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2006年10月20日
vol.24 JA山形おきたま
(山形県 川西町、長井市、米沢市)
ウンチク探検隊フルメンバーでJA山形おきたまを訪れたのは6月の末のこと。
あれから3ヶ月以上が経ちました。
あの時見ることができなかったアルストロメリア、そして定植したばかりのダリアが、どんな花を咲かせているのか、期待に胸膨らませながら再び山形へ向かいました!
今回訪れたのは川西、長井、米沢の3地域です。
栽培現場へ向かう途中、こんな風景が見えました。
そう、稲刈りシーズンです。
それから、なんと庭先に大輪ダリアが!
「こっちの人の感覚だと庭に植えて仏壇に供える花という感じなんです。」
そう教えてくれたのは、今回圃場を案内してくださったJA山形おきたまの須藤さん。
贅沢だなぁ…と思ってしまったのは私だけでしょうか?
?お花屋さんが使いやすい花を目指して?
(川西町 小形房子さん)
おきたま管内でいち早く花生産を始め、15年のベテラン生産農家です。
稲刈りでお忙しい旦那様に代わり、奥様の房子さんが説明してくださいました。
まずは、ダリアの圃場へ。
おきたまのダリアは露地栽培ならではの力強さが魅力ですよね!
でも、「ここら辺は10月末に霜が降りることもあるの、そうなると全部ダメになっちゃうのよ!」
霜との戦いですね。
その他にご苦労されていることは何でしょう?
「芽かきに手間がかかってね。」と小形さん。
そのご苦労があるからこそ、大輪花が生まれるんですね。
さらに、おきたまダリアの魅力は、川西ダリヤ園が導入した品種で、切花に適したものを農協に
紹介している事!
だから、いち早く新品種を栽培、出荷できるのです。
流行やニーズに敏感に反応できるのには、そんな秘密があったのです。
やまがた川西ダリヤ園のHPはこちら→http://www8.plala.or.jp/kawa-kanko/
主な栽培品種は、
クライスラー、黒蝶、オレンジクッション、秋日和、エイミーK
・・・etc
次に、アルストロメリアのハウスを見せていただきました。
プッチーニ ダイナスティ セットポイント
アスペン モンディオ
足元に配管を発見!
これは何ですか?
養分が一定に保たれるよう、常に栄養分を含んだ溶液が流れているんだそうです。
さらに、アルストロメリアを栽培する際のご苦労は、意外にも花が咲いていない時期にありました。
アルストロメリアは、地温を20℃以下に下げないと丈が伸びないのです。
そこで、7月末から9月にかけて、5℃?8℃の冷水を流すのだとか。
さらに、遮光したり、細霧冷房を使って気温を下げる工夫がされています。
「夏場はこういうハウスにしか入らないの、人間よりいい扱いを受けているのよ!」なんて
おっしゃっていました。
小形さんからお花屋さんへのメッセージ
いいものだけを出せるように頑張ります!
使いにくい等のクレームはどんどん言ってください。
「おきたまの花ダメね」と勝手にやめられる方が怖いから…。
新米だけじゃない、おきたまの花のファンでいてください。
?成長したダリアを見に再び!?
(川西町 鈴木清左衛門さん)
前回も訪れた清左衛門さんのハウスへ。
でも残念ながら清左衛門さんはお留守の為、圃場だけ見学させていただきました。
あと時定植したてのダリアはたくさんの蕾をつけていました!
おすすめ品種は…
? ? ?
?ムーンワルツ
?ランクリッツ(清左衛門さん曰く、「白はランクリッツで決まり!!」)
?福わ内
アルストロメリアは出荷準備の真っ最中。
おすすめ品種は…
? ? ?
?
?エストラーダ
?ティエスト(清左衛門さん談によると…大田花きアルストロメリア担当の寶代くんが好きな赤だとか。)
?アスペン
?フィレンツェ
これらは全て平成18年度の新品種。
ちなみにJAおきたまが導入した9つの新品種の内、4品種もチャレンジされているわけです!!!
?集荷場をチェック!?
縦箱で出荷されています。
ウインクした太陽マークが目印!
大田花き行きの荷物を発見しました!
箱を開けると花の大きさにビックリです!
?栽培品目は多岐にわたっています!?
(長井市 安部 洋(ひろし)さん)
主力はアルストロメリアですが、露地でさまざまなものを栽培されていました。
もちろん、ダリアも驚くほどの丈に成長していました。
「寒さと日照量によって同じ花でも、毎日違う色に見えるんだよ。」と安部さん。
そして、マジックモーメントを指しながら、
「これもいくなるんだよぉ、開くと白くなるの知らないでしょ!?」
ホントだ、色が違います!
