大田花き 大田花きコーポレートサイトへ
 

« Vol 11. 千葉県君津市 BLOOM?NET | トップ | Vol 13.大分県玖珠町 メルヘンローズ 編 »

2006年2月15日

Vol 12. うんちく探検隊1周年記念 千葉県富浦スペシャル

?御礼 おかげさまで1周年!?

平素より、小欄をご愛読頂きまして誠にありがとうございます。
多くの皆様のご協力に支えられ、何とか1周年を迎える事が出来ました。
これもひとえに皆様からの貴重なご意見、ご感想を頂戴したおかげと、深く感謝申し上げます。
取材の依頼を頂き、未だ訪問できていない産地の皆様におきましては、大変ご迷惑をお掛けしておりますが、順次お伺いする予定でございますのでご安心ください。
本年度もより楽しく、役に立つ情報発信に努めてまいりますので、応援宜しくお願いいたします。

                                         商品開発室一同


DSCF0194.jpg



前回に引き続きまたもアクアライン越え!!

さて、今回は1周年記念スペシャルという事で、弊社営業本部のご協力により千葉県富浦地区を一斉捜査!計7名のうんちくに遭遇。早速、またもアクアラインを渡り千葉県の奥地へ。そこはうんちくがとぐろを巻くドリームランドであった。

忍足義明さん ?球根小花の箱庭?

IMG_4865.jpg DSCF0229.jpg
DSCF0195.jpg




 北風を避けた、陽だまりの中のウォームハウス!!
 全ては計算し尽くされている。

 小高い山の斜面は南側に面しており、まぶしい太陽が降り注いでいます。心なしか、空気が暖かいのは、山が寒い北風を遮ってくれているからでしょうか。
 花を育てるのに絶好の環境とも言えるこの地に、忍足義明さんの球根ハウスがあります。早速ハウスに入って中を見せていただく隊員たち。
 ハウスの中はさらに暖かく、まるで春のよう。ふと見ると初夏に咲くアガパンサスが1本咲いているではありませんか!
DSCF0206.jpg



 何故この時期にアガパンサスが?
 君の姿に夢のような初夏を思う。

「クリスタルリリー」針のような茎の先端に小指サイズの小さな花をつけます。群生している様子は剣山の中に咲く小花の群れ、といったところ。
DSCF0197.jpg DSCF0198.jpg

                  クリスタルリリィー

「砂地に咲くツルバキア」ツルバキアは1本の茎から放射状につぼみを付け、小さなベル型の花を数輪ずつ咲かせる。よーく見ると小粒ながら八重咲きでとても可愛らしい。
DSCF0210.jpg



 ツルバキヤも良く見ればカトレアの形。
 香りもほのかでいとよろし。

DSCF0211.jpg DSCF0214.jpg

 これほど瑞々しく咲いているのに、ハウス内の水遣りは年に1度だと言うからビックリ。見ると地面はサラサラの砂地・・・どうしてこんな環境で花が咲くの?「球根植物は刺激がないと花が咲かないものなんですよ」と忍足さんは言います。

DSCF0218.jpg



 植物界にいじめありえずして花つかず。

「ラケナリア」黄色いラケナリアを発見!ラケナリアは南アフリカを原産とする球根性多年草。アフリカヒヤシンスという別名もあるんですって。ハウスで見つけたラケナリアは紫がかった葉に黒い斑が入る品種でした。
 普通は花のみ出荷されるラケナリア、うーんしかしこの個性的な葉は捨て難い。花も葉も使って、アンスリウムや葉ものと合わせたらエキゾチックなアレンジの出来上がりですね。
DSCF0201.jpg



 ラケナリヤの正体は美しかった。
 株付きの姿なら、球根小花最大の惑星だ!!

