2008年4月11日
vol.56 津ヶ谷洋らん園 切花シンビジウム
切花シンビジウム生産 二代目シリーズ その3
羽衣洋蘭園さんから更に足を伸ばして同じく静岡県の津ヶ谷洋らん園さんまで参りました。
津ヶ谷さんは浜名湖至近の三ケ日という所にあります。
浜名湖を左に見ながら高速をかっ飛ばしましたが、地図でよく見ると・・・
↓静岡県全体
ほとんど愛知じゃん!
浜名湖を見ながら走っていたわけですから、そりゃそうですよね。
取材させていただいたのは、シンビ生産二代目の津ヶ谷守言(つがや もりこと)さんです。
シンビを通して自己表現される津ヶ谷さんの魅力を余すところなくお伝えします。
じっくりとご覧ください。
後編はこちら↓
27歳で始めたパラグライダーはあっという間にパイロット免許まで取得。
最近はご多忙のためお休みということですが、またいつか始めたいとおっしゃっています。
また第2編には登場人物もたくさん!
お花屋さんや消費者の皆様へのメッセージも収録してありますので、お見逃しなく!
【出荷前に独自で水あげ】
津ヶ谷さんはOTAから遠隔地に転送されることを考えて、また転送された先のお客様のことを考えて、あえて出荷前に水あげをされています!
津ヶ谷さんのところから出荷されて、市場に行って、またそこから地方に転送されて、お花屋さんに買われて店頭に並んで、一般の消費者に届くまでの長い道のりを考えると、
「キャップの水だけじゃ足りないから。」
「最後の消費者のところで数日は必ず咲いていなければならないわけでしょ。
輸送中に咲いていても、お客様のところに着いたらキャップの水がなくなって枯れちゃった・・・では意味ないよね。」
・・・とあくまでも消費者の皆様第一にきめ細やかな心配りをしてくださっています。
そんな心配りは、コダワリを持っていらっしゃるお花屋さんにはきっと伝わるはず。
津ヶ谷さんのパッケージはこちらです。
津ヶ谷さんは、若い人にもっとシンビを見てもらいたいからと、浜松のクラブで、自ら花を挿したりもしています。これも一般消費者の皆さんへ花育の一環ですね。
「クラブで花を挿すのも自己表現のひとつであり、シンビの魅力を引き出すツールです。それにシンビジウムを自分で使ってみたらよく分かるでしょ。」
ちゃっちゃと究めてしまったパラグライダーの次はサッカーにハマっていらっしゃるようです。
現在は週2回サッカーの練習に加え、なんと写真を始めちゃいました!目下勉強中のようです。
・・・とプロっぽい大きなカメラを見せてくれました。カメラもまた自己表現の一つの手段ですね。
津ヶ谷さんが撮影した美しいシンビの数々をゆっくりとご堪能ください。
(You Tubeだからちょっと画像が粗くなってしまっているかも・・・)
花作り、いや物作りはなんでもアート。魂を込めればアートになる!シンビ1本1本は花材ではなく作品!一つ一つ魂を込めるべし! シンビジウムは自己表現のツールの一つ!ツールは一つに限らず、複数持つべし! 農業の永遠のテーマは草取り!雑草の生えないところにランは生えない。農業に携わる限り、永久に雑草と格闘すべし!(工夫すべし!・・・かな) シンビの品種選抜は・・・ 採花後も細心の心配りを!輸送中にキャップの水が切れてしまわぬよう、出荷前に水あげすべし!
◆津ヶ谷洋らん園の格言◆
? 作業の効率性が良い物(茎がすっと立ち上がってくるもの)
? 生産性(一株からの花立ち)の良い物
? 色や形などの見た目、病気に対する丈夫さ
などの観点から行うべし!
モットーは“真魂勢乗楽道” 意味は推して知るべし!(いやいや、VTR内で説明していますから!)
←津ヶ谷さん作
◆津ヶ谷守言さんのつぶやき◆
買ってくれたお客様のところでどのくらい花保ちするかこそ大事だよね・・・。
売ったらオシマイじゃだめでしょ!花をもらって怒る人はいないわけだし、もらった瞬間は嬉しいわけだからそこから何日持つかはポイントだよね?。
もうそろそろタバコ止めようかな・・・(!)
だって、サッカーするときは22歳と一緒に走ってんだよぉ!
