世界の選別レベルだ。私もかつて7年間カラーの担当をしていたが、このレベルまでは追求してこなかった。
このカラーは作り手が買い手を選ぶ、誠持って贅沢なカラーだ。こんなカラーのブーケでウェディング出来る人は本当に幸せ者だ。
巨大要塞ハウス
芸術家揃いの田中家を後にし、畑地カラーとアネモネを栽培する保坂氏のハウスへ移動。
君津の巨大要塞保坂ハウス。
以前はすべてアネモネのハウスだったのだが、どう見ても金を掛け過ぎだ。
これは大きなプレッシャーだ。
以前は畑地のカラーは冷涼ドライな気候を好む為、暖地では作れないというのが一般的であったが、近年、千葉県でもトライする方が増えていて、常々思う事は、やはり常識とか言う言葉は覆す為にあるようなもんだとつくづく感じさせられる。
中に入ってみよう。
トリプルハウス!!!
ここまでしなければカラーは作れないのか!??
すさまじい執念だ!
いきなり目に飛び込んだのは、HOUSE ON HOUSE ON HOUSEのトリプルハウス。冬に畑地のカラーを出す為には、ここまでしなければならないのか。
保坂氏 「こうしないと丈が伸びないですよ。」
室内温度の設定は24℃に保たれており、原油の高騰から金が掛かってしょうがないと保坂氏の顔には書いてあるようだ。
定植されているカラーも様々だ。
ニュージーランド産球根の大輪種、アメリカ産球根のレーマニー系小輪種。
保坂氏 「ニュージーのは花はいいけれど本数も切れないし、厳しいねぇ。」
HB系のカラーは一つの球根から1?2本程度しか花が取れない。しかも、1年で球根が腐ってしまうケースが多い。一方、レーマニー系は8?10本位花が切れ球根も毎年残るのである。その割に価格差が以前よりつかなくなり、生産者としては実に頭の痛いところである。
そんな条件下で頑張る保坂氏に思わず涙ぐんでしまった。
(左)ホットチョコレート(NZカラー) (中央)保坂氏 (右)クリスタルブラッシュ(カリフォルニアカラー)
カラーのベットを見ながら左側をちら見してみると、あ?アネモネじゃないか。
そう今年は市場でアネモネが少ないだのってオー騒ぎなのだ。
カラーと同じハウスに入っている。
以前は全部アネモネ畑だった。
しかし、もはや端の方に追いやられている。
保坂氏 「アネモネは良くねぇーから違うところ見てよ。」
どうやらカラーに夢中で、アネモネの管理をサボっていたようだ。
ここ小櫃地区はアネモネの大産地で、関東市場のシェアも高くキーになる産地なのだ。
見るなといってるが無視をして潜入。
別に悪くない。見るなといっておきながら、保坂氏のうんちくが流れてきた。
「アネモネは昼間咲いて、夜閉じる。午後3時ぐらいに花を切るのがベストだねぇ。」
そーか、切るタイミングっていうのも色々あるんだなあ。意外と勉強になった。
あれこれアネモネの少ない理由もあるが、2月中旬からは順調に増えるという事で、一安心だ。
24℃のハウスにずっといたら暑くなってしまったので、外に出る事にした。
改めて、ふとメンバーの表情を拝見してみると、もーかってそーな感じでなんともうらやましい。
メンバー 「もーかつてないっすよ。」
もうかっているやつらは大概そーいうもんだ。
ここでうんちくフラッドを浴びるも、書くと長いので要点まとめて見る。
ブルームネットのモットー
○お客様に感動と満足を与える花作り。
○しっかり咲ききり7日間日持ち保証。
そしてお約束の格言
BLOOM?NETの格言
・カラーは香り(香り含めたすべての雰囲気)で楽しむべし。
・選別レベルは世界一。勝負仕事はブルームネットカラーを使うべし。
・カラーは動く花だ。うちのカラーを使って試すべし。
ここで私のカラーの格言
・湿地カラーは乾燥に弱い、こまめに霧吹きするべし。
君津格言
隊長手記
大概探検隊というものは底なし沼にはまったりするものだが、カラーの田んぼに足を滑らした程度で帰社する事ができた。しかし、君津は千葉の入口みたいなもの、次回は千葉の奥地に潜入してみたい。 今から、野獣除けスプレーの準備、地図の確認、千葉弁の練習に大忙しである。いつの日かご縁があったらまた会おう。 うんちく探検隊 隊長 宍戸 純
おまけ
(BLOOM-NETのカラー達)
サニー ● ガーネットグロー ● ホットショット ● フレーム
http://www.bloom-net-calla.com/
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