2008年4月28日
vol.58 沖縄県 太陽の花
お花屋さんなら、「沖縄 太陽の花と言えば小菊」と連想する方も多いのではないでしょうか?
今回、特集するのも菊ではあるのですが、同じ菊でも『菊らしくない菊』をコンセプトとしたマムです。
そんなマムが誕生する現場を動画でご覧いただきます。
では、動画の中でも触れていましたが、台風の多い沖縄で、安定した品質の小菊栽培が可能になった秘密について、ご紹介します。
?平張りハウスって??
訪れたのは読谷(よみたん)という地域。
米軍跡地というだけあって、なんと滑走路が道路になっています。
ここは、沖縄の東側の海岸沿いで、海風を受けやすいため、台風の被害を一番受けやすい地域。
だから、昔は年末の栽培は壊滅的で、生産も安定しなかったそうです。
それが、今や10億の売上げ地域に変貌!
その背景には、島田コンさんという方が起こした地域活性化事業、通称『島コン』がありました。
野菜農家を含む7人の生産者、一人に3千坪ずつが割り当てられて、平成15年からスタートしたこの事業では施設にも拘り、菊栽培では初めて平張りハウスが導入されたのです!
その特徴は、
ビニールではなく、防風ネットで覆われているので風が抜ける!
また、雨が強く打ちつけるのではなく、メッシュを通ってミストのようにハウス内に降り注ぎます!
その時のハウスは、「まるで風のない霧の中にいるような感じ」なのだそうです。
ちょっと幻想的ですね。
そして、そのメリットは、
防虫ネットで虫や紫外線カット!
雨水は通しても、雨で叩かれることはないから土はいい状態!
健康な土ができるから農薬散布の量も半減し、自然と減農薬栽培が可能に!
風が抜ける為、台風で倒壊することもなく、補修費用がかからない!
と、平張りハウスとは環境に優しく、経済的なエコハウスと言えるのです!
虫が避けられて、4?5年の耐久性があって、沖縄の紫外線にも強い!このハウスのお陰で、読谷地区での平準出荷が可能となったわけです。
そんなハウスで、小菊やスプレー菊を大量に安定的に栽培できるようになったのですが、仏花需要だけの菊を4月に出荷しても売れ行きは良くありません…。
そこで、新品種開発に取り組むこととなったのです!
?菊らしくない菊!?を目指して?
今までにない菊作りを目指して取り組み始めた太陽マムシリーズのコンセプトは?
小菊としても、SPキクとしても活躍できるマム!
そして、その中には2つのシリーズがあります。
1.小さくてかわいいキャンディーマムシリーズ
2.オシャレでインパクトがあるファッションマムシリーズ
では、それぞれの代表品種をご紹介しましょう!
“キャンディーマム”(小輪タイプ)
?うりずんシリーズ?
うりずん ウスピンク サーモンピンク ブラウン
?その他?
ちゅら テラ トア
“ファッションマム”(大輪タイプ)
?2007年発表の品種?
太陽の美乱(びらん) / 太陽のソフィア / 太陽の藍夢(あいむ)
太陽の乱舞(らんぶ)/ 太陽の橙瑠璃(とうるり)/ 太陽のルイーズ
太陽の麗江(りいじゃん)/太陽の情炎(じょうえん)
どれも個性的な名前が付いたファッションマム!
その由来をいくつかご紹介しますと…、
太陽の藍夢(あいむ): 沖縄出身の世界で活躍している「宮里 藍」選手に夢を託して。
太陽の乱舞(らんぶ): 美乱と同様に、乱れ舞う姿を表現。
太陽の橙瑠璃(とうるり): 沖縄をイメージさせる“瑠璃”に、オレンジ色を“橙”と漢字で表現。
太陽の麗江(りいじゃん): 中国古城の町・麗江(リィジャン)に降り立った時のイメージ。
考え抜かれた名前だということがお分かりいただけましたか?
品種名に漢字を多く取り入れたのは、輸入攻勢を受けている状況下で、日本人の感性を活かしたブランド品種として、“和”のテイストを組み込もう!、“メイド・イン・沖縄”を打ち出そう!という意図が含まれているのです。
ぜひ、新しい使い方で新たなマムの魅力を引き出してください!
