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2015年10月12日
vol.111 北空知広域連様★カボチャをめぐる冒険 第4話
カボチャをめぐる冒険第4話は、まだまだ尽きない北空知のカボチャのうんちく!"これまで伝えきれなかった諸々"についてご紹介いたします。
CHAPTER1 成長街道まっしぐら!~北空知の新規就農者さんたち~
前回までのお話の通り、北空知広域連様は需要の変化に対応してきたからこそ生産拡大に成功してきました。また、逆説的ではありますが需要の変化に対応するために、生産者さんを増やしてきたとも言えるでしょう。
「私は今年1町歩から1.8町歩に増やしたよ。
最初は、生食用で作っていたカボチャの生産者さんを中心に、6軒から始めた観賞用のカボチャ生産だったけど、現在は67軒になった。」とおっしゃる山本さん。
生産者さんの人数も増えていますし、お一人あたりの生産面積も増えています。
みなさま、67軒か・・・と流さないでくださいね。
67軒といっても、ただの67軒ではありません。
前年比150%の伸びの67軒ですよ。今年は新規で25-27件ほど参入されているのです。
このご時世の下、花き生産でこれほどまでの伸びを見せる品目はそう簡単に見つけることはません。
相変わらずカボチャ色のタオルを首にかけた佐藤さん曰く、
「異様ですよね(笑)」←嬉しそう
それだけカボチャ生産に魅力があるということでしょう。
初期投資を抑えつつ、一定の収益が見込める農産物として、鑑賞カボチャという選択肢はとても魅力的です。
水稲など自分の主力品目と並行しながら、サブ品目として着手できるなど、スタートしやすい条件がそろっているということも理由の一つでしょう。
そしてぬぁんと偶然にも取材中にカボチャを農協の集荷所に持ってきてくださった若手跡継ぎさんと新規の生産者さんにお会いできました!
こちらは日本のハロウィンを支える北空知の若手後継者、土田さん。
ププーッと軽トラにプッチーニを運んで、慣れた手つきで荷降ろしを行います。
「北空知はカボチャ作りもうまいけど、イケメンもたくさんいるんだ」と誇らしげな佐藤さん。
なぬッ?!イ、イケメン?( ̄ー ̄)ニヤリ
土田さーん、お仕事中すみません。ウン探読者の皆様にご紹介したいので(あるいは、自分の目の保養が本来の目的か?)、少しだけこちらを向いてください!
「はい、土田です」
ぬぁ~んと爽やかスマイル★
間違いなくイケメン!迷彩柄のお帽子と秋色のつなぎが良くお似合いです。このような方が作っていらっしゃると思えば、カボチャを見る目も変わってくるというものです。
もう1軒、ププーッとワンボックス車でご登場されて、カボチャを降ろす方が・・・。
「私はやめて~!」と笑顔で小走りされるお母さま。
今年からカボチャ生産を始めた新規の生産者、岩田さんです。ぬぁんと、この日が岩田さんにとって人生カボチャ初出荷!
ドキドキのうちに荷を降ろし、佐藤さんの顔色を窺います。品質、選別、梱包等、いかがでしょうか・・・。
「岩田さぁん・・・」とため息交じりで佐藤さんが語りかけます。
不安そうなまなざしの岩田さん。
傍で見ているこちらもドッキドキです((o(б_б;)o))dokidoki
まるでクイズミリオネアでファイナルアンサーの後、みのもんたさんの「タメ」をじっと待っているかのようなバックバクの瞬間。
佐藤さん、いかがでしょう。そろそろお答えを・・・
「カンペキ」
ワーイ!「カンペキ」をいただきました!
佐藤さんからお墨付きを得て岩田さんは大喜びです。・・・ていうか、ウン探が大喜び。
「これまでお米生産ばかりで、こういうの出荷したのは初めて!」
と岩田さん。カボチャ生産はいかがでしたか?
「楽しかった~❤
だんだん大きくなっていったり、オレンジに色付いていったり、生長とともに変化する姿を見るのが、本当に楽しかった。」
北空知には頼もしい生産者さんが続々登場しています。カボチャ生産はまだまだ成長路線まっしぐらです!