・・・ところで津ヶ谷さん、藤岡市洋蘭組合の名サッカープレイヤー中山さんを「藤岡のジダン」と呼んだのは津ヶ谷さんですが、津ヶ谷さんはプロに例えると誰になるのでしょうか?
中山さんが藤岡のジダンなら
津ヶ谷さんは「静岡のロナウジーニョ?」トッポジーショ??
◆うんちく探検隊の結論◆
静岡県は三ケ日でシンビを生産する津ヶ谷守言さんは、アーティストなのでした!
しかもサッカーもパラグライダーも得意。きっとハマったらなんでも一生懸命やって、究めてしまう方なのだと思います。
津ヶ谷さんの品種はコチラ
http://www.otakaki.co.jp/topics/2008/200803/cymbifair.html
【おまけ?】
津ヶ谷さん的目線
「デボン」のロックンローラー、リーゼント風
・・・「ツッパリみたいでかわいいでしょ♪」(津ヶ谷守言さんの言)
ホント、何かを話し掛けてきそうです。
毎日多くのシンビを見つめているからこそ見える、アーティスト津ヶ谷さんならではの視点なのでした。
【おまけ?】
浜名湖の写真です。
浜名湖の夕焼け
夕焼けに浮かび上がる山稜
浜名湖の空(夕焼け × 飛行機雲)
2008年3月31日
vol.55 羽衣洋蘭園 切花シンビジウム
切花シンビジウム生産 二代目シリーズ その2
切花シンビジウムを生産する二代目さんを求めて、ふらふらと静岡まで放浪してきてしまいました?。
ここまで来たからには目指すは静岡県清水市の羽衣洋蘭さん!
羽衣洋蘭園さんは、ここ清水市と八ヶ岳で施設栽培をしていますが、このたびは清水市の方にお邪魔致しました。シンビジウムを始めたお父様の渡辺徳三さんを引き継ぎ、二代目の渡辺正義さんに直撃インタビュー!
・ シンビジウムをやっていなかったとしたら、何をしていたか。
・ 渡辺さんは花を何として捉えているか
・ “渡辺”さんなのに、なぜ「羽衣」洋蘭園なのか
などに注目してご覧ください。
VTRでもおっしゃっていたように、ここ清水市はご存知の通りミカン生産が盛んで、渡辺さんのところでもミカン栽培をしていました。
ところが1970年代、・・・
渡辺さんのお父上の渡辺徳三さんがお祖父様から引き継がれた頃は、ちょうどミカン需要に限りが見えてきた事に追い討ちをかけるように、アメリカからのオレンジの輸入が解禁となり、ミカンの生産者にとっては苦しい時代が到来しました。お父上はその情勢を見つつ、・・・
何か別のものを作っていきたい→『花がやりたい』→「ランを栽培したい」という思いから、シンビジウムに辿り着いたそうです。
農業が盛んだった清水市で、当時はまだ「花は女がやるものだ」という偏った見方が強かった中で、ご自身の考えを通してシンビ栽培に転換した渡辺さんのお父上に先見の目があったというわけです。これこそまさにシンビを見抜く、審美の眼!!
第2編はこちら↓
・ガシガシと鉢を突付くきれいなお姉さんたちは何をしているのか
・消費者の皆様へのメッセージ
などが収録されています!お楽しみに!
渡辺さんのお宅の周りの山は岩山で、岩盤が露出しているほど。
常に水で濡れているせいか、岩盤のいたるところが苔むし、何とも言えない良い情緒を醸し出していました。そして、なんとなんとその岩盤の間からシランが自生しているではありませんか・・・!
既に花も終わり、種も飛んでしまった後の残骸でしたが、季節柄、その足元から数々の新芽が誕生していたのです!
渡辺さん曰く、このあたりはモリアオガエルという絶滅危惧種のカエルちゃんが出没するのだとか。
イモリも出現するということですから、清水だけに水がきれいなんでしょうね(あ、またやってしまった、オヤジギャグ・・・^_^;)。
花はアートなり!デザインとして捉えて生活の中に取り入れるべし! 羽衣洋蘭園さんの品種はこちらhttp://www.otakaki.co.jp/topics/2008/200803/cymbifair.html URL http://www.eps4.comlink.ne.jp/~hagoromo/ 渡辺さんのブログhttp://hagoromo.livedoor.biz” 【おまけ】 この藤岡で見つけたヨーヨー・・・渡辺さんのところには2種類ありました。 そう、イタリア製でした。 渡辺さんのところにあったのはイタリア製(右)と台湾製(左)。 切花シンビジウム生産 二代目シリーズ その?