⇒
よく手入れが行き届いていてキレイなんですが、
「これでご飯を食うようにしておりますので」と謙虚な安部さんでした。
以前は、農協の職員だったとか。
その他の栽培品種をご紹介しますと、
ウメモドキ“ベルティシラータ”
「今年は実付きがよく、大きくて、最高にいい状態なんです!」
ひょうたん “スワン”
白鳥姿のユニークなひょうたん。2羽1対で出荷しています。
黄キク ”コトブキ”
コレは食用菊で出荷はしておりません。あしからず(^^;)
おひたし美味しかったです!
ケイトウ ハボタン ジニア
ユウカリ 花ナス 夕霧草
見慣れた夕霧草とは何か違うような…。
「乾燥状態で栽培しているから日持ちがいいんだよ!」と自信作の様子。
でも、出荷できる程の量はなさそうで残念(T_T)
ほんの一部の栽培品種をご紹介しましたが、「こんなに沢山、どうやって作るものを選んでいるんですか?」と尋ねると、
「IFEXや研修会で紹介されたり、講演した人が言ってたから!」
なるほど、それがいち早くニーズに合った商品を提供できる秘密なんですね。
ひとつひとつの品目について 安部さんの丁寧な説明を伺いながらながら楽しく見て回っていたら
予定時間を大幅にオーバー!次へ急がなくちゃ(*.*)
安部さんからお花屋さんへのメッセージ
もっと産地と対話をしてほしい!ぜひ見に来てください。
作ってる人と売る人が顔が見えるようにしないと。
花屋さんも産地に足を運んで、話をして、生産者の思い、生産者が惚れて作っている花の良さを消費者に伝えてください!
?周辺は宝の山!??
(長井市 鈴木利文さん 築地(ツイジ)花木園)
鈴木さんはまだ希少ですが、高品質で人気の実物“ビバーナム コンパクター”を栽培されています。
「毎日、試行錯誤重ねて作ったんだ!」
と言いながら、ズンズンとジャングルの中を進んでいきます。
「今年は長雨と日照不足で出来はあまりよくないんだ」
とおっしゃっていましたが、すごいボリュームです。
これは切るのも大変ですね。
「長さがあっていい枝ぶりのとこを切りたい、けど来年もまた取りたいし
悩みながら切ってるよ」と鈴木さん。
他にご苦労は?と尋ねてみると、
「草刈りと天候への対応だね。」
「鳥は食べないのが救いなんだけど、雪にやられるんだよ!」との事。
この辺りは1m50cmも雪が積もるのだそうです。
それでも雪の上をかんじき(雪国で雪上を歩くために使われる履物)のようなものを履いて切りにいくとおっしゃっていました。
大変な作業です!
この他にも、沢山の枝物を作っていました。
「どこ見ても売れるものだらけ!」とおっしゃるように、裏山にもこの土地に合った様々な枝物が生育しています。
でも、天候への対応や仕立てなど、どうしたら上手く作れるのか
日々追求している熱い思いが伝わってきました。
鈴木さんからお花屋さんへのメッセージ
ビバーナム コンパクターはまだ希少だけど、3人の生産者で頑張って作って、これから数量を増やしていくので、ぜひ買ってください!
?薔薇の人気品種を作ってます!?
(米沢 石原政志さん)
最後の圃場は石原さんの薔薇ハウス。2回目の訪問です。
しかし、すっかり日も落ち、ハウスの中は真っ暗。
ウンチクではなく、暗闇探検隊!?になってしまいました。
それでも、おすすめ品種を折って見せてくださいました。
アバランチェ ベルエポック シセロ
クレッセント オールドロマンス グランス
石原さんからお花屋さんへのメッセージ
今が旬!発色もよい薔薇を使ってみてください!
ちなみに、石原さんはJA山形おきたま花き振興会 会長、そして、JFMA(日本フローラルマーケティング協会)の理事も務めていらっしゃいます。 東京にもよく出向いていらっしゃるほど、フットワークが軽いのです! そして、“今や産地が買い手を探す時代!”とのお考えをお持ちで、おきたまの花の良さを伝えるための『おきたまフェア』の開催にも熱心に取り組んでいらっしゃいます。 生産者自ら、お客さんの呼び込みや、おきたまの花のPRのために努力されているのです!。
?おまけ?
石原さんちの猫ちゃんです。
タロさん(♀)、ハナさん(♂)
なんだか逆のような…。
?おきたまオリジナル?
ここで、アルストロメリアのおきたまオリジナル品種を2つご紹介!
カノン ブルーストライク
“山形おきたま”の格言
・新規性のある花には即座に取り組む山形おきたまの商品をチェックすべし!
・広域で作り出される、幅広い品目構成が魅力!
・おきたまダリアの最大の特徴は、新品種をいち早く栽培することができる仕組み!
そして、流行を先取りできる事!
・積極的な花き生産、消費拡大のためのプロモーション活動で顧客獲得を狙う!
最後におきたまダリアの主要品種カタログを掲載しています。
来年は更に品種ラインナップが増えますので乞うご期待♪