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2009年10月 4日

ハロウィンのカボチャたち

10月31日はハロウィンです。由来はともかくとして、このシーズンは街中あちらもこちらもハロウィンの文字。当然かぼちゃも大活躍です。

大田花きでは9月28日にかぼちゃ大市を開催しましたが、今日は大田市場内、関連資材店で見かけたハロウィンの小物たちをご紹介します。

レースバスケット
レースバスケット (参考上代¥1500)

ムービングオバケツリー
ムービングオバケツリー (参考上代¥2800)
音に反応してくねくね動きます!

ジャンプ!ウィッチー
ジャンプ!ウィッチー (参考上代¥2800)
これも動きます!

パンプキンライト
パンプキンライト (参考上代¥2600)

フレーム
フレーム (参考上代¥2000)

ミニパンプキン4set
ミニパンプキン4set (参考上代¥1000/個)

ミニパンプキン12set
ミニパンプキン12set (参考上代¥980/個)

パンプキン(大)
パンプキン(大) (参考上代¥2000)


この他にも、まだまだご紹介しきれなかった、花材・小物たちが一杯でした。これからのハロウィンシーズンの盛り上げ役として大活躍間違いなしです。

(取材協力 セロン大田店)

2009年9月27日

柊木犀 ?妖艶なる夢魔のいざない?

昼間の気温も涼しくなり夏の終わりを感じる季節となりました。

毎年この季節になると、どこからともなくお馴染みの香りが漂い始めます。これは金木犀(キンモクセイ)という花の香りで、澄んだ青空の下、この香りを嗅ぐと運動会や文化祭を連想し、秋のイメージが強まります。また日本人の大半は、金木犀の香りや稲刈りを終えたあとに残るもみ殻を燃やす煙の匂いで秋を感じ取るといわれています。

【金木犀 キンモクセイ】
金木犀の花

◆ モクセイ科
◆ 中国原産
◆ 9月の終わり?10月の始めにかけて開花
◆ 花言葉は 謙遜・初恋・真実
 
一昔前までトイレの芳香剤として人気だったため、消臭のイメージがありますが、香りには癒しとリラックス効果があり、眠気を誘うといわれています。また、乾燥させた花は桂花と呼ばれ、それで淹れたお茶桂花茶はダイエットに効果があると話題になりました。

このように魅力的な金木犀ではありますが、この花が咲き終わり散ってから約半月後、公園や住宅街の一部で、金木犀とは違う上品な香りが漂う場所があります。周りを見渡しても金木犀は散っているし・・・花の香り?、香水の匂い? と、皆さん不思議に思うかも知れません。

実はこれは柊木犀(ヒイラギモクセイ)という花で、香りの質は金木犀を遥かに上回るといわれています。

【柊木犀 ヒイラギモクセイ】
柊木犀の花

◆ モクセイ科
◆ 柊と銀木犀の交雑種
◆ 10月中旬?11月の始めにかけて開花
◆ 柊木犀に花言葉はなく、柊の花言葉 先見の明・用心・歓迎 が使われる
◆ 銀木犀との違いは? 
・銀木犀・・・花の色はうっすらと柔らかい黄を帯びる、葉の切れ込みが少ない、香りは金木犀に近い
・柊木犀・・・花の色は純白、葉に鋭い切れ込みがある、モクセイのなかで最も開花が遅い

上品で艶やかな香りには高いリラックス効果があり、安眠にも期待大。鋭く尖った翼のような葉と、辺りを魅了し眠気を誘う妖艶な香りは、まるで夢魔のようなミステリアスさも感じさせます。トップクラスの芳香による悪魔のお誘い、皆様ぜひご堪能ください。

(む)

2009年9月13日

若者の新たなる花文化

若者の花に対する関心が薄れている中、とくに若い女性の花離れが深刻となっています。
この現象がはっきりと見て取れるのが東京丸の内フラワーウィークスで、今年は日本最大級のフラワーイベント「ジャパンフラワーフェスティバル2009」も同時開催されイベント中の来場者は約35万人とかなりの大盛況。

しかし来場者の約7割が40?50代の女性、そのほか家族連れや会社員などで20代の女性は少数、さらに中高生は数えるほど、開催初日は若いカップルも目立っていましたが2日目以降は・・・。2008年度よりも明らかに若者の来場者は減っているように見受けられます。

