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2006年11月27日
vol.28 千葉県 鉢物産地編 パート?
冬の訪れを感じさせる鉢物の王様と言えば、シクラメンとポインセチア!
さて、2回にわたって千葉県の優秀な鉢物産地をご紹介いたします。
場所は千葉県旭市。
今回はシクラメンの産地を2件 ご紹介します。
?最高級シクラメンを作出する秘密は??
嶋田園芸
初めてのシクラメン産地です!
園芸チームの担当者に「マスクを持って行った方がいいよ。」と言われていたのですが…。
到着してその意味が分かりました。
この辺りは畜産も盛んな地域。途中、強烈なメタンガスが車内に充満する瞬間が
ありました(>_<)
特に嶋田さんのハウス周辺は畜産団地やタメ池があり、い?い(?)臭いがしています。
こうした天然堆肥エキスも最高級のシクラメンを育てるヒミツなのでしょうか???
では、早速ハウスの中へ!
今年の出来はどうかな?
よく見ると、針金が花の周辺に巻きついています。
これは何でしょうか?
「葉っぱを広げて、中まで光を入れてあげると新しい葉と花芽が出てくるんだよ。」と嶋田さんが教えてくれました。
そうすることによって、葉数の多い、立派なシクラメンが出来上がるんですね!
そう言えば、葉数と花数は一緒って聞きますが、本当なんでしょうか?
「一緒だよ!だから葉が沢山ついたものがいいんだよ。」
そうおっしゃる嶋田さんも、野菜農家から転身されているのです。
切っ掛けは…、「体をこわして重い野菜を運ぶ事が難しくなった時、偶然空いたハウスを譲り受けて、そのままシクラメン栽培を始めたんだよ。それが間違いのもと!?いや、よかったよ!」と嶋田さん。
始めて3年は失敗の連続で、6枚しか葉が出なかったこともあるのだとか。
でも、そうした失敗があったから今がある!とおっしゃっていました。
「失敗、苦労は人生に必要だよ。挫折がなきゃ分からない事が沢山あるし、いろんな人と出会うことができてよかった。」
男41歳でシクラメン作りに転身し、最高の作り手になられた方のお言葉には重みがありました。
さてさて、そんな嶋田さんが出荷に際しての最低条件とするひと手間=最後の葉組み(*)に迫ってみました!
「女の人と一緒だよ。こうして最後の化粧してやれば、綺麗になるんだよ!」と嶋田さんの魔法の手で見違えるように綺麗になっていきます。
そして、出来上がった最高のシクラメンを手にパチリ!
*葉組みとは、葉の高さを揃え、キレイに見えるように葉を交差させたりして整える作業の事です。
でも何でこんなに手をかけるのでしょう?
確かなことは分かりませんが、嶋田さん曰く、「日本の風土なんだろうね」と。
いちおし品種は…
カムリ ↑ 冬桜 ↑
※どちらも花が転回せず下を向いていますが、決して水下がりや奇形ではありません。
冬桜は色バリエーションも豊富!
ガクが普通の品種より大きく、花弁に覆いかぶさっていますが、その姿がまた可愛らしいと思いませんか?
これらの品種も11月下旬から出荷開始です!
他に良い品物を作る秘密ってあるんでしょうか?
「水やりは地下水を利用してるんだけど、窒素量が普通の水より多いみたい。」
それは周辺の肥溜めエキスが染み出しているからなのでしょうか?
あながち自然のエキスの影響を受けているというのも、冗談ではなさそうです。
でもいくらいい環境とは言っても定植するまでは別の場所で育てるのだとか。
なぜかというと、子供用お薬なんかと同じ理由です。
パワーが強すぎるのです。
作り手が教えるシクラメンを買う時&飾る時のチェックポイント!
●前にもご紹介したように葉数と花数は同じ!だから、葉っぱが沢山ついているもの!
尚且つ、1株の葉っぱの面積は一緒!だから、小さい葉が数多くついているのがBest!
●鉢の底もチェック!根がしっかり張っていれば、ちょっとぐらい水切れしてもすぐに復活する力があります。
●そして、暖房厳禁!玄関先のチョット日が差す程度の涼しい場所が一番です!
「長持ちしたって言われるのが一番うれしい!」とやさしい表情で語る嶋田さんの愛情がたっぷり注がれたシクラメンを飾ってみませんか?
←目印はこのタグ。
シクラメン作りのスーパーマン(!?)、SHIMADAマークが目印です!
嶋田さんの格言
・手をかける事が出荷する上での最低条件!
それぐらい仕上げ作業を大事にしています。
・天然堆肥エキスの好環境で育ったシクラメンは葉付きも花持ちも最高!
?農林大臣賞を受賞した加瀬さんが作るシクラメン?
AME加瀬園芸
まずお会いするなり、「加瀬さんは元レーサーだったってホントですか?」なんて質問してしまいました!
すると、「アグリのライバルだったんだ!今はその思いを花にぶつけてトップを狙っているんだ。」と加瀬さん。26歳の頃、注目される選手だったのです!
なんと、屋号についた『AME』とは…オート・モービル・イクイップメントの略、車大好き人間には有名なアルミホイールのメーカー名なんだとか。
そして箱には、『レーシングスピリッツ』!
なるほど、これで繋がりました!
車のレーサーからシクラメン作りに転身した加瀬さん、
「レースもシクラメン作りも一緒よ!」とおっしゃいます。
「カーブ曲がる時と一緒!滑らないようにタイヤでいかに路面を捕らえて引力と戦うかが勝負よ!」
奥深いです…。
レースの話はさておき、現業のシクラメンを見てみましょう!
シクラメンでもトップを狙う男は違います。
なんと、農林水産大臣賞を受賞されていました!
今、圃場にある花は…
ジャズブラット
「味のある深い赤がいいでしょ!コレ好きなんだよ。」
実際にはもっと濃い赤なんですが、上手く写真でお伝えできず残念…。
ロマンス
ビクトリアに似て、力強く、首が太いのが特徴。
カムリ
咲くと変わります!
加瀬さんは苗生産もしています。
こちらは、切花用トルコキキョウ苗の赤ちゃんです。
そして、こちらの機械は何をするものか分かりますか?
土を入れる機械と、種まき機です。
どうして、こんな機械が必要かというと、シクラメンの苗作りのため。
シクラメンの種はこんなに小さいのです。
種から3?4週間で発芽し、3ヶ月で鉢に植え替えられる状態になるのだそうです。
最後に、
「今時期は、出荷作業と来年の仕込みとで大変なんだよ!」
と語る加瀬さん。
プライベートでも仲良しの園芸チーム 大西さんと一緒に、自慢のシクラメンを持って!
忙しい中、いろいろ説明してくださって
ありがとうございましたm(_ _)m
?おまけ?
まだ出回っていない商品を特別にご紹介!写真も初公開です。
仕立て方がオモシロイ!
来年より出荷予定ですので、乞うご期待!!!
シクラメンの原種。
こうして咲く前はくるるんと巻いているんです!
加瀬さんの格言
・いたずらに規模を拡大しないで、自分の手をかけられる範囲で生産しています!
・レースも農業も一緒!俺は地球と戦っている!!