CHAPTER2 物流改善と多機能パッケージ
こちらは北空知広域連さんのおもちゃカボチャ用共通箱です。
しかしこの箱、オバケっぽいおじさんの顔が書いてあるただの箱ではありませんぞ。実は"しかけ"がたくさん。
商品を保護する役割、積載効率や持ち運びが考慮された形・・・まではほかの梱包と同様ですが、北空知が違うのは次のポイント。
①ハロウィンのあれこれを伝えた情報媒体でもあること
ふたの耳には、このような情報が記載してあり、情報伝達型の梱包箱と言えるでしょう。一つ一つの箱にハロウィンについて説明書を入れることなく、それと同様の効果を提供できています。同じパフォーマンスでありながらコスト削減にもつながっているのです。
②店頭での陳列の手間を省く作業効率を考えた便利な什器としての機能を備えていること
↓ミシン目で切って折り立てると、ポップアップ式に立体的な什器に変身!
量販店や小売店さんなど、販売に忙しい方々が展示で過剰に時間を割かれることのないようになっています。
これはかなりユーザーフレンドリーなしかけですね。
③ハロウィンパーティに活用できるカボチャのお面付き!"体験"を提案するパッケージ
コチラもミシン目で切り取ると、お面や室内装飾としてチョックラ使えるカボチャグッズ誕生。まさに楽しいハロウィンを提案する遊び心満載の梱包箱。運んでいるのは、カボチャだけじゃないんです。
④もちろん自産地のPRも忘れない署名入り
一口に北海道といっても言っても広いからネー。やはり「北育ち元気村」という場所を覚えてもらわないと。そのためには、こーゆー情報って重要。
たった6面しかない箱(耳を入れれば8面ですが)のはずなのに、もうなんだかスンゴイしかけw( ▼o▼ )w
シャレオツな展示什器でもあり、消費者に対してもアピール力の高い広告&情報媒体でもある、まさに多機能パッケージなのです。
ハロウィンの後はおもちゃ収納箱として使っちゃえば!って思ってしまいますが、いずれにしても極めて高い付加価値のあるパッケージと言えます。
これはかなりの優れモノです
CHAPTER3 意表を突くカボチャたち ~今さらだけど知っておきたい彼らの本当の性質~
★"ファイト一発ッ!" カボチャのクルクル
よく見るとカボチャにも電話線のようなクルクルヒゲが出ていることがわかります。
持ち上げようとすると、地面やほかの蔓にしっかりと絡まり、意外と力が必要。無理して抜こうとすると、地面から離れるより先に蔓が切れてしまう。
佐藤さん、な、なんですか、コレは?
「巻蔓(まきづる)だよ」
カボチャにとって必要なんですか?
「それが必要なんだ。これで自分の身体がグラグラと動かないように、ほかの誰かにつかまるんだよ。
地面に自分自身を固定したり、実際地面に刺さるように伸びていくんだけど(!)、ほかのものと絡んで、自分自身を固定するんだ。」
そんな性質があるのですね。カボチャにとっては蔓の伸長が安定するんですね。
「私たちにとってもカボチャの実が動かなくなるから、地面に擦れてできる傷を減らすことができる」
わー、これなんて、あっちとこっちの蔦のクルクルがお互いに絡み合っている!
崖に落ちそうな仲間の腕をしっかり握ってなさない"ファイトーッ!一発ッ!"の絡み合う腕のようだわ!
よーく見てみると、クルクルだけでなく、なんだか蔓の途中から根も出ている??ナンデ?
「これを不定根(ふていこん)というんだ。
株元の根ではなく、本来の根の場所ではない(不定期な)ところから出ている根だから不定根。
こうして伸びた蔓のからも発根するから、株元から切り離されたとしても先端の植物体だけで生きていけるんだ。」
ンわッ!スゴイ生命力。フテイ植物だ!
いや、だからこそ栄養価の高いカボチャができるというもの。日本でも戦時中は食糧を確保するために、
「何が何でもカボチャを作れ! 必勝食糧 絶対確保!」
と東京都がポスターまで作って、カボチャの生産を奨励したものです。生産からここまで見てくると、「何が何でもカボチャを・・・」と言っていたのもうなづけますね。
★カボチャのトゲ
痛ッ!(@_@;)!!