開催がまだ2回、そして事前報道の少なさによる知名度の低さ、ビジネス街が舞台ということで、ある程度は仕方ないようですが、同じく丸の内で開催されている東京ミレナリオと比べると若者の差は圧倒的、こちらは8割以上が10代・20代のカップルが中心。
東京駅周辺という同じ土俵で開催されていながら、花の祭典と光の祭典これ程まで差がでるとは・・・。2010年はフラワーウィークスも夜7時から展示を華麗にライトアップさせ、カップルや仕事帰りの女性に楽しんでもらう必要性があるのかもしれません。

時代の流れとともに薄れていく花への意識ですが、若者が全く花を見なくなった訳ではなく、観賞の仕方自体が変わりつつあるようです。その一つに携帯電話の待受け画像が挙げられます。

現在、国内では高い普及率の携帯電話ですが、花の待受け画像は若い女性を中心に人気が高く、カテゴリー別ランキング等でも年間を通して比較的上位にあるようです。

待受け画像として人気のある花を紹介します。

【コスモス】
コスモス
幅広い世代に年間を通して人気、コスモス畑の画像はとても多数、青空をバックに畑に敷き詰められたコスモスはまさに圧巻。花を拡大した画像はとても清楚で、秋桜の名に恥じない素晴らしさ。

【ガーベラ】
ガーベラ
待ち画として若い女性に大人気、最も花らしい花といわれ形・色彩ともに完璧、豊富なパステル色も魅力
花瓶に活けて良し、ブーケにして良し、ガーベラのアレンジだけで多数の待ち画作成が可能。淡いオレンジとブルースターを組み合わせたウェディングブーケの待ち画はかつてダウンロード数1位を記録したほど。

【モミジ】
花ではないが最近人気上昇中、京都や奈良の色鮮やかな紅葉画はパソコンの壁紙でも人気が高い。紅葉狩りの記念写メを、そのまま待受けとして使用するケースが多い

これ以外でも桜や藤といった日本古来の花が今年は人気。薔薇・菊・カーネーション・百合といった切花の主要品目は携帯電話の待受け画像としてはあまり使われていないようです。

インターネットから手軽に写真をダウンロードし、携帯で持ち歩ける今、「鑑賞」の仕方に合わせた提案も必要なのかもしれません。

(む)

2009年8月30日

十六夜に香る夜来香

若干涼しくなってきてしまいましたが、今回は真夏の夜に香る花、【夜来香(イエライシャン)】を紹介します。

夜来香はインドやベトナムが原産のつる性植物で、7月?10月にかけて淡い黄色の花を房状に咲かせます。つる性植物の特性上、行灯(あんどん)仕立てが容易で、一般には4?5号鉢の行灯仕立てで販売されています。

真夜中に香る芳香花の代表種と言われており、その強さは遠く離れていても風向きによっては香りがはっきりとわかる程の強香、高温多湿の日は昼間でも良い香りを放ちます。

また李香蘭が歌った中国の歌謡曲として知られており、最近では李香蘭の半生を描いたドラマやドキュメント番組が放送され話題となりました。

夜来香は真夏に見頃をむかえますが、最近は夜になっても気温が下がらず高温多湿になりがち、これでは香りが強すぎて少々キツくなってしまいます。幸い夜来香は開花時期が長めの植物、10月上旬涼しくなる十六夜の頃がもっとも幽玄な香りを漂わせます。

ところで、部屋に置いてあるサンセベリアが9年目にして花を咲かせましたが、深夜起きてみると部屋中が今までにない香りに・・・。
どうやらサンセベリアも真夜中に香る芳香花のようです。


(む)

2009年8月23日

葛 ?咲耶姫の如し?

古の時代より日本人に親しまれ、秋の到来を知らせる植物があります。

・ 女郎花(おみなえし)
・ 桔梗(ききょう)    
・ 葛(くず)
・ 薄(すすき) 
・ 撫子(なでしこ)
・ 萩(はぎ)
・ 藤袴(ふじばかま)

上記の草花は秋の七草と呼ばれ万葉集の歌人山上憶良(やまのうえのおくら)が詠んだ歌の中に登場する植物として知られており、その古風な姿から主に観賞用として楽しまれています。毎年1月7日に食する習慣のある春の七草に比べ、一般にはあまり知られていない秋の七草ですが、花の業界では重要品目であり、花を扱う私達にとっては馴染みの深い植物です。

