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2013年11月 5日
vol.102 【前編】ヴァン・デン・ベルグ・ローズ・チャイナ◆(株)クラシック
みなさーーーん!今回も"スペシヤールな"うんちく探検隊をお届けいたします!
(そう、うんちく探検隊は毎回スペシャル!v(≧∇≦)v )
なんでも噂によると「中国で作られるオランダのバラ」があるというではありませんか。
はて~??そのバラは、一体、中国のバラなのか、オランダのバラなのか??
←(。_。?)どっち?(゚-゚?)→
この話、噂といえども、全く以って意味わからん・・・?チンプン?ヽ(゚◇。)ノ?カンプン?
どういうことなのでしょうか。どうもクオリティも悪くないらしく・・・ウーン「(゚ペ)
大田花きの展示担当で、1年間に何千本もの花材を見ているMチャン(女性)に、「中国で作られるオランダ作られるオランダの噂話」について聞いてみると、
「あ、知っているよー。
それホント!この前、大田市場の中央通路で展示したばっかりやでー。
コロンビアやケニアからの輸入バラほどがっしりしているわけでもなく、柔らかい雰囲気でとてもエレガント。
花持ちも良くて、驚かされたわ~。展示が終わったアバランシェがアタシの机に置いてあるから、チョット見てってよー」
というくらい高評価(*・∀-)b!!噂は本当なり!
というわけで、ウンチク探検隊、「中国で作られるオランダのバラ」の秘密を探りに、102回目にして遂に海外進出です!!v(≧∇≦)v WOW!!
だって、海外の産地が気になってもちょっくら見に行ってくるなんて、なかなか出来ないでしょ!?だからうん探が皆さんに代わりまして行って来ましたー!ってわけです。
行先はもちろんチャイナ!
オフィスを出る時に「チャイナに行ってきまーす!」と言ったら、「行っチャイナなさーい!」( ^^) /とだいぶ気持ちよく追い出され、やってきましたのは、雲南省(うんなんしょう)昆明(こんめい)です。
中国で花生産といえば、なんといっても昆明。早速昆明の空港に着いた瞬間にバラを持っている女性を発見しましたが、中国国内に流通する花の90%は昆明産、バラにおいては全てこの昆明で生産されているといっても過言ではないほど、花の大産地なのです!この地名はみなさんも覚えておいてくださいねー!
では、ざっと昆明についてご説明いたします。
昆明は、中国の西南部に位置する雲南省の中で北東部に位置する都市です。
正確には昆明市といい、神奈川県藤沢市と友好都市として提携しています。人口600万(上海は2,400万)。
地図をご覧いただくとわかるように、中国でも最も南部に位置し、ベトナム、ラオスとの国境に接しています。ハノイなんてスグソコじゃん!なんて勢い。
標高は1,500メートルほど。
気候は温和で、気温は1年を通して0度から29度にしかなりません。
世界でもこれほど恵まれた気候のところもあまりないでしょう。日本を思えば、"30度を超えない夏"なんて天国ですね~♪
昆明は別名「春城」と呼ばれるのも、年間を通して春のような穏やかな良い気候に恵まれているからこそ。国内からの観光客もたくさんいるのです。
そんな自然環境に恵まれた地域ですから、花の大産地になる以前からお茶の産地として有名であるばかりでなく、フルーツやナッツ、香辛料など、あらゆる農産物を産出しています。
これだけ豊かな自然があり"実りの土地"であれば、大航海時代に欧州各国が中国と交易をしたがっていた理由も、昆明を訪れればよく分かるような気がします。
その昆明でバラを生産しているのが"ヴァン・デン・ベルグ・ローズ・チャイナ"です。その総代理店として日本に花を輸入しているのが株式会社クラシック(本社:千代田区)。
ヴァン・デン・ベルグ・チャイナとは、ざっくり申し上げますとオランダのヴァン・デン・ベルグ・ローズ社の中国版です。
VAN DEN BERG と書き、オランダ語では「ヴァン・デン・ベルフ」と読みますが、暫定的に小欄では英語読みさせていただきたく存じます。どーぞよろしくおねがいいたしますm(_ _)m
ヴァン・デン・ベルグ社とは、オランダ人のヴァン・デン・ベルグさんが経営しているバラ生産企業で、アバランシェの生産量はぶっちぎりで世界ナンバー・ワン!