・・・羽衣洋蘭園の格言・・・
花は思いを伝える手段。ここぞということきに花を使って、素直に思いを届けるべし!
シンビは発色が命!発色は遮光が左右するため、遮光の手段を工夫すべし!夏場の夜温もしっかり下がる環境を選ぶべし!
他業界の人の方が花を様々な角度から捉えて、愛でるのが上手!?他文化の人たちとコラボして、アメーバのように花文化を広げていくべし!
藤岡のヨーヨーはどこ製だったか、覚えていますか?
なんと性能が違うらしく、シンビの品種の特性によって、この2種類を使い分けているんだそうです!
その違いは・・・
イタリア製→吊る力が強い
台湾製→ヨーヨーのバネがゆるい
従いまして、比較的茎が曲がりやすいものは吊る力の強いイタリア製を、まっすぐ伸びてくれるものは台湾製を使用しているのです。
まっすぐ伸びてくれるシンビに吊る力の強いイタリア製を使うと、蕾を持っていかれてしまうことがあるそうです。まさに適材適所ですな^?^!
【豆知識】
ここ清水市にある清水港は、「河岸(かし)の市」といって、冷凍マグロの漁獲高日本一を誇ります。2008年3月25日
vol.54 JA多野藤岡 藤岡市洋蘭組合 切花シンビジウム
ちょっと待って・・・
ここ、どこ??
あまりの天気の良さに会社を飛び出し、ナビも使わず、何も考えずにアクセルを踏んでいつのまにかこんな静かなところに来てしまったが、一体ここはどこなのか?
確か関越自動車道に入って左に富士山を見ながら北上して・・・
そのうちに浅間山を見て、右前に赤城山、左前に榛名山を見て・・・
(浅間山)
上越道との分岐で長野方面にハンドルを切った・・・
藤岡・・・?
よもやここは、私の生まれ故郷ではないか!?
ではこの際、藤岡で切花シンビジウムを出荷し、全国にその名を轟かせる藤岡市洋蘭組合を訪問してしまいましょう!
ハイ、出ました再び?三度(みたび)??「鶴舞う形の群馬県」←このフレーズ、ウンチク通のあなたなら、耳にしたのは初めてではないはず!
鶴に見えてきましたか?
この形が「鶴が舞う形」に見えてきたところで、藤岡市の場所を学習しましょう!
藤岡市はここです!
まさに隣接する埼玉県との県境に位置します。
関越をぴーーーーーと北上して埼玉を抜けるとすぐ藤岡JCTがあり、新潟と長野に分かれます。
ここで長野方面に行くとすぐ藤岡インターあり、藤岡市洋蘭組合はこの藤岡にあるのです。
藤岡市洋蘭組合は全部で9名。
まずは二代目で副組合長を務めていらっしゃる中山聡さんを訪ねました。
中山さん、あれ??以前どこかでお会いしたことありましたっけ?
「ありません」
え?あ、あは^_^;・・・そ、そうーですよねぇ?。ありませんよね、もちろん。あはは(汗)。
初めてお会いしたはずなのに、そんなことを思わせない中山さんの笑顔に、ついつい必要以上に親近感を感じてしまいました・・・すみません。
では、早速こちらのVTRをご覧ください。
・ なぜ「切りのシンビ」なのか
・ シンビと話ができるとしたら何を話すか
・ シンビの前の栽培品目
・ ハウスの中の不思議ちゃんたち
などに注目しながらご覧ください。
中山さん、「サッカー選手」を連発していらっしゃいましたが、何を隠そう中山さんは幼少期からの名サッカー選手!藤岡では小学校からスポーツ活動が盛んで、私の小さい頃もサッカーのみならずテニス、卓球、バレーボール、ミニバスケットなど、小学生ながらみんな毎日練習していました。
中山さんのサッカー好きは全国に響き渡っていて、なんとは同じくシンビジウム栽培系アーティスト兼名サッカープレイヤーである津ヶ谷さん(静岡県)曰く、「中山さんは藤岡のジダンだからね!」と。
あーーーー、決して間違えないでください。そう言ったのは津ヶ谷さんです!私ではありません。
VTRの中で中山さんがおっしゃっていた通り、シンビジウムは成長までに本当に時間がかかります。
新芽が出て、培養でふやして、フラスコ苗で1年、鉢上げしてデビューまで3,4年・・・
つまり、「これを作ろう!」と着目してから、最低5年かかるわけです。
?培養のフラスコから出して1ヵ月すると、このように根が出てきます。
?5ヶ月でこんな感じ
?丸2年経ちました
?3年目で花が付くようになります。・・・が! 本格出荷は充分に栄養を蓄えて、成熟した美しさを備えた4目以降です。
また、中山さん曰く、本格出荷は4年目以降、できることはできますが、その品種の本当の特性を掴むためには、そこから2年必要ということです。
ここまで最短でも合計で6年!