これからの季節、女郎花・桔梗・葛・薄・撫子・萩・藤袴どれもよく耳にする名前ではありますが、この中で、【葛 (くず)】という植物、名前だけ聞いてもピンときません。

・ 『葛? ・・・どんな木だっけ』
・ 『そんな花あるの?』
・ 『名前は聞いたことあるけど・・・どこに生えてるの?』

人によっては『見たことも聞いたこともない』そんなイメージがある植物ですが、此処に秋の七草の不思議があります。

実は私達が一番よく知っていて、最も馴染みのある秋の七草こそが葛なのです。そしてこの葛、皆さんも知らずの内にかならず目にしているはず、それもほぼ毎日のように・・・。これは葛が雑草の中の雑草と呼ばれ、最も駆除が困難な蔓性植物として今や日本中の空き地を覆い尽くしているからです。

葛
(大田花き周辺も例外ではなく、前を流れる運河沿いの空き地は今では葛畑です)


雑草として扱われ厄介者の葛ですが、花の美しさは七草の中でも最高峰と言われ、また散り際も早い植物です。例えるなら ?花の命は短く儚い、木花咲耶姫のように? 桜ではなく、まさに葛のためにある言葉ですね。

葛の花

さらに葛は隠れた芳香花、香りの強さ・品格は同じマメ科のスイートピー、藤、クララとは比較になりません。嗅いだ印象としてはぶどうジュースやファンタグレープそっくり、期間限定ぶどうの香りがする芳香花です。

また葛はとても利用価値の高い植物、くず粉・くずきり等は全て葛の根を使用したもの、そして葛根湯とは、その名の通り葛の入浴剤です。

これほど優れた葛が秋の七草として、切花として表舞台に立てない訳、それは葛がマメ科であるが故に、花が早く散ってしまうということ、これは同マメ科の萩にも言えることです。あとすこしで9月、葛の開花時期が近くなってきました。皆さんも葛の花を見つけて香りを堪能して下さい。

※カメムシが付きやすいのでご注意を。


(む)

2009年8月 9日

ポピュラーハーブ 「ミント」

今回はハーブの代表種【ミント】を紹介します。

ペパーミント

ミントの仲間は大きく分けてミントと和ハッカに分けられますが、現在の市場入荷の主流はミントの仲間で、国内でアレンジやハーブティーに使われている品種のほとんどはミントの仲間を使用しています。和ハッカは精油の原料として北海道の一部で栽培されていますが、切花としての流通は少ないようです。

切花としての歴史は浅いミントですが、他花材との相性の良さ、扱い易さ、香りが高く評価され、ここ最近ではあらゆる方面で見かけることも多くなり、今年のバラとガーデニングショーでは著名なデザイナーの作品も含めほぼ全ての作品にミントが使用されていました。

しかし、ガムなどで名前はよく知られているこのミントも、元々は植物であるということすら一般にはあまり知られていないようで、実物を見て『これがミントの葉なの!?』 と驚かれる声もよく聞きます。

現在、市場入荷のある一般的なミントを紹介します。

【ペパーミント】
最も有名な西洋種でとても香りが良い、ミントは全ての品種において葉や茎をこすったときに香りを放つハーブでこのペパーミントの香りはまさにミントガム、ドライとしての利用価値も高くペパーミントのハーブティーはその香りに加え、ガム同様クールな後味が魅力、レモン系のハーブはもちろんカモミールやマロウとの相性も抜群。
葉は深い緑色で温度変化によりやや赤紫を帯び切れ込みがある。ちなみにアイスクリームに添えられている葉のほとんどがこのペパーミント。

【スペアミント】
ペパーミントと並んで西洋種の代表品種、葉をこすったときの香りは歯磨き粉そのもの、ガーデニングショーで見かけたアレンジに使用されていたミントの約4割がこの品種、主にオールドローズやイングリッシュローズとの組み合わせに使われ、葉の色は黄緑?緑色、ペパーミントよりは丸みを帯び葉脈が目立つ。
レアチーズケーキやヨーグルトに添えられている葉はスペアミントが多い。

【アップルミント】
丸い葉が特徴で、葉・茎全体に柔らかい毛があり甘い香りを放つ、ミント特有のクールな清涼感は無く名前もアップルという名だがリンゴの香りがするわけではない。リンゴの香りを求めるときは、カモミールがお勧め。
アレンジでの使用はスペアミントと並びこちらも4割くらい、色々な花材と相性が良い人気種。

≪アップルミントを使用したお勧めフレグランスブーケレシピ紹介≫
カーネーションドヌーヴ×アップルミント  スナップ雪姫×アップルミント  パイナップリリー×アップルミント 等

【パイナップルミント】
アップルミントの変種で白い斑が特徴、香りはアップルミントと全く同じでパインの香りがするわけではない。パイナップルの香りを求めるときは、パイナップルセージがお勧め。アップルミント同様アレンジでは人気種。