中国だけでなくケニアにも広大な圃場を持っています。
こちらが中国の社長のニックさん。Mr. Nic Pannekeetです。
かっこええやろ~(´▽`)
ニックは漢字で「尼克」と書きます。ウマイ( ^∀^)!
この当て字のうまさ、なんだかニクいですね~。学生時代に中国に留学した際、クラスメイトが考えてくれたそうです。
ニックさんはオランダのアルスメーア生まれで、お父上もバラの生産をされていたという血統証付きのフラワーピーポー。
正確に言えば、ヴァン・デン・ベルグ・ローズ・チャイナは、ニックさんとヴァン・デン・ベルグ社とのジョイントベンチャー。中国のお花屋さんであれば、誰もが知っている国内随一のトップブランドです。
前置きはこのくらいにして、みなさんも早く圃場をご覧になりたいと思いますので、早速案内していただきましょう。
ヴァン・デン・ベルグは、切りバラ生産が主でその広さは、10ヘクタール!東京ドームをヘクタール換算すると、4.7くらいですから、バラだけで東京ドーム2個分くらいですね。
日本の生産者さんの平均的な広さがおよそ0.3ヘクタール(バラに限って言えば0.26ヘクタール:H19年農水省)ですから、オランダ式生産規模は桁違いということがわかります。
しかし、オランダの生産規模からすると、とてつもなくビッグ!というほどでもなく、極スタンダードでしょう。
そのほかに、アンスリウムの切り花圃場が3ヘクタール、鉢物が2ヘクタールあります。
はい、こちらがその圃場です。
っていうか、デカッ∑(゚□゚;)!!
あっちの終わりが見えぬぁ~い!
日本で思い浮かべるハウスが繋がって、いわゆる「連棟」になっていて、その広さは500メートル×160メートル!ってコレ、あーもー、アタシャ走ったら息切れして力尽きる距離やな。
このような広さでどのように管理されているのでしょうか。
早速、生産から見てまいりましょう。
生産
生産の専門家はこちらのコックさん。料理人のコックさんではありませんよ、くれぐれも!
キラーン★★★
料理人のコックはcookと書きますが、こちらのコックさんはCokです。
Mr.Cok Harteveld、どーぞよろしくお願いいたします!
コックさんもオランダ人で、お父上からバラの生産を引き継がれました。国内で作るばかりでなく、今までコスタリカやロシア(具体的にはソチ!来年冬季オリンピックが開催されるあのソチです)などで生産指導をしてきたその道のプロフェッショナルです。昆明に来てから7年になります。
コックさんはヴァン・デン・ベルグ・チャイナの総支配人。
生産から品質管理、人事管理など全てをマネジメントしているのです。
ニックさんは通常、上海を活動拠点として販売やマーケティングに力を入れています。もちろん圃場にも頻繁に足を運びますが、圃場に常駐し留守を守るのはコックさんです。ニックさんの右腕として活躍しています。
では、コックさんにナビゲーター役をお願いいたしましょう。
まず、土の代わりに使っているのは、ココピート。ココナツの実の殻から繊維を取り、発酵させて作るエコロジーな媒体です。園芸品や生産現場ではそのメリットが評価されて多用されています。
どうしてココピートを選んだのですか?日本ではロックウール(鉱物に石灰を混ぜ高温で繊維質にしたもの)栽培や土耕栽培がよく使われますが・・・
「お答えしよう!
それは、ロックウールと土耕の中間を取ったということなんだ。
ロックウールは施肥した養分を保ちすぎてしまい、それだけ植物体が養分過剰になってしまう。
一方、土耕は養分が流れ出してしまい、根に十分に栄養を与えることができない。
その中間がココピートということだよ」
表面の白いつぶつぶはパーライト。軽石のようなものです。
培地中の空気層を確保する役割と排水を確保する役割とを担っています。根も呼吸をしているので、空気が必要なのです。
水をやり続けていると、土の中の空気層が潰れて根が詰まってきてしまうので、根の呼吸を保つためにパーライトを混ぜているのです。
あーーーー!LOOK, LOOK!!
ここでもアーチング栽培をしています!(アーチング栽培とは?ヨコヤマ薔薇園さんの記事でチェック!)