最後に、現在 登録申請中で今年の秋より販売開始となる、初公開のファッションマムと、太陽の花の皆さんからのメッセージを動画でご覧ください。
太陽の花よりお花屋さんへのメッセージ
太陽の花の格言
虫や紫外線はカット!その上、農薬の使用量を半減できる!環境に優しいエコな平張りハウスが、高品質・安定出荷を可能にしています!
太陽マムの格言
仏様に供えるだけじゃない!菊の新しい魅力に目を向けるべし!
小菊としても、SP菊としても活躍できる優れもの!可愛くて、オシャレな太陽マムに注目すべし!
太陽マムの名前の由来を知ると、もっと面白い!
2008年4月25日
vol.57 静岡県 JA伊豆太陽
伊豆半島の最南端に位置する南伊豆町は、1年を通して暖かな常春の町。
太平洋の大海原を三方に望み、海あり、山あり、温泉ありの風光明媚な景勝地ですね。
4月、春一番に咲いた河津桜は青々とした新緑をつけていました。
河津桜の名産地、河津町から最南端の南伊豆まで、JA伊豆太陽を代表する草花を
うんちくThe Movie2部編成でお届けしてまいります。
まずは、伊豆太陽について勉強してみましょう!
詳しくはコチラ⇒http://www.ja-shizuoka.or.jp/taiyo/topix/topix.html
JA伊豆太陽 第1弾 『キンギョソウ』
発色鮮やか、しまりの良い伊豆のスナップ、つぼみが咲ききるマーガレットの秘密に迫る!スナップとマーガレットの育種に取り組む、伊豆農業研究センターの稲葉さんが解説します。
第2弾 『マーガレットの未来を占う』
第1弾に引き続き、伊豆のマーガレットにスポットを当てます。
伊豆農業研究センターを舞台に、私たちの知らないマーガレット育種の現場をご紹介します。第1弾に引き続き伊豆マーガレット生みの親、稲葉さんに試験場をご案内いただきました。
河津町特産のカーネーション、花菖蒲も5月の需要期を前に順調な作柄です!
?大田花きでの展示会の様子? 2007年度版/2008年度版 ◇伊豆のスナップは白さが違う!
◆JA伊豆太陽の格言◆
温度をかけて咲かせるため、白品種の花は乳白色から純白に。
◇伊豆マグは作りやすく、使いやすい。
これからも続々と、作り手と使い手のことを考えた新しいマーガレットが登場します。
◇マーガレットの水揚げが心配なら、最後の1輪まで咲ききる“エレガンスホワイト”を使うべし。
◇伊豆はオリジナル品種が豊富!自分の好みに合ったものを見つけてマークするべし。
◇温泉熱を利用した河津の花菖蒲は日本一早咲き。60年の栽培の歴史が確かな品質を生み出す!
2008年4月11日
vol.56 津ヶ谷洋らん園 切花シンビジウム
切花シンビジウム生産 二代目シリーズ その3
羽衣洋蘭園さんから更に足を伸ばして同じく静岡県の津ヶ谷洋らん園さんまで参りました。
津ヶ谷さんは浜名湖至近の三ケ日という所にあります。
浜名湖を左に見ながら高速をかっ飛ばしましたが、地図でよく見ると・・・
↓静岡県全体
ほとんど愛知じゃん!
浜名湖を見ながら走っていたわけですから、そりゃそうですよね。
取材させていただいたのは、シンビ生産二代目の津ヶ谷守言(つがや もりこと)さんです。
シンビを通して自己表現される津ヶ谷さんの魅力を余すところなくお伝えします。
じっくりとご覧ください。
後編はこちら↓
27歳で始めたパラグライダーはあっという間にパイロット免許まで取得。
最近はご多忙のためお休みということですが、またいつか始めたいとおっしゃっています。
また第2編には登場人物もたくさん!
お花屋さんや消費者の皆様へのメッセージも収録してありますので、お見逃しなく!
【出荷前に独自で水あげ】
津ヶ谷さんはOTAから遠隔地に転送されることを考えて、また転送された先のお客様のことを考えて、あえて出荷前に水あげをされています!