【オーデコロンミント】
やや円形で大きめの葉が特徴、全体に赤紫を帯びることが多く、葉脈が目立つ。柑橘系の非常に強い香りを持っており、ドクダミに似た匂いも併せ持つため、人によっては好みが分かれる。
クールな爽快感はないが、ドライハーブティーの組み合わせによってはアールグレイに近い香りに。また、フレグランスブーケではマリーゴールドと相性が良い。

【グレープフルーツミント】
やや大型の品種で葉色もきれい、花材として出回る量が少ない比較的めずらしい品種。
オーデコロンミントに近い香りでグレープフルーツの香りはしない。

【カーリーミント】
スペアミントの変種で名前の由来は、葉がカールして縮れていることから、此方もやや珍しい品種。
香りは歯磨き粉の香りだが、ゴマに似た別の匂いも混ざる。

【ブラックペパーミント】
茎や葉脈が紫を帯びるペパーミントの変種、ペパーミントより大型で葉も長い、かなり丈夫な品種。
香りもペパーミントより強香で爽快感も強い、色合いが素晴らしくあらゆるアレンジにも使えるお勧めの品種。

ミントの仲間は数多く、ここで紹介したものはほんの一部ですが、よく聞く名前のものを優先的にご紹介させていただきました。

ミントは主に他の花材と合わせて使いますが、シソ科のなかでも最も長く飾ることができるハーブです。品種によっては根が生えてくることも。これからの季節、上品でとても涼しい雰囲気をもつ江戸切子に、香りもクールなペパーミントを挿せば単体でも十分活用が可能です。眠気を覚まし、気分をすっきりさせる効能のあるペパーミントを部屋に飾って楽しむのも面白いかもしれません。


(む)

2009年8月 2日

アイリスで町おこし

今回は「アイリス」に関連する情報をご紹介します。

今年の3月以降、北秋田市を中心に秋田県はアイリスで盛り上がりを見せています。一部地域では既に町おこしも始まり、このアイリスで世界にもっと秋田を広めようという企画もあるようです。現在秋田は女性を中心にこの話題でもちきりだとか・・・。

実はこれ、アヤメ科アヤメ属の花のアイリスではなく韓国ドラマの『IRIS』(※韓国語のサイトです)の影響。ドラマ自体も花を題材にしたものではなく、国家情報機関のアクションもので花のアイリスとは直接の関係はありません。
しかしこのドラマのキャスティングが豪華で、主役は女性に絶大な人気を誇るイ・ビョンホン、ヒロイン役には「爽健美茶」のCMに起用されていたやはり人気女優のキム・テヒ。秋田県内でのドラマロケということもあり話題性は抜群で、放送前にも関わらずこれ程の人気となっているようです。

日本での放送(2010年2月より放送予定)が始まれば少なからず「アイリス」という名の知名度もあがり、ドラマのPR活動等で花のアイリスはもちろん、仲間のショウブ、カキツバタなどが使われれば普及も自然と高まるものと思われます。

たとえ名前だけであっても、花を扱う私たちにとってアイリスは身近な言葉、これがTV・雑誌等で話題になることはとても嬉しいこと。ヒナギク同様、メディアの力にも大いに期待したいところです。

(む)

2009年7月26日

芳香性のイネ科植物

イネの仲間といえば麦やススキなど、いかにも香らないイメージがありますが、実は、葉や茎を切った時に特別な香りを放つ仲間があります。
花研Blogでも紹介がありましたが、ここ最近香りの機能・抗菌性が再度見直され、化学薬品を使わない植物性の精油(エッセンシャルオイル)などに注目が集まっています。今回はその中でも特に素晴らしい効能を持つイネ科ハーブについて紹介していきます。


【レモングラス】
インドやタイの川辺や沼地に自生する植物で比較的湿り気のある土壌を好む寒さに弱い植物として知られていますが、霜を避け根元から刈り込めば玄関などで越冬が可能です。
葉を潰したり茎を切ったときに香るタイプのハーブで、強いレモンの香りを放ち、タイ料理トムヤムクンの香り付けとして知られ、ドライではハーブティーとして利用します。成分には消化器系の強壮作用、鎮痛効果に加え強い抗菌作用も併せ持ち、最近の研究では抗がん作用が発表され話題となっています。香りの揮発速度を表す「ノート」はミドル?トップで、同系統のレモンバーベナには劣ります。
※レモンバーベナは葉に軽く触れるだけで部屋をレモンの匂いにするほど強く、レモン香のハーブでは最高といわれています。

