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2010年4月20日

Vol.76 千葉県 安房農協 カーネーション部会

母の日といえばカーネーションということで、今回はカーネーションの生産量では日本有数の千葉県、その中でも気候が温暖で古くから花の栽培が盛んな南房総へ行ってまいりました。
・・・しかし、4月も中旬になるというのに春まだ遠く、関東は肌寒い曇り空。強風でアクアラインもあわや通行止めか、という天候の中の出発しましたが、やはり南房総も寒気の中でした。

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今回お邪魔したのはJA安房花卉共選部会のカーネーション部会です。この地域は花造りの歴史が長いだけに、個人での出荷が中心でしたが、共選共販を目的として平成13年に部会が設立されました。JA安房ではカーネーションの他にもストック・スナップ・金盞花、夏はトルコキキョウ・紅花を生産されています。


それではさっそく集出荷場を見学・・・の前に、お昼時ということで近くの定食屋さんへ。陽気な女将さんに運ばれてきたオススメのシメサバ定食がこちら。

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見た目、もちろん中身も美味しゅうございました。

お腹も満たされたところであらためて集出荷場へ。

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こちらがJA安房花卉共撰部会が誇る千歳集出荷場です。平成19年築の新しい建物です。
この建物ができるまでは、地区別に集荷・出荷していたそうですが、一箇所にまとまったことで効率よい作業が可能になったとのこと。

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部会長の富永さん。
カーネーション部会員は11名、作付け総面積は約5000坪とのこと。ピーク時には5万本前後のカーネーションを出荷されています。

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この日は農協の人を交えて、母の日に向けての選花基準についてのミーティングが行われていました。
生産者の皆さん、選花担当の皆さん、どちらも真剣です。

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☆選花ってなに?

カーネーションに限らず、花は「等級(花の付き方や花の大きさ)」と「階級(草丈)」で選別され、市場に出荷されます。産地によって等級・階級の付け方は変わりますが、こちらの場合は 秀>優>良 といった一般的な付け方。階級はカーネーションの場合cm表記となり50?70cmが主体です。

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この選別を生産者さんが個別で行うことを「個人選別」、複数の生産者さんで共同して行うことを「共同選別」と呼びます。安房カーネーション部会は「バラ共撰」。複数の生産者さんのお花を、生産者さんではなく第三者の目で選別することで規格・品質の均一化を図っています。

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選花された花は25本ずつの束にされ、巨大な冷蔵庫に入り・・・

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出荷時にはこの箱に入れられてトラックへ。25本束が4束で1箱100本入ります。
選別に関しては特に病気に注意して行っているとの事。咲き具合も重要視されていますが、集出荷場から市場に着くまでのタイムラグ、気温が安定しないとバラつくなどなかなか難しいようです。

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選花をする皆さんと、とリーダーの石井さん。大田市場に出荷するリストをチェックしていました。

集出荷場を後にして、安房農協の川名さんにカーネーションの栽培ハウスを案内していただきました。

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ハウスの中で寒さから守られつつ、膨大な本数の花がじっと出荷を待っています。オススメの品種は、と聞くと「赤ではエクセリア、チカスですね」とのこと。

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赤いカーネーションのスタンダード「エクセリア」 作りやすく、秀品率が高いということで選択されているそうです。

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川名さん(中央)とお話されているのは、安房農林振興センターの西廣さんと竹内さん。農林振興センターのお二人は来年の作付けの検討材料とするために、朝から各農場の土壌調査を行い、ミーティングでも肥料などについてお話されていました。花も野菜も、良いものを作るならばまずは良い土からということですね。

そうこうしているうちに冷たい雨が・・・。風も出てきて、4月だというのに足から凍えるくらいの寒さです。

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皆さん気にされていたのはやはりお天気。
3?4月の不安定な気候で、なかなか思うように切れていないとのこと。寒ければ開かず、暖かければ咲きすぎる。これからの需要期に向けてどれだけの数量が出せるかが心配されるところです。とはいえ、

「こればっかりは御天道さま次第だからなぁ」

と、にこやか(?)にお話される生産者さん。お天気との付き合いも慣れっこのようでした。どんな状況でもより良いものをより良い姿で作り続ける。国内のカーネーションはまだまだ頑張っています。


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皆さん、寒い中ご協力いただきましてありがとうございました。

(文責:川田)


★JA安房花卉共撰部会のホームページ
 → http://www.ja-awa.or.jp/kakibu/index.htm

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