「ミラービフローラ」
メディカルホワイトな花です。ニラに似たすーっと長い茎と葉、ツルリとしたつぼみ、すっきりと咲く白花。
シンプルな白とグリーンは清潔感をイメージさせます。たとえばキッチンのシンクの上、洗面所のミラーの横、バスルームの窓辺、そんなところに飾りたい花。
DSCF0203.jpg



 よーく見ると二つのシェイプを
 した3枚の花びらが重なりあっている。
 一体何を意味しているのだろう。

「ミニグラジオラス」
隠れファンの多いミニグラジオラス。細い茎、葉と華奢なつくりが、清楚な雰囲気を作り出しています。
DSCF0208.jpg



 よーく見るとダイヤモンドリリィーの
 ような輝きがあるのですね。


自給自足が基本。
「うなぎ池」では食用うなぎ、エビ、鯉など豊富に養殖中!ハウス内の家庭菜園コーナーでは大根やほうれん草も栽培中。野生のヘデラベリー(木づた)が豊富に自生。
DSCF0219.jpg DSCF0223.jpg
                  ウナギ池と自生へデラベリー

川崎 美知江さん ?ソテツ パーク?

IMG_4872.jpg IMG_4866.jpg

          川崎 美知江さんとソテツ 


本日二軒目のうんちく産地は広大なソテツパーク。日々ソテツをご出荷いただき、圃場主である川崎さんご一家を訪ねました。ご自宅から数分の距離にある圃場に植樹されたソテツは、その数なんと5千株。こんな光景見たことない!目の前に広がるソテツ、ソテツ、ソテツの群落を見て、ひたすら驚きの声を上げる探検隊員たち。どこかのテーマパークに迷い込んでしまったかのような景色でしょう?
台風の潮風を避けるように北側の斜面に植樹されているのは、やはり計算されてのことでしょう。
IMG_4867.jpg DSCF0232.jpg


川崎さんのソテツたちは、何年もかけて育てられた立派な株ばかり。ソテツの樹齢は、幹を見てみましょう。横に幾重もギザギザした年輪が見えますね。またソテツの葉の根元には、5cmほどの鋭いトゲが無数にあります。近づいて見ると竹串のようにガッチリ硬そうなトゲ、これは危険です。ちょっと注意が必要ですが、熟練のハサミ技で日々収穫されているのですね。ちなみに、生えたてホヤホヤの頃は閉じている葉がピンと開いた頃が「切り前」、収穫のタイミングです。
IMG_4869.jpg



 ソテツの年輪は横軸に表れる。
一巻きで1年。

IMG_4870.jpg



 川崎家もうひとつの主役ハラン。
 日陰での栽培が理想なんですねぇ。

IMG_4871.jpg



 ソテツ新芽
 ちびっこの頃から痛そーうな感じ。

武田昇さん、石井一彦さん ?お彼岸のアイリスは大丈夫!?

IMG_4876.jpg



左:石井さん 右:武田さん
二人で大田のアイリス事情を支える。

石井さんは大田花き前身の大森園芸にお勤めで、現在はアイリス、ゴテチャなどを作っていらっしゃいます。お彼岸の出番を待つアイリスを一足早く見に行きました。アイリスは別名オランダアヤメ。花色は青(ブルーマジック、ブルーダイヤモンド)黄色(アポロ)、白(ホワイトマジック)などがあります。一番良いタイミングで花を咲かせるためには、その日、その週で変わるお天気に合わせたデリケートな管理が必要です。「温度調節とか水やりのタイミングは、長年の経験とカンだよ」と石井さん。例年にない寒さで、温度調節にはかなり気を遣っておられる様子。「今年は寒いからあぶねぇーよ」と武田さん。それでもここ数年、お彼岸はハズしたことが無いお二方。お彼岸はご安心くださいね。

DSCF0237.jpg



 彼岸の出番を待つアイリス達。
 どうか春風吹いて間に合っておくれ。

DSCF0241.jpg



 アイリスの咲き姿はとても個性的。
 何かをイミテーションしているのだろうか。

粟田農園 ?冬場のユリ勝負師?