アーチング栽培は、世界に誇るべき日本発の栽培技術ですが、既に特許期間が切れて、世界中誰でもこの技術を使っていいことになっています。このようなところでも日本の生産技術の高さを垣間見ることができますね。
灌水はもちろんこの通り自動・・・
と思ったら、自動なのは灌水ばかりではなく・・・
「ほかのことも、ほとんど自動だよ。
① 圃場内の気温(外気温も計測)
② 湿度
③ 葉の温度
④ 日照
もセンサーで計測して、自動で環境を整えるようになっているんだ」
えッ!?Σ(゚口゚;
センサー??ドコ、どこですか?
これが気温と湿度を測るもの。
これが日照量のセンサー、
外でも太陽光を測っている。
そして、これが葉の温度を測るものなんだ 」
へ~、これがぁ・・・ドレドレ(・_ ・)ジーッ
このカメラで2m四方の葉の表面温度を計測しています。
計測値が高くなると葉にストレスがかかり過ぎていると判断し、自動的に遮光をしたり、場合によっては天窓が開くなどして温度を調整しているのです。
では、ウン探がこのカメラの前にずっと手をかざしていたらどうなるのでしょうか?
「長い間かざしていると、葉の温度が高いと認識して、自動的に天窓が開く。」
冷静に答えるコックさん。
ほぉ~、なるほど、これは迂闊にイタズラできませんな・・・_;
オランダ式の生産場面に人はあまり介していないのですね。
「そう。全てオートメーション管理。
これだけの広さで人の能力ややる気等に頼っていたら、品質に差が出すぎちゃうでしょ。
センサーからデータを集めて、コンピューターで総合的に計算されるようになっているんだ。その計算結果に合わせてハウスのコンディションをコントロールする。
例えば、曇天が続いて日照が足りないとなると、水をやり過ぎては病気や徒長、根腐れなどあらゆる問題を引き起こすから、一つのファクターが変わっただけで、総合的に環境をコントロールするよう自動管理されているってわけさ。
だからこそ統一規格のバラを大量生産できるんだ。
そのプログラムを作るのは人だけどね」
そのプログラムを作ることが重要なのですね。
環境変化に対して、機械がどのように反応するかを決めて、プログラミングする。
バラに対して最適な環境になるよう考えるのはコックさん、で、それをプログラミングした人たちがこちら。
名付けて"コンピューター ピーポー"。取材日にたまたまオランダからいらしていました。
オートメーション管理をしている心臓部など、見せていただくことはできますか。
「いいよ。何でもないものだけど。あんなのが見たいの?」
はい、是非見せてください。Please!!
「これだよ」
え?コレ(@_@?? なんだか拍子抜け。
ま、確かにパソコンとコードがあるだけというは納得ではありますが・・・これに精密なプログラムが組まれていて、すべてこのパソコン1台で管理されているのです。
このシステム、ヴァン・デン・ベルグ・チャイナだけのものではなく、世界中どの生産者さんでも購入可能とのこと。
う~ん、でも高額な投資になりそうなので、回収の見通しを立てるにはある程度の規模が必要かもしれませんね。
圃場を歩いていて気付いたのですが、葉がなんとまあキレイなこと!
コックさん、どのような葉が良いとされるのでしょうか。
「グリーンが濃いこと、そして艶があること。これが良いバラ条件。
逆に葉が小さくて厚いものはNG。何か管理が間違っているってことなんだ。
(写真右側は、日本での総代理店㈱クラシックの難波稔正さん)
例えば、葉が厚ければ、湿度が低くて、気温も低い状態に長い間、晒されていたという可能性が高いんだよ」
苗も見せていただきました。(ほんと、余すところなくどこでもオープンに見せてくれる!
Thanks, God!・・・ではなく、Thank you, Nic & Cokさん)
このようにココピートの苗床にバラの挿し芽(cuttings)が並べられています。
これらは発根を促して苗を作っているのですか?
「んにゃ、ちがう。これらは既に根が生えていて、この苗がこのまま収穫用の株になるんだよ。どこにも植え替えない」
えー、ホント?(¬з¬)
これはもうそのまま苗になっているんですか?
もし根っこ生えていなかったら何かもらいますよ~!!
