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2015
最優秀賞 優秀賞 特別賞 新商品奨励賞 表彰式
(株)大田花き花の生活研究所が持つ各種データを元に、産地別品種をノミネートした上で花業界でご活躍されている方々を審査員としてお迎えし、より客観的な選考を行っております。また、(株)大田花き花の生活研究所では、この結果を元に、花の流行分析を行っています。

◆2015年度 FLOWER OF THE YEAR OTA 最優秀賞

バラ スプラッシュセンセーション  品目: バラ
 品種: スプラッシュセンセーション
 産地名: JAひまわり

 (愛知県)


■産地様のコメント
受賞者
 昨年に引き続き、フラワー・オブ・ザ・イヤーOTAを受賞することができ、非常にうれしく思います。スプラッシュセンセーションは中輪、スプレー、カップ咲き、ウェーブしたピンク色の花弁のユニークな花で、花持ちは最高に良いです。これからも受賞した品種、その他に約150品種ほどあるすべてのバラを最高品質でお届けしたいと思います。本当にありがとうございました。

■所感
 カップ咲きというこれまでのトレンドを捉えながらも、丸弁でありながら先端がツンと尖り、また細かいフリンジが入っているところが個性的です。花弁の表裏で色が異なり、全体としてはピンク系のアンティークニュアンスを醸し出しているため、埋めや合わせ素材として加えるだけでデザイン性が増し、重宝されました。花付きの良さ、大きすぎず、使いやすいサイズ感から広く受け入れられました。

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◆優秀賞

スカビオサ ナナライトピンク  品目:スカビオサ
 品種: ナナライトピンク
 産地名: エナガファーム 江永 良宏

 (佐賀県)


■産地様のコメント
受賞者
 業界を常にリードされる大田花きより素晴らしい賞をいただき誠にありがとうございます。花作りをしている者にとって最高の喜びです。今までにそれなりの苦労もありましたので、電話でこのお知らせを聞いたときは夫婦ともに感激のあまり涙目になっておりました。30年前から花作りをはじめ、20年前からスカビオサの育種に取り組んできました。育種をする際に拘っていることがあります。スカビオサには豊富な色があります。しかしながら茎が弱いものもたくさんあり、むしろその方が多いくらいです。ですから、茎がしっかりしたものを選抜するように心がけております。これからも‘ナナライトピンク’以上に品質が良くて使いやすい商品を作っていきますので、よろしくお願いいたします。

■所感
 江永様ご自身が作出されたオリジナル品種です。優しい春色のピンクが野の花風な雰囲気を出していて魅力的です。ブライダルから店売り、ギフト、パーソナルユースなどとしてシーンを選ばず幅広く使われました。柔らかい雰囲気ながらも、茎は固く締まっていて、使うに安心感があります。開花につれてポンポン型に立体化するのも魅力の一つ。流通期は11月から5月までです。

◆優秀賞

クレマチス ホワイトジュエル  品目:クレマチス
 品種: ホワイトジュエル
 産地名: 渋谷 宗一

 (長野県)


■産地様のコメント
受賞者
 クレマチスの魔力にはまり、できればクレマチスの切り花で生計を立てたいと考えたのは、今から20数年前でした。今考えると無鉄砲なことをと思いますが、その時は“多分行ける”、“絶対行ける”と考えていました。多くの方に助けられ、多くのクレマチスと出合うことができ、このような素晴らしい賞を頂けたのだと思います。クレマチスの切り花は多くの魅力と可能性があると考えております。これからも皆様に可愛がってもらえるクレマチスを提案し出荷していくつもりです。

■所感
 日本における切り花クレマチスの世界は、まさに澁谷様が切り拓いたといっても過言ではないでしょう。澁谷様の品種が30種類くらいある中でも、珍しい上向きの原種系の品種です。「この花はどうやって使われるのか」という視点を常に意識しながら生産される澁谷様は、適切な切り前や長さ、ツボミの形などデザイナーにとっての花姿を考え尽くしてご出荷されています。だからこそ多くのデザイナーに愛される完成度の高い仕立て。‘ホワイトジュエル’は、花だけでなくツボミや葉も含めた姿全体をお楽しみください。流通期は3月下旬から7月まで。

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◆特別賞

アルストロメリア スコーピオン  品目: アルストロメリア
 品種: スコーピオン
 産地名: JA上伊那

 (長野県)


■産地様のコメント
受賞者
 花色の豊富さがアルストロメリアの魅力の一つですが、近縁では花姿も様々な品種が開発され、益々楽しめる品目になりつつあります。賞をいただいたスコーピオンをはじめとし、もっと魅力的なアルストロメリアの生産に向けて努力を重ねていきたいと思います。

■所感
 丸弁で優しい雰囲気を持つ品種が主流だったアルストロメリアに風穴を開けるべく、細弁で尖った個性の‘スコーピオン’に注目が集まりました。上伊那農協の生産者様が、“これは面白い”とオランダの品種に目を付けて栽培され、見事にトップデザイナーの目に留まりました。“スコーピオン”とは日本の生産者様が命名したようですが、言わずもがなサソリの意味。商品イメージと名前がマッチしていて、良いネーミングです。刺すように細い花弁と強烈な色彩模様はまさにサソリのような存在感。2014年からの新しい品種です。

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◆新商品奨励賞

ダイアンサス 線香花火  品目: ダイアンサス
 品種: 線香花火
 産地名: 森田 和友

 (長野県)


■産地様のコメント
受賞者
 名誉ある賞を頂きありがとうございます。スタッフ一同の励みになります。1968年からカーネーションを育てています。平成元年、日本オリジナルを育成したいと思い、ダイアンサスの育種チーム(双葉会)に参加しました。育種を始めた初期、目指していたものは「日本らしさ」でしたが、今は「日本」です。‘線香花火’は繊細で小輪ですが、花持ちが良く、しっかりした花弁、存在感のあるダイアンサスです。この花を活かしていただければ幸いです。

■所感
 「こんなダイアンサス見たことない!」と思われることでしょう。花弁からヒゲが生えたように変異が見られ、しかもそこがピンクに色付くという何とも不思議な個性を持った品種です。‘線香花火’というネーミングも可憐なこの花のイメージとマッチしていて、言い得て妙と感心してしまいます。本年は出荷1年目で流通量は限られていましたが、このインパクトが多くの方から注目を集めました。ダイアンサスとはナデシコのこと。今後なでしこジャパンの活躍で、‘線香花火’が使われることもあるかも!?

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◆総評・分析


 展開の速いフラワートレンドですが、今年は「尖った個性」と「草花ニュアンス」というキーワードでくくることができるでしょう。より原種に近い草花ニュアンスを持つ商品が改めて注目される傾向にあります。また、大きすぎる輪よりは、中小輪の方が使い勝手が良く、あらゆるシーンで使えるという声も聞かれます。花材としての面白さ、個性を出しながらも、実需者にとっての使いやすさを追求することが重要です。実需者の皆様は常に新しいものを受け入れる土壌をお持ちなので、是非生産者の皆様には、いつもとチョット違うモノを積極的にマーケットにご紹介いただきたいと思います。

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ご協力頂きました皆様に厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。