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2006年12月 5日
vol.30 江戸川区 切花ポインセチア
前回は鉢物のポインセチアをご紹介しましたが、今回はまだ市場にごくわずかしか出回っていない“国産切花のポインセチア”をご紹介します。
?都心のフレッシュフラワー!?
(東京都江戸川区 川手農園)なんと東京都江戸川区に立地!!
マンションや一戸建てが並ぶ住宅地の中に、ハウスはありました。
川手農園さんでは、元々ポインセチアの鉢物栽培をされています。
今まさに出荷最盛期!
余計な葉を落としたり、輸送中に苞が痛まないようビニールを被せたり、出荷準備に大忙しでした。
アーリーミレニアム バーガンディー マース
今年は例年に比べ、ポインセチアの出始め時期が早いように感じている方も多いはず。
その要因は3つある!と教えてくださいました。
?曇天…8?9月は曇りの日が多く日照時間が短かった為、自然のシェードで色付きが早まった。
?低温…寒いからと、わい化剤(*)を薄めて使用する生産者が多く、成長が早まった。
?原油高…コストの問題で暖房を炊かずに作ろうとする生産者が多く、早生品種に集中した。
こうした結果、出荷時期が早まったのです。
しかし、残念ながら暖冬だった為にクリスマス気分にならず…、買い気が鈍かったのですが、
やっと冬らしい気候になりました!!!
「寒いと赤いものほしくなる!」という法則通り、みんな赤いポインセチアが欲しくな?る」
*わい化剤:植物の伸びを抑える薬剤のことで、鉢物栽培において広く使用されています。
節間の伸びが抑えられ、葉や花が密集して付くことになるので、ボリューム感がでるのです。
そんな川手農園さんでは、昨年から切花用としての栽培も始めています。
←こちらの品種は、主力の『ジェスターレッド』。
品種特許があり、切花用として栽培することが許されているのは川手農園さんと、ご近所で栽培されている中ノ園さんの2件のみ!
ピンと上を向いた花形…ではなく、苞の形が特徴的です!
「うちのは葉がしっかりしてるよ!触っただけで分かるでしょ!」
と川手さんに言われ、触れてみると…ホントに葉も苞も肉厚でした。
その秘密を聞いてみると、
「寒いと葉が厚くなるんだよ。ハウス中でも外気温とたいして変わらないでしょ。」
そう言われると、ハウスの中にいるポカポカ感がありません。
さらに、「日中はハウスを開けて外気を取り入れているの。だから丈夫で、強いんだよ!」と教えてくださいました。
つまり、ストレスになるような温度差がないのがポイント!
でも、茎は繊細。水遣りでちょっと引っかかっただけでも折れてしまうこともあるとか。
手間暇かけて、大事に育てられているのです。
↑川手さん親子。
切花用として丈を伸ばすには?
鉢同士の間隔をくっつけて、上へ上へと伸びようとする植物の性質を利用しているのだとか。
苞や茎の切り口からは白い液が出てきます。
これが固まると水揚げが悪くなりますので、水揚げの際は ぬるま湯で洗い流してくださいね。
ジェスターレッドの他にも…
ジェスターホワイト ・ ジェスターピンク ・ ジェスターマーブル ・ ジングルベル
カラーバリエーションも豊富です!
「消費地にあるから、『明日ほしい!』という急な注文にも
対応できるのが強み!」と語るばっちりカメラ目線
の川手さんでした。
なんだか取材慣れしているような…。
柔らかい印象ながら、商売上手なおじさまです!
12月上旬?1万本以上の出荷を見込んでいます。
クリスマスを演出するブーケにぜひ加えてみてください!
江戸川区のホームページでも紹介されています。→http://www.city.edogawa.tokyo.jp/wadai/h18/poinsettia.html
川手農園さんの格言
・都市近郊型産地だから、フレッシュな状態でお届けできる!
・今年はブーケにもポインセチアを使って、クリスマス気分を演出しよう!