「そんなに言うなら見せてあげるよ。ホレ!」
ガーン!Σ(゚口゚; ホンマヤ
根がガシガシ生えている!!ではこの苗はどこで作っているのでしょうか。
「別のところに苗を作るハウスがあるんだよ。そこで挿し芽をして発根してからこちらに移す。」
そして、このまま株を大きくして採花するのです。
(ちなみに、パテント意識の高いオランダの花ビジネスですから、ロイヤリティはきっちりと払っています。)
今まで拝見した日本のバラの生産者さんの場合、株の作り方は
① 苗を種苗会社から購入し、育てる
② 病気に強い品種を台木にして、栽培したい品種の枝を接ぐ
というパターンが多く、実際それらが一般的。
挿し芽からそのまま発根させて株を作るというのは初めて拝見いたしました。
このような方法は、ハウス内の環境がかなり良く、病気などの心配が少ないからこそ有効なのです。ま、コスト削減の意味もあるのかもしれません。
栽培に使う水は、圃場のすぐ横を流れる川から農業用水を引きます。
そしてここに↑貯水する・・・のですが、なんでも川からの稚魚が入ってきて、この貯水池で元気に大きくなる魚もいるのだとか アハハ~_;
それをこの↑タンクで浄水して、圃場用に使うというわけです。フィルターがありますので、ここまではもちろん魚は入ってきません。
昆明のような環境の良いところでバラを栽培するのに最も骨を折ることは何ですか、コックさん?
「主に2つあるよ」
① 防虫
② 夏場の暑さ対策
まず①の防虫についてですが、虫が付かないようにするためには、防虫ネットをハウスの外側に張り巡らせること。でもその網目が細かいのでハウスにベタっと張り巡らせてしまうと、ハウス内の空気が動かなくなってしまって、今度は病気が発生しやすい状況になってしまう。だから、空気循環を確保しながら、いかに防虫ネットを張るかがポイントです。
②がまた問題で、昆明では気温30度以上にはならないといえども、ハウスの中はやはり暑くなるのです。
「暑くなるからハウス内を換気したいけど、虫が入ってこないよう防虫ネットを張らなければならない。防虫ネットを張れば、空気の動きが止まり、気温が高くなってしまう。この①と②はいつも矛盾するというか、どっちを取るかの戦いなんだよね。」
で、どっちを取るんですか、コックさん?
「真ん中を取るんだ。( ^^)
虫が入ってくるようなハウスの側面にネットを張り巡らせて、風は天窓から取り込むようにしたりね。」
バラづくりに最適な気温とはどのくらいなのですか。
「14時間が昼間、10時間が夜として、昼と夜の平均気温が19-20度がベスト。
例えば昼の平均気温が30度、夜が10℃だとすると、昼と夜の平均は20度でしょ。これが理想的なんだ。」
なるほど~!すんごい明解!
「でも、1日中20度だったらそれでいいかというと、それは違って昼と夜との気温差が重要。
1日の平均気温が20度くらいがいいからといって、1日中20度というのも花には良くない。
夏が過ぎたこれからの季節は、ウチの圃場でも品質がさらにアップするよ。
一般的には、夏のバラは頭が小さく、冬の寒い時には大きくなるんだ。昆明でもこれから気温が下がるからね、輪が大きくなるよ。楽しみにしていてね」
はい、でもどうして夏は小さく、冬は大きくなるのでしょうか・・・?(゚ペ?)???ナゼ?
「それは葉で糖分(栄養)が作られるんだけど、夜の気温が高いと、このプロセスがとても速く進んでしまうんだよね。
プラス、せっかく葉で作った栄養は、暑さのあまり昼も夜も植物の体力を維持するために消耗が激しくなる。
そうすると生長するために、つまり花の組織を作るのに、十分な時間も栄養も不足しているってことになる。だから必然的に頭が小さくなってしまうというわけ。
冬は逆に全てゆっくり生長する。葉で作られた糖分もしっかり花に運ばれるから輪が大きくなるとうわけなんだ」
これはバラ作りであればどこでもそうです。頭が小さいから品質が悪いということではありませんが、涼しくなると全体的に品質がグッと上がります。
ひとつの産地でも、夏に見るバラの輪が幾分小さく感じるのはそのためなのですね。
バラの切り前
ちょうど従業員さんたちが切り集めていました。これを、選花場に持っていきます。
従業員さんたちは、どのように切り前を判断するのでしょうか。
「確かにこれは難しい問題。でもウチは明確にそのタイミングを決めているんだ。
芯までふんわり開いているもの。これが最も重要な条件。
これを見てごらん。
右側は開いていなくて中心が見えないでしょ。これは切り前が早すぎるということ。
それに対して左側を見ると、つぼみのサイズは同じように見えるけど、中心まできちんと"巻き"が見える。
これが正解◎」
なっるほどぉ~!