津ヶ谷さんのところから出荷されて、市場に行って、またそこから地方に転送されて、お花屋さんに買われて店頭に並んで、一般の消費者に届くまでの長い道のりを考えると、
「キャップの水だけじゃ足りないから。」
「最後の消費者のところで数日は必ず咲いていなければならないわけでしょ。
輸送中に咲いていても、お客様のところに着いたらキャップの水がなくなって枯れちゃった・・・では意味ないよね。」
・・・とあくまでも消費者の皆様第一にきめ細やかな心配りをしてくださっています。
そんな心配りは、コダワリを持っていらっしゃるお花屋さんにはきっと伝わるはず。
津ヶ谷さんのパッケージはこちらです。
津ヶ谷さんは、若い人にもっとシンビを見てもらいたいからと、浜松のクラブで、自ら花を挿したりもしています。これも一般消費者の皆さんへ花育の一環ですね。
「クラブで花を挿すのも自己表現のひとつであり、シンビの魅力を引き出すツールです。それにシンビジウムを自分で使ってみたらよく分かるでしょ。」
ちゃっちゃと究めてしまったパラグライダーの次はサッカーにハマっていらっしゃるようです。
現在は週2回サッカーの練習に加え、なんと写真を始めちゃいました!目下勉強中のようです。
・・・とプロっぽい大きなカメラを見せてくれました。カメラもまた自己表現の一つの手段ですね。
津ヶ谷さんが撮影した美しいシンビの数々をゆっくりとご堪能ください。
(You Tubeだからちょっと画像が粗くなってしまっているかも・・・)
花作り、いや物作りはなんでもアート。魂を込めればアートになる!シンビ1本1本は花材ではなく作品!一つ一つ魂を込めるべし! シンビジウムは自己表現のツールの一つ!ツールは一つに限らず、複数持つべし! 農業の永遠のテーマは草取り!雑草の生えないところにランは生えない。農業に携わる限り、永久に雑草と格闘すべし!(工夫すべし!・・・かな) シンビの品種選抜は・・・ 採花後も細心の心配りを!輸送中にキャップの水が切れてしまわぬよう、出荷前に水あげすべし!
◆津ヶ谷洋らん園の格言◆
? 作業の効率性が良い物(茎がすっと立ち上がってくるもの)
? 生産性(一株からの花立ち)の良い物
? 色や形などの見た目、病気に対する丈夫さ
などの観点から行うべし!
モットーは“真魂勢乗楽道” 意味は推して知るべし!(いやいや、VTR内で説明していますから!)
←津ヶ谷さん作
◆津ヶ谷守言さんのつぶやき◆
買ってくれたお客様のところでどのくらい花保ちするかこそ大事だよね・・・。
売ったらオシマイじゃだめでしょ!花をもらって怒る人はいないわけだし、もらった瞬間は嬉しいわけだからそこから何日持つかはポイントだよね?。
もうそろそろタバコ止めようかな・・・(!)
だって、サッカーするときは22歳と一緒に走ってんだよぉ!
・・・ところで津ヶ谷さん、藤岡市洋蘭組合の名サッカープレイヤー中山さんを「藤岡のジダン」と呼んだのは津ヶ谷さんですが、津ヶ谷さんはプロに例えると誰になるのでしょうか?
中山さんが藤岡のジダンなら
津ヶ谷さんは「静岡のロナウジーニョ?」トッポジーショ??
◆うんちく探検隊の結論◆
静岡県は三ケ日でシンビを生産する津ヶ谷守言さんは、アーティストなのでした!
しかもサッカーもパラグライダーも得意。きっとハマったらなんでも一生懸命やって、究めてしまう方なのだと思います。
津ヶ谷さんの品種はコチラ
http://www.otakaki.co.jp/topics/2008/200803/cymbifair.html
【おまけ?】
津ヶ谷さん的目線
「デボン」のロックンローラー、リーゼント風
・・・「ツッパリみたいでかわいいでしょ♪」(津ヶ谷守言さんの言)
ホント、何かを話し掛けてきそうです。
毎日多くのシンビを見つめているからこそ見える、アーティスト津ヶ谷さんならではの視点なのでした。
【おまけ?】
浜名湖の写真です。
浜名湖の夕焼け
夕焼けに浮かび上がる山稜
浜名湖の空(夕焼け × 飛行機雲)