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2008年6月27日

vol.63 静岡県 PCガーベラ 他

安藤隊長、西山副隊長率いる、大田花き平成20年度の新入社員9名で探検する今回の産地新人探検隊。愛知県豊川市のJAひまわりで研修・取材を終えた後は、浜松PCガーベラに向かいます。

2002.jpgこの一輪一輪を試験管にさす展示方法を最初に見たときには、このまま一式全部持って帰りたい!と思ってしまったほど。(弊社 展示にて撮影)





5.21 139.jpgとってもかわいいオリジナルキャラクターのPiroro&Clara(ピロロとクララ)。パンフレットやダンボール箱、スリーブなどで活躍中!









浜松PCガーベラとは?

■どこにあるの?
浜松PCガーベラは、静岡県西部地方の浜名湖沿岸に位置する浜松市にあります。この地域は、気候が温暖で日照量も多く、農作物の栽培に

はとても適しています。

■PCガーベラのPCとはどういう意味?
「Packing Center」の略です。JAや地元ベンチャー企業と共同開発した世界初のキャップ掛け装置を設置。

■ガーベラの他には、何を栽培しているの?
キクやスイートピー等もたくさん栽培されています。

では、早速見学させて頂きましょう。ご紹介いただいたのは、浜松PCガーベラの部会長の古橋さん、副部会長の杉浦さんです。
5.21 130.jpg写真は、部会長の古橋さん

まず、始めにご案内頂いたのは、ガーベラのキャップ掛け装置です。ガーベラは花弁が柔らかいので、輸送で傷がつきやすいため、一輪一輪ビニールのキャップがつけられています。通常であれば、手作業でする作業ですが、一日に考えられないほどたくさんの量のガーベラに一輪一輪キャップを着けるとなると、この作業にたくさんの時間が取られてしまいます。PCガーベラでは、平成5年に「パッキングセンター」を設立したことにより、ガーベラの出荷調整作業を各生産者の家庭から切り離して、ゆとりのある農業を目指されたそうです。

5.21 132.jpg各圃場から、一度集められて、前処理中のガーベラ。12℃の冷蔵庫で一旦保存されます。












これが、世界初・ガーベラのキャップ掛け装置です。(ガシャ、ガシャ、ガシャ・・・)
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どんどん進んでいく、ガーベラ














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「ポトっ」落ちたー!!長さによって落ちる場所が異なるようです。
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束ねて、箱に入れられます。

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JAや地元ベンチャー企業と共同開発した、世界初のキャップ掛け装置を設置した施設へ一元集荷を行い、今まで手作業で出荷処理をしていた時間を高品質栽培やマーケティング等に費やし、品質や組織力の向上に繋げたそうです。

各生産者が「パッキングセンター」にガーベラを一度集めてから一元集荷する事で、他の生産者との比較を行い、パートさんが最終チェックを行うことで、常に最高レベルのガーベラを提供すること可能になりました。

5.21 143.jpgこのようなオリジナルキャップに入ります。これなら、市場、お花屋さんを経由しても、消費者までPCガーベラのガーベラと伝わりますね。









5.21 138.jpgこれが、パッキングセンターでのチェック表です。誰のガーベラが、何本良くない物があったかが記載されています。










続いて、ハウスを見学します♪
5.21 155.jpg「土にビニールシートが被っていますが、これは何をしているのですか?」
「熱処理をして、土壌を殺菌しています。土壌を周期的に、殺菌・休憩させて土作りをして、十分に準備が整ったらまた新たにガーベラの栽培を始めます。」


5.21 157.jpgこの機械が、熱処理を行う機械です。作業時は熱くなるので注意が必要です。










5.21 165.jpg土壌で栽培もされていますが、ロックウール栽培に変更されたいうのが、今回ご紹介頂いている杉浦さんです。とても清潔感のあるハウスですね。



















5.21 161.jpgヤシ殻の上にロックウールを置いて栽培しています。通称「ヤシ殻ベッド」と言われ、やしの実の繊維の部分を細かくしたものを固めて作ったものです。ロックウールを使った水耕栽培の利点は、排水性の改善、病気の発生が少ないこと。収量が土耕より多いこと。連作が可能であること。肥培管理がしやすいことが言われています。













5.21 163.jpg杉浦さん:「1品種は700株?2,000株までを目安に栽培しています。1品種を700株作る事によって、週3回1ケースは出荷することが出来ます。また、部会のルールとして、新品種%、色%など取決めがあります。これは、全量を共選共販として販売方針を一元化し、業務・小売用の特定品種の強制作付け、色別の作付けルールを制定しています。これによって自分の好みに偏らず、栽培することができます。時々、生産者もお花屋さんの意見を聞きに、直接出向くことがあります。自分でお花屋さんの意見を聞くことによって、新しい品種を入れるときの判断材料になりますし、ズレを防ぐことが出来るんですよ。」

もうちょっとゆっくりとお話を伺いたかったのですが、次の研修のためタイムアップとなってしまいました。
今回は突然の訪問で、名物広報の鈴木さんは別件でお仕事があり、お会いできない予定でしたが、お昼ご飯の時にわざわざご挨拶にと駆けつけて下さいました。

5.21 127.jpg「男子はいいから。」と、新入社員の女の子たちと楽しく記念撮影をして嵐のように去っていかれたのでした。女性限定!!PCガーベラをよくご購入して下さる美人店長(?)がいる東京のお花屋さんには、よく出向かれるそうですよ。ここで書くまでもなく、みなさんよくご存知かもしれませんね(笑)

PCガーベラの皆様、お忙しい中、どうもありがとうございました☆

?KIRIN agribio 花き商品開発センター!?