←こちらが正解◎のバラ。中心までふんわりを広がり「巻き」をみることができます。
ところが、こちらは花弁が閉じて、中を見ることができません。これではまだ切り前が早いということです。
確かに、閉じたツボミの側面を触ると、中に芯があるというよりも、外側の花弁まですべて芯という感触を受けるほど固い。巻きが見えるものは、ツボミの外側がふっくらと柔らかく、中に固い芯を感じることができます。
切り前が早すぎるとお客様のところで花が開かなくなってしまいますし、遅すぎれば花持ちが悪くなるばかりではなく、輸送中に傷が付きやすくなってしまいます。
そのタイミングは1日の中でも数時間の差。
収穫のタイミングは1日3回、午前7時30分、12時、15時ですが、7時30分の段階で固すぎても、12時に切れることがあります。
つまり、裏返せば、7時30分に切るところを切りそびれてしまえば、切り前のタイミングを逃してしまうことになるのです。切り前はそのくらい真剣勝負。しかも、何百本、何千本切ろうとも全て切り前を揃えなけれればならないわけですからね。
「バラの切り前は判断が本当に難しい!
オランダのミスター・ヴァン・デン・ベルグでさえも難しいと首をかしげるくらいだよ」
しかーしッ!ヴァン・デン・ベルグ・チャイナのバラは最後まできちんと咲き切るのです。
こちらをご覧くださいッ!ファン・デン・ベルク社の花持ち試験室です。
どのバラも見事なまでに揃って120%開花しています。
"ヴァン・デン・ベルグのバラはエレガントに咲き切る!"
この試験室での結果が規格が均一で、信頼の品質である何よりの証拠!
説得力のあるでしょ~!!
あら?これはなんでしょうか・・・ハウスの至る所に見られる赤いシール。シールには番号がふってあります。
「これはここを担当するスタッフの番号だよ。
バラを切ったら、そのロットにこのシールを貼るんだ。そうすると、選別のときに誰が収穫した花かが分かるでしょ」
なるほど、名前のようなものですね。
「もし、そのロットの中に規格外のバラが多かったら、担当者に言って改善指導をするんだよ。だって仕事が早いからってその質が低ければ、意味がないでしょ(No sense!)。だからスピードと質とを総合的に評価する仕組みなんだよ。」
なるほど、もし規格外が少なくて優秀なスタッフさんだったらお給料が上がるきっかけにもなるわけですね。
「その通り!いつもきちんとした切り前のタイミングで収穫した人は、昇給のポイントにもなるんだ」
選別
これがまた難しいポイントのひとつ。
しかも複数の人がやるとなると、基準をどこに置くか、そしてそれをどのように目線合わせをして仕事を均一化するかのが、国内外と問わず、どこの産地さんでもひとつの大きな課題です。
ヴァン・デン・ベルグ・チャイナの場合、
① 茎が曲がっているもの
② 切り前のタイミングが違っているもの(固すぎ、咲きすぎはもちろんNG!)
③ 花弁にキズやシミあり
を確認し、該当するものをはじきながら、長さごとに選別していきます。
選別もまた機械でやるものだとばかり思っていましたが・・・?
「昔は機械で選別していたんだ。
でも、機械のメンテナンスにコストがかかるのと、やはり人の目で見た方が精度が上がる。」
人の目によって、判断の差が出たりしませんか?
「判断の基準は徹底しているよ。
一つはマネージャークラス(中国人)がマニュアルを持っていて、そのマニュアルに従ってワーカーさんたちに指導をするんだよ。
ワーカーさんたちは、新しい人が入ってきた時にきちんと指導係がついて、判断基準を伝授する。」
そしてはじかれたものは、理由別に統計を取って、何がいけなかったかを分析し改善に努めるのです。
ここではPDCAのサイクルが確実に働いているのです。
だからこそ、選別の段階ではじかれるのは全体の収穫量の0.5-1.0%なのだとか!
ぬぁんと、驚異的!ぉお!!(゚Д゚屮)屮
そのお陰で、この統一感。
収穫されたものは、その日のうちに選別、パッキングまでされて、冷蔵庫へ。
冷蔵温度は2度に設定されていますが、ドアの開閉があるので5度までは許容範囲。この管理温度がバラには最適とされています。
そして翌日には全てのバラが圃場を旅立ちます。
You see? 彼らは、very quick, very freshなのです!
ヴァン・デン・ベルグ・チャイナのクオリティはグローバルスタンダードを満たしています。
・・・後編は11月15日にアップいたします・・・