DSCF0252.jpg DSCF0248.jpg
  ↑粟田さんは圃場があちこちに点在しており、管理が大変。
   作付け表を持ってのご説明を頂く。

川沿いの窪地、周囲を篠竹の生垣に囲まれたところに粟田さんの圃場を発見。さながら富浦の安全地帯といったところでしょうか。管理の行き届いた暖かなハウスの中で育つユリたち。粟田さんは花が少ない冬の1月?2月にかけて、高価な球根を仕込んで良質なユリを出荷しています。みなさん、粟田さんのユリを買うならば今がチャンスです。

DSCF0247.jpg DSCF0250.jpg
   LA、スカシ、OH 何でもあり実に頼もしい。
 

高山弘さん ?断崖を越えてフリージアのハウスを目指せ!?

IMG_4899.jpg IMG_4891.jpg

        必死の崖越えの先に夢のフリージア畑はあった。

IMG_4880.jpg IMG_4885.jpg


高山さんのハウスは、車一台がようやく通れる幅(道路わきは断崖絶壁)の道をクネクネ曲がった先にあります。そろり、そろりと車を進めて断崖の道程をクリアした探検隊。良くやった!さあ、お目当てのウンチク産地はもう目の前です。

DSCF0255.jpg



 フリージアは何故か一方向を向く。

高山さんは個性的でバリエーション豊かなフリージアを出荷することで有名です。黄色のアラジンを見ると茎も太くしっかりしていて、花もきれいに粒ぞろい。5?6年前から、枝切りで八重咲き品種の出荷を始めました。フリージアの一重も美しいけれど、八重咲きのボリューム感と優美さはまた格別なんです。八重咲きは開花期が遅いため、2月にならないと咲きません。冬場需要を逃してしまうリスクと、また完全な八重咲きにするのが難しく栽培には特に神経を使うことなど、一筋縄には行かない八重品種。大手競合産地との差別化を図り、少量でも完成度の高い八重品種、質の良いフリージアを出荷されているのですね。
IMG_4882.jpg IMG_4884.jpg

IMG_4886.jpg




 バリエーション豊かなフリージア。
これも高山さんのおかげ


サクマ農園 ?希少品目イキシャの宝庫?

IMG_4900.jpg IMG_4901.jpg

ソルボンヌ、リアルト、イエローウィーンなど素晴らしいユリを出荷されている佐久間さん。実は大変マニアックな球根小花も作っています。なかでもちょっとめずらしいのはイキシャ。イキシャは南アフリカ原産のアヤメ科の花で、花姿はちょうど稲の穂にそっくり。稲の穂からピンクや白の小花が顔を覗かせて咲く、素敵な花。もともと生産者が少ない品目でしたが、球根が病気にかかりやすいこともあり今となっては、ごく限られた生産者しか作らないという希少な花。佐久間さんはそのイキシャを、何種類も作り続けています。これほど品種豊富に持っているのは佐久間さんぐらいでしょう。イキシャは光を浴びて開花する花。探検隊の到着はすっかり日が暮れる頃だったので、咲いているイキシャを見ることは出来ませんでした。残念!

IMG_4902.jpg IMG_4903.jpg

サクマさんは、百合屋といっているが、フリージア、イキシャに対する熱の入り様はかなりのもの。再調査が必要だ。


?富浦地区の格言?


?冬の富浦地区は花の栽培に好立地である!この時期は富浦の花を使うに限る。
?個選産地が多く、個性際立つ花とベテラン生産者が多い。
自分の好みに合った生産者を見つけておくべし!
?富浦地区は圃場の台風対策が万全である!
DSCF0222.jpg




 この山中にはあのハクビシンが
うじゃうじゃいるらしい。

?わたしの格言?

フリージアは品種によって香りの違いを楽しむべし。
ベストフレグランス賞は「ストライプサン」で決まり!
IMG_4883.jpg



 ストライプサン
 

(文責 三浦 彩)
Copyright(C) Ota Floriculture Auction Co.,Ltd.