カボチャの葉に触れてみたものの、あまりの痛さにびくっとして、腕を引いてしまいました。
よくみると、指に小さなトゲが刺さっているではありませんか!
葉の裏や茎からはトゲが・・・!
しかも結構キツイとげ。なにやらピラニアの口の中を見ているみたい。・・・見たことないけど。
美しくないものにもトゲがあるんですか?
「そうなんだ、カボチャには茎にも葉にもとげがあるんだよ」
しかも結構大きくて鋭い。これ、どのように対処するんですか?
「作業の時は革の手袋と、腕抜きと呼ばれる腕カバーを装着。しかも2枚。
そのくらいしないと、刺さるし肌が荒れるし・・・
でも、収穫の時など夢中になって顔を突っ込んで仕事をしているうちに、顔にトゲが刺さっちゃったりするんだけどね(笑)」
うわ~、アタタタッ(ノ◇≦。) !!(痛)
すると突然佐藤さんが・・・
「あ、ヘビ」
どれどれどれ・・・(」゚ロ゚)」(。ロ。)ドコドコ??
ぎょえーーー!Σ(=д=ノ)ノ
ウンわーーーッ!ヘッ、ヘッ、ヘビじゃ! 逃げろーーーーーε=ε=ε=┌(;*´Д`)ノ
っと逃げた先には、ヘビの抜け殻が∑(゚m゚=)!!ドキッ
ヘビも出るし、鹿も出る。ハロウィンになったらオバケも出んのかな~ ~(m´ρ`)mヒュードロドロ
鹿には電流鉄線で対応していますが、何しろ生産者さんは生産そのもの以外においてもいろいろと大変なのです。
それなのに、自らは大変だと決して口にせず、笑顔でカボチャへの思いだけを語る。生産者さんたちには本当に頭が下がるばかりです。
CHAPTER4 みんなが知りたいQ&A集!"もっと知りたいこと"
Q1:北空知さんの今年のカボチャの作柄はいかがですか?
A1:「まあまあ」(ニコッ^^)
と佐藤さん。
昨年は、収穫期の長雨で空前絶後の大不作に悩まされたといいますが、それに比べたら、今年は順調ということですね。皆様からのご出荷を楽しみにしていますよ!
Q2.:カボチャって野菜じゃないの?どうして花き市場で販売されているの?
A2:口に入れずに見て楽しむ観賞用の植物をすべて「花き(かき)」といいます。
その植物に花がついていなくても、例えば葉物、枝物、根だけのもの、植木盆栽類、芝、カボチャもす含め、口に入れずに見て楽しむ植物は「花き」として、花き市場で取り扱われるのです。
ですから、ハロウィンのカボチャのように、見たり、触ったりして楽しむものは、「花き」の分類となり、大田花きのような花き市場で取引が行われます。
Q3:ハロウィンのカボチャを買って、タネを採ってまいたら、来年同じカボチャがたくさんできる?
A3:Yes and Noです。
できるときもありますが、観賞用の花きは見た目が良いように交配してあります。
タネをまいても、その親の血が強くて、どちらかの親の姿が出てしまう可能性大きいのです。
あるいは、近くで別のカボチャを栽培していることがあれば、交配する可能性も。
しかし、その姿に拘らなければ、タネをまいて収穫すればカボチャの実は成るので、面白いかもしれません。4月ころに播種してみてくださいね。
Q4:生花店を経営していますが、10月になってから注文しても大丈夫?
A4:ハロウィン直前の急なご要望には、お応えしきれないことがあります。
夏から計画的に生産して、収穫して、洗って、磨いて、風乾してという行程を踏み、出荷できる量は決まっているのです。
注文を受けてから、圃場にあるものを切って、出荷というわけではないので、是非十分余裕を持ってオーダーしてください!
北空知広域連様からのお知らせ
「北空知広域連からはカボチャだけではなく、これからスズバラにダリアにナナカマドなどをはじめとした秋素材、ハロウィン素材が今が旬とばかりにたくさん出荷されています。
是非北空知広域連のカボチャとともに、楽しいハロウィンをお迎えください。」
北海道から「カボチャをめぐる冒険」シリーズは、次回第5話は舞台を「片桐農園様」に移してお伝えいたします!