【バニラグラス】
ハルガヤという和名の帰化植物でおもに牧草として利用され、種をまいて殖やし株分けも簡単。バニラと桜餅を混ぜた香りを放ちますが、乾燥しないと全く香りません。そのためドライフラワーにしてからポプリとするのが主流で、ティーや食用には向いてないようです。
同系統の芳香花としてヘリオトロープ・フジバカマ・リューココリーネ等が挙げられます。
※バニラの香りではヘリオトロープホワイトが最も良い香りといわれています、またフジバカマも乾燥させてからの香りを利用します。 

【パルマローザ】
薔薇の香りをもつイネ科植物でインドなどが原産です。
ゼラニウムや薔薇に含まれるゲラニオールが主成分で薔薇とレモンを混ぜたような香りがします。レモングラスと同じように葉や茎を切ったときに香るタイプで、普通に触っても香りません。
エッセンシャルオイルとして有名でアロマバス・スキンケアに利用、やはり抗菌作用が強く、感染症の予防にも用いられます。揮発速度はトップノートとなります。


イネ科ハーブは市場入荷も少なく、見た目が稲や麦にそっくりなため一般にはあまり知られていないようですが、レモングラスならば鉢物として比較的容易に入手できます。また、バニラグラス・パルマローザはハーブ専門店で種子を入手可能です。香りを演出する一員としてぜひご利用ください。


(む)

2009年7月19日

男子に大人気の花? ヒナギク

皆さん【ヒナギク(雛菊)】という植物をご存知でしょうか? いわずと知れたイタリアの国花、デージーです。その和名がヒナギクです。

今、このヒナギクという言葉が「もっとも花に興味の無い世代」といわれる一部の10代男性、特に中・高生の間で大人気となっています。実際、ヒナギクで検索をしてみると50万件近くのヒットとなり、それらホームページのアクセス数もかなりの数値です。
実はこれは現在放送中の深夜アニメの影響で、ヒナギクはそのアニメに登場するヒロインの名前なのですが、そのヒロインの人気がとても高く、今期の全アニメの中でも人気No.1といわれています。今後デージーを展示するとき、または特集を組むときなどは名前をひねって【ヒナギク】としてみるのも面白いかもしれません。

また、デージーの仲間には水泡で有名なリビングストンや冬ガーデンのユリオプス等ありますが、これからの季節に大活躍する仲間もあります。

【ブルーデージー】
ブルーデージー

別名【ルリヒナギク】と呼ばれるこの花の魅力はなんといってもその色彩にあり、現在の鉢花でもこれ程貴重な水色・瑠璃色をもつ花はルリマツリ等、ほんの一部にかぎられます。
またこのブルーデージーは素焼きのテラコッタ、特に円形で色がベージュに近いものと相性抜群で、夏ガーデンの存在感を飛躍的に上昇させることができ、さらに濃い藍色をもつメドーセージと合わせることでテラコッタ全体の美しさを引き出すことができます。

今回のヒナギクのように他メディアで花の名前がとりあげられ 花に興味の無い世代 に名前だけでも浸透することは非常に重要なことです。花のことを一つでも知ってもらう為、これからも他メディアの力には期待大です。 

(む)

2009年7月 5日

唐種招霊の香り

夏を代表する芳香花に【タイサンボク】というマグノリアの仲間があります。

10メートル以上まで成長する常緑高木で花の大きさも20センチ近くになり、レモンとスズランを混ぜたような上品な香りを放ちます。6月上?中旬頃が開花時期にあたり見ごろなのですが高位置に花を咲かせるため香りを嗅ぐのは少々難しいかもしれません。

香水採取に使われる白木蓮、紫木蓮など総じて良い香りを放つマグノリアの仲間ですが、神木として扱われる唐種招霊?カラタネオガタマ?にこそ、これらマグノリア香の真髄があります。これは唐種招霊の香りが私たちの良く知るバナナに近い香りだからです。

咲き始めの短期間限定ではありますが、これほど他の芳香花とかけ離れたスィーツの香りを放つ植物はそう多くはありません。唐種招霊の開花時期は5月上旬頃でもう過ぎてしまいましたが、これ程良い香りを放つ植物が神社仏閣や一部植物園など非常に地味な場所に植えられ、あまり知られていないのは少々残念な気もします。


?マグノリアの弱点?

総じて良い香りを放つマグノリアの仲間ですが、共通の特徴として非常に花弁の付け根が弱く散り際が早いという弱点を持ち合わせています。また、肉厚弁であるがために小さい傷でもシミが目立ってしまいがちです。
品種改良により強固な品種が生まれてくれば、切花としての普及が見込めるのですが・・・今後に期待ですね。

(む)

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