シンビジウムの栽培は気のなっが??????い作業なのです。
「シンビジウムの栽培をやっていると、自然に気が長くなるね・・・」と中山さん。
中山さんが出荷用として持っていらっしゃる品種数は約70品種、藤岡市洋蘭組合全体では110品種、細かいマイナー品種まで含めれば、なんと150品種にものぼります。
・・・なぜこんなにたくさんの品種を持っているのか?
それも生長の遅いシンビジウムを扱う藤岡の方たちが、多様な需要や時代の変化に柔軟に対応できるよう、常に品種数を持っている必要があるのです。これも藤岡市洋蘭組合ならではの対策。
それではここで「藤岡市洋蘭組合 第2編」をご覧ください。
組合を支えるもう一人の副組合長関根洋一さんと組合最年少の中山一真さんが登場します。
・ シンビジウムの花の魅力
・ 栽培期間が長いシンビ、2008年の開発品種
・ 消費者の皆様へのメッセージ
などにご注目ください。なんとパフィオも登場しちゃいます!
インタビューした二代目の3人が口をそろえておっしゃっているように、お父様がたちが皆さん楽しそうに生産をしていたそうです。その姿を見て、みなさん迷うことなくシンビの生産を継承されました。
組合9名のうち6名が二代目で、20代から30代だそうです。
ここでも若いバイタリティと発想力が支えているんですね。
また、藤岡では独自で「花育」にも力を入れています。
ここ藤岡はトマト・イチゴ・シンビ
の生産が盛んです。・・・確かに小さい頃からトマトとイチゴの農家へよく買いに行きました。
「トマトとイチゴは身近で良く食べる物だから、子供でも誰でも知っていると思うんだよね。
だけど、シンビジウムって藤岡の子供達は聞いたことはあったとしても“触ったり”、“使ったり”することってあまりないでしょ!?」と中山さん。
そこで、藤岡市洋蘭組合を挙げて、地元の小学校で花育活動!
卒業式に胸に付けるコサージュ用のシンビを贈呈、コサージュの作り方を伝授して(若手の中山一真さん出動!)卒業生が一人ひとり自分の分を作成しました。
こうして作ったコサージュを将来の夢と共に自分の胸に付け、毎年学び舎を巣立っていくのです。
藤岡市洋蘭組合格言
時代のニーズに合わせて、商品開発を続投すべし!
農業は気長に!シンビの生長も気長に見守るべし!
生長の遅いシンビジウム、柔軟に時代のニーズに対応できるよう、ある程度の品種数を確保するべし!
生産は楽しく行い、後継者を育てるべし!
特産はまずお膝元から広めるべし!地元での認知度を花育で高め、将来の日本を担う若者達に、花の素晴らしさを伝授すべし!
藤岡市 裏格言
たまには里帰りすべし!皆さん、故郷を忘るべからず!
上毛三山(赤城山・榛名山・妙義山)を拝んで帰るべし!
山の神々がきっとあなたを守ってくれます!・・・ちなみに、毎年元旦に行われる実業団のニューイヤー駅伝は上毛三山を見ながら走る100kmコースになっています。
藤岡市の清流“神流川”(かんながわ)で釣りを楽しむべし!
アユをはじめとし、ヤマメやイワナ、カジカなどが釣れます。足場も良いので女性やお子様、初心者の方も気軽に釣りを楽しめます。
釣りの後は温泉に入って帰るべし!藤岡周辺は温泉がたくさん!
このコースをインプットしたら、みんな藤岡を訪れるべし!
藤岡市洋蘭組合のURLはこちら↓
http://www.shimizuyoran.gr.jp/fujioka/top.htm
藤岡市洋蘭組合の品種はこちら↓
http://www.otakaki.co.jp/topics/2008/200803/cymbifair.html