5.21 169.jpg続きまして、昨年10月にオープンされたという、KIRIN agribioの花き商品開発センターにお邪魔しました。浜名湖花博の跡地で、浜名湖ガーデンパークの隣に位置しています。







5.21 170.jpg「今までは、新しい品種を開発しても実際に栽培をする圃場を持ち合わせていませんでしたが、花き商品開発センターが出来たので、自社内で栽培試験を行い、国内生産向けに優れた新品種を選び、生産者・卸売市場や小売店などの流通に対して新品種情報の発信を行う情報発信施設として、活用ていきます。」とお話頂いたのは、キリンアグリバイオの登坂さんと原さん。

キリンアグリバイオさんは、カーネーションをはじめ、スプレーマム、バラ、リモニウム、ガーベラ等の切花や、世界初の八重咲きカランコエ「カランディーバ」、母の日のポットカーネーション、世界の品種評価会で数々の賞を受賞しているペチュニアやニチニチソウ等の花壇用花き等、幅広い商品を全国の営利生産者様に販売されています。育種力とマーケティング力を融合した品種開発力をベースに、時代のトレンドに合った商品をいち早く消費者の元へ届ける仕組みを創っておられます。

昨年に無花粉ガーベラの“フルーツケーキシリーズ”を発表されています。今秋には、新品種のカスミソウ’ファンタイム’と、’ダブルタイム’が市場に出回る予定だそうです。

5.21 171.jpg花き商品開発センター入り口で記念撮影です。














5.21 17..jpg広?い商品開発センターです。
















5.21 203.jpg5.21 204.jpg

中でも、心打たれたのは、5.21 199.jpgモカスイートです。名前もピッタリ!去年作付けされた新品種だそうで、今年から出荷が始まるそうですよ。














5.21 197.jpgウッドストックも同じく、去年初めて作付けされた新品種。やはり、ノスタルジックな色合いに惹かれます。











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下田隊員のオススメは、ポエム

続いては、バラの試験圃場へ。
5.21 224.jpg深紅のフリンジ咲きのバラを発見しました。トルコギキョウのコサージュシリーズのような咲き方です!











5.21 230.jpgみんなのオススメは「これ!!」















5.21 217.jpg香りに酔いしれる立石隊員♪高芯剣弁咲きのワイン色のバラ。リークを大きくしたような、スタンダードのバラです。香りもリークと同じようなダマスクモダン香でした。

















5.21 231.jpg最後は、ガーベラの試験圃場へ














5.21 237.jpg5.21 236.jpg各品種の上いは、写真・品種名・特性などが分かりやすく表記されています。













5.21 254.jpg男性隊員も和気藹々のムード

この試験場から新しい品種が生まれるのですね!
キリンアグリバイオの皆様、お忙しい中ありがとうございました。








5.21 259.jpgこれで、栽培現場の研修は終了です。夕方になり、御殿場研修所へ急ぎます。












?橋本フラワー?

SN3E0013.jpg 最後は研修所の近く、いつもお世話になっているお花屋さんの橋本フラワーさんで見学させて頂きます。ときどき市場から代表者が、橋本フラワーさんに、水揚げ方法など花屋業の勉強でお邪魔させて頂いております。





5.21 285.jpgお店の入り口では、芍薬が優しく出迎えてくれました。













5.21 283.jpgたっぷりとした品揃え月・水・金の表日は毎回仕入れをされて、全ての花が入れ替わるそうです。道理で、お花がイキイキして見えます!バラのレッドイントュージョンや、アリアム、トルコギキョウのコサージュ、八重のクレマチスの鉢ものなど、新しい品種もたくさんあり、お花好きのお客様の目を楽しませてくれます。また、仏花や胡蝶蘭などもたくさん置いてあり、たっぷりとした品揃えが安心感を与えてくれます。











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5.21 286.jpgPCガーベラのスリーブ入りのガーベラを発見!
奥様:「うちは、いつもPCガーベラさんのガーベラを購入しているんですよ!」


















5.21 281.jpgSN3E0009.jpg橋本さんと奥様

5.21 290jpgあまり花は、レジの下のスペースでアレンジの参考として活用させます。「この方が素敵でしょ?一石二鳥です」と奥様。
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最後には恒例の記念撮影!橋本フラワーさん、ありがとうございました☆

格言

・パッキングセンターだけじゃない!
一つの目的に向かう強い意志、部会の取決めがスゴイ!(PCガーベラ)

・新品種情報発信施設
・・・キリンアグリバイオの花き商品センターに注目すべし!(キリンアグリバイオ)

・お客様を満足させ、楽しませてくれる品揃え・雰囲気を参考にするべし!(橋本フラワー)

隊員は無事に研修を終え、御殿場研修所に向かったのでした。

5.21 297.jpg新人探検隊のみなさん、花卉業界のスペシャリストたちから、たっぷり吸収しましたね!
初めての研修お疲れ様でした♪









(文責 Cimone♪)happy